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2024年3月28日更新

ぎっくり腰など腰が痛い!|鍼灸で血の巡りを改善|鈴木先生が解説 なるほど鍼灸③

体を各パーツに分けて診る西洋医学と異なり、全身を診る東洋医学の鍼灸は、西洋医学だけでは改善しない症状の最後の砦ともいわれます。このコーナーでは、鍼灸の治療法や特徴、その魅力について、沖縄統合医療学院の鈴木信司先生が分かりやすく紹介します。

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鈴木信司(沖縄統合医療学院 学校長)

琉球大学大学院医学研究科博士課程修了、早稲田大学大学院スポーツ科学研究科修了。医学博士。県内初の鍼灸学科を開講した沖縄統合医療学院学校長。はり師・きゅう師等の国家資格と養成教員資格を持つ。全日本鍼灸学会、日本伝統鍼灸学会等に所属。
 
◇    ◆    ◇    ◆    ◇

腰痛は国民病ともいわれ、痛みが強いときには、立つのも、座るのも、歩くのも、あおむけに寝るのも、前かがみに腰をかがめるのも、本当につらいものです。

多くの方が体験したことがある、いわゆる「ぎっくり腰」は、20代から60代まで男女を問わずなりやすく、大きく分けて二つのタイプがあります。まずは、ウエストよりも上に位置する背中の大きな筋肉で、体を支える脊柱起立筋や筋膜に、急な力が加わったり、過剰に引き伸ばされたりすることによって起こる「筋・筋膜性腰痛」です。もう一つは、背骨と背骨をつなぐ部分に、急激に負荷がかかって炎症が起こり、痛みを生じる「椎間関節性腰痛」です。いずれも、重い物を持ち上げたり、中腰でくしゃみをしたりして、急に腰に大きな負担がかかった際に起こります。重い物を持ち上げる際には、丸めた背中を起こすように持ち上げるのではなく、股関節や膝、足首を曲げて荷物を持ち、背骨ではなく股・膝・足の関節の屈伸で持ち上げると、腰への負担が少なくなります。


椎間板ヘルニアや
神経根症も原因に


腰痛の原因としてよく耳にするのが「腰椎椎間板ヘルニア」です。腰椎の背骨と背骨の間でクッションの役目をしている椎間板の中身が飛び出して神経を圧迫し、腰やお尻の痛み、脚のしびれなどを感じます。また、腰椎の椎間板から飛び出した組織や腰椎の変性によって、腰椎から下肢へ伸びる神経が圧迫され、下肢の痛みやしびれが起こる「腰部神経根症」も、腰痛の原因となります。さらに、60歳以上の男性に多い「腰部脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)」も、腰痛を伴います。加齢とともに腰椎の中の脊柱管が細くなり、その中を通る神経が圧迫されて、腰痛、下肢にしびれや痛みが生じます。

特徴的なのは、腰椎椎間板ヘルニアや腰部神経根症は前かがみになると腰が痛むのに対し、腰部脊柱管狭窄症は前かがみになると痛みが和らぐ点です。ちなみに、腰部脊柱管狭窄症では、歩いているうちに脚のしびれや痛みが強くなって歩けなくなり、前かがみになって少し休むと楽になるものの、再び歩き始めるとまた痛むのをくり返す「間欠性跛行(はこう)」という症状が出るケースが多いとされています。


冷えからくる腰痛は
鍼灸で温めて治療を


東洋医学的には腰痛は冷えからくるとされており、体を温め循環を改善する鍼灸治療が適しています。治療の際は、脊柱起立筋上にある「腎兪(じんゆ)」や「大腸兪(だいちょうゆ)」、脊柱起立筋の外縁に位置する「志室」といったツボに加え、膝裏の「委中」というツボなどを刺激して、痛みの原因となる血の巡りを改善します。

なお、骨粗しょう症などから起こる圧迫骨折、腎臓の病気、内臓のがん、がんの骨転移などの疾患が腰痛の原因となっている場合もありますので、痛みが長く続く場合は必ず医療機関を受診してください。



ツボ刺激でセルフケア
ぎっくり腰や腰痛に
腰痛の特効穴と呼ばれる「腰腿点(ようたいてん)」。人さし指と中指の骨が交わる位置、薬指と小指の骨が交わる位置のくぼみを、反対の手の親指の先で、痛気持ちいい程度の強さで10秒ほど押しましょう。また、腰痛であおむけに寝るのがつらいときは、抱き枕を両膝の間にはさみ、横向きに寝ると楽になります。



鍼灸ひとくちメモ
 鍼灸の保険適用の条件 

鍼灸治療が保険適用されるためには、保険治療の対象となる「神経痛」「リウマチ」「腰痛症」「五十肩」「頚腕症候群」「頚椎捻挫後遺症」のいずれかの症状であること、医師から鍼灸治療の同意があることが条件となります。ただし、これらの症状について他の医療機関や整骨院などで並行して治療を受けた場合、ストレス緩和などリフレッシュ目的の場合、治療ではなく予防が目的の場合などは保険が適用されません。また、市町村によっては鍼灸の施術費の助成制度がありますので、お住まいの 自治体にご確認ください。


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取材/堀基子(ライター)
『週刊ほ〜むぷらざ』鈴木先生が解説!なるほど鍼灸③ 
第1912号 2024年3月28日掲載

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