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2024年6月27日更新
MooZ(モーズ)の與儀さおりさん|フクロモモンガの販売 副業に[「起業」して 私らしく働く]
與儀さおりさん(50)は看護師の仕事をしながら、ブリーダーとしてフクロモモンガを専門に販売する「MooZ」を昨年開業した。「今は経営の土台づくりの時期」とマイペースで取り組んでいる。
「起業」して 私らしく働く
1984年6月に、女性のための生活情報誌として創刊。おかげさまで、ほーむぷらざは40周年を迎えます。これまで女性が生き生きと輝くことを願い、さまざまな情報を発信してきました。女性社長の割合が全国で2番目に高い沖縄県※。今号は、自分らしく働く選択肢としても注目される「女性の起業」を特集します。
※(株)帝国データバンク 全国「女性社長」分析調査(2023年)より
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自宅兼事業所でフクロモモンガを飼育・販売している與儀さおりさん。「ブリーダーとして、県内ではまだ珍しいフクロモモンガの魅力を多くの人に知ってもらうことで、フクロモモンガの診察ができる動物病院や獣医師が増えてほしい」と話す
MooZ(モーズ)
與儀さおりさん
プロフィル 1973年浦添市出身。神奈川県の看護学校に進学し、看護師として長年勤める。2023年に第一種動物取扱業を取得し、「MooZ」を開業。フクロモモンガ専門のブリーダーとして、生体販売などを手掛ける。
フクロモモンガの販売 副業に
本業の傍ら販売許可を取得
副 業を考えたのは40代半ばで病気を患い、看護師の仕事をこれから先も続けることに不安を感じたのがきっかけ。與儀さんは「いずれ看護師をやめても何か家でできる仕事はないかと考えていました。その頃、県内のブリーダーから購入したオスとメスのフクロモモンガを飼育していました。その2匹から赤ちゃんが生まれたのをきっかけにブリーダーの仕事に興味がわきました」とふり返る。
ブリーダーとしてフクロモモンガを販売するのに必要な第一種動物取扱業の登録には実務経験が必要だった。「看護師の仕事をしながらでも雇ってもらえるお店を見つけるのは難しい。幸いなことに相談したブリーダーのお店で、仕事が休みの日にボランティアとして働かせていただけることになり、実務経験を積むことができました」。また、賃貸居住用でペットの販売ができる物件を探すのも苦慮した。「勤めている病院の患者さんが要件にあった賃貸住宅を持っていて、そこに自宅兼事業所として入居しました」
入居費用やケージなど設備を整えるのに思っていた以上に費用がかかったという。「お世話になったブリーダーの方が廃業を考えていて、私が開業する際に、育てていたフクロモモンガや道具を譲ってもらえたのは助かりました。身近でいろいろと相談ができる交友関係を築いていたのが、こうしたご縁につながったと思います。試行錯誤の連続ですが、ほかのブリーダーの方のアドバイスも心強い」
愛情を込めて育てたフクロモモンガが顧客のもとに行くのはうれしいが、寂しさも感じるそう
フクロモモンガの販売許可を取得するには、一定の基準を満たした飼育スペースが必要だ。與儀さんは、間取りが広く、天井が高い賃貸住宅に入居することでクリアした
余力のあるうちに
與儀さんは、日々看護師の仕事をしながらフクロモモンガを飼育し、仕事が休みの日に販売などを対応している。フクロモモンガの飼育は散歩の必要がなく、夜行性で食事の用意も夕方に1回だけと、仕事をしながらでも世話がしやすいという。「今は経営の土台づくりの時期。リピーターも少しずつ増えているので、無理はせず気長に本業と両立していきます。開業の苦労を考えると、仕事を退職した後に始めるより余力のあるうちに、副業として早めにスタートして良かったと思う。これからブリーダーとしてフクロモモンガの魅力を県内に広めていきたい」
■フクロモモンガ専門店「MooZ(モーズ)」 電話=070(3801)3722
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取材/池原拓
『週刊ほ〜むぷらざ』
第1925号 2024年06月27日掲載