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2024年6月27日更新
沖縄ガールズスクエアの岩渕裕子さん|身近なSNSで起業しやすく|「好きなこと」で小さな一歩を[「起業」して 私らしく働く]
起業に興味はあるけれど、何から始めたらいいか分からない…という人は多いのでは。女性の起業をサポートする沖縄ガールズスクエアの岩渕裕子さんに、今どきの起業、働き方について聞いた。
「起業」して 私らしく働く
1984年6月に、女性のための生活情報誌として創刊。おかげさまで、ほーむぷらざは40周年を迎えます。これまで女性が生き生きと輝くことを願い、さまざまな情報を発信してきました。女性社長の割合が全国で2番目に高い沖縄県※。今号は、自分らしく働く選択肢としても注目される「女性の起業」を特集します。
※(株)帝国データバンク 全国「女性社長」分析調査(2023年)より
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身近なSNSで起業しやすく
「好きなこと」で小さな一歩を
Q 最近の起業の傾向は?
A 起業1本というより、パートタイムで働きながら、好きなことで起業をする女性が増えています。
ここ数年、兼業、副業、起業など、働き方が多様に。本業を持ちながら、第二の活動をするパラレルキャリア(スキルアップや夢の実現を目的とし、ボランティアなど非営利の活動も含む)も注目されています。これまで千人以上の女性に話を聞きましたが、多くの人の課題は家庭と仕事の両立です。子育てをしながらフルタイム勤務の仕事を続けることが難しくなり、退職する女性は多い。
どんな働き方でも、自分にとって精神的なバランスと経済的なバランスが取れていることが大事です。やりがいを感じることは何か、どのくらいの時間働くのが心地良いか、考えてみてはどうでしょうか。起業は選択肢の一つ。勤め先でも地域のコミュニティーでも、自分の価値を最大限発揮できる環境を見つけられたらいいと思います。
Q やりたいことが分からない時は、どうしたらいい。
A 「好きなこと」や「こういう人の役に立ちたい」という思いが、起業の種になります。例えば「料理が好き」な場合、作ることが好きなら飲食店の経営が、人と接することが好きなら料理教室が向いているかもしれない。好きなことを深掘りするといいですよ。ただ、強みや可能性は自分では気づかないことが多いので、他人に聞く、相談することがヒントになります。
また、「困っている人の役に立ちたい」という課題解決も、ビジネスになります。生活に根ざした視点が持てることは、女性の強み。家事や子育て、PTAや地域との関わりなど、生活の中にさまざまな課題があります。
Q リスクが高そう…。
A ここ数年、SNSで発信できるようになり、起業のハードルは低くなっています。エンジンは「情熱」と「好奇心」。スキルは、やっていくうちに高まっていきます。
まずは小さなステップで、ワンアクションから始めるといいですよ。例えば、料理が好きな場合は、毎日作る料理をSNSにアップしてみる。カフェに行って、ランチを食べてみる。いずれ自分でやりたいと思って動くと、視点が変わります。
その次に、やってみたい業種で働いてみましょう。細かな業務が見えてきますし、勤務先でやりたいことができるのなら、そこで働き続けてもいい。
その上で、起業をすると決めたら、準備期間を設けてSNSで発信することを勧めています。今は、たくさんあるお店やサービスの中から「この人から買いたい」と選ばれる時代。思いに共感した人がファンになり、お客さまになってくれます。身近なSNSを活用しましょう。
やってみて違うなと感じたら、軌道修正をしてもいいし、やめて新しいことに取り組んでもいい。とにかく行動を起こして、自分なりのやり方を見つけること。
起業のハードルが下がると、さまざまな社会課題が解決されて住みやすい社会になっていくと思います。
いわぶち・ゆうこ
沖縄ガールズスクエア代表。働き方の相談を受け付け、起業スクールを開催。
■沖縄ガールズスクエア 電話=080(1298)9628
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取材/栄野川里奈子
『週刊ほ〜むぷらざ』
第1925号 2024年06月27日掲載