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2025年3月6日更新
Q.金利上昇、どんな対策が必要?|A.利上げに強い家計目指そう|マネーのヒント!⑫
「金利が上がる」というニュースを聞くと、不安を感じませんか? 日本銀行は2024年3月にマイナス金利政策を解除して17年ぶりに利上げを決定しました。
Q.金利上昇、どんな対策が必要?
A.利上げに強い家計目指そう
「金利が上がる」というニュースを聞くと、不安を感じませんか? 日本銀行は2024年3月にマイナス金利政策を解除して17年ぶりに利上げを決定しました。住宅ローンや預金金利など生活に身近な金利は政策金利を基に決まるのですが、現在の政策金利は約0.5%まで上がっています。政策金利の利上げによって、今後予想される私たちの暮らしへの影響を具体的に紹介しましょう。
① 銀行金利が上がる
普通預金金利を0.001%から0.1%に上げた金融機関が多く、それによって100万円を1年預けた場合の利子が10円から1千円に上がるメリットがありました。今後も多少の金利上昇はあるかもしれませんが、十分にお金が増えるほどの金利上昇は考えにくいです。
対策として預貯金、投資運用、貯蓄性保険、不動産など複数を組み合わせた資産形成をおすすめします。
② 住宅ローン金利が上がる
現在、住宅ローンの変動金利に大きな動きは見えません。しかし、今後も政策金利が上がると変動金利の住宅ローン金利が上がり、毎月の返済額や総返済額が増加する可能性があります。住宅ローン利用者の8割近くが変動金利ローンを選んでいるので、利上げの影響を受ける人は非常に多くなると予想されます。
「繰り上げ返済をした方が良いか?」と不安の声が上がっていますが、必ずしも最適解ではありません。家庭の事情に合う最適な対策方法を取るために、専門家のアドバイスも参考にして早めに対策を決めて行動しておきましょう。
③ 株価が下がる
金利が上がると企業の借入利息が増えるので、利益が少なくなります。そして、新規借り入れが難しくなるので、設備投資や新商品の研究・開発に抑制がかかり事業縮小に向かうため、株価は下落傾向になります。
NISAやiDeCoを利用して投資している方や売買利益を狙って株投資に力を入れている人は株価の下落場面で焦らずに冷静な判断をしましょう。
④ 物価上昇が抑制される
金利が上がるとお金を借りて買い物する人が減り、物価上昇が抑えられます。例えば、住宅ローンやカーローンが上がれば不動産や車の購入を控える人が増え、不動産や車価格の上昇が抑えられます。
しかし、昨今の物価上昇は「コストプッシュ型」と言って原材料のコストや輸入コスト上昇が原因のインフレと考えられるため、利上げによる物価のコントロールは難しいでしょう。コストプッシュ型のインフレ時は、企業が値上げでコスト転嫁できないと経営が難しくなり、給与が上げられません。すると消費者はモノを買わなくなり、ますます景気が悪くなるという悪循環に陥ってしまうのです。
金利上昇が与える影響はメリットよりデメリットが目立つので暮らしにとって不安要素ですが、必要に応じて専門家の意見も参考にして自分で資産管理ができることを目標にしてください。適切に対応してリスクの回避に留まらず、利上げに強い家計を目指して学び続けましょう。
おかだ・ゆり/ファイナンシャルアライアンス(株)沖縄支店所属。外資系企業を経て沖縄へ。女性のマネー知識の底上げをライフワークに活動
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『週刊ほ〜むぷらざ』マネーのヒント!⑫
第1960号 2025年3月6日掲載
この記事のキュレーター
- キュレーター
- 岡田有里
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ファイナンシャルプランナー。ファイナンシャルアライアンス(株)沖縄支店所属。外資系企業に就職し海外勤務を経験し、2000年に沖縄へ。「私の未来に安心を!」をテーマに、女性のマネー知識の底上げをライフワークに活動。