YESでもいい。NOでもいい。 あなたの意思を表示しよう。|10月は臓器移植普及推進月間|fun okinawa~ほーむぷらざ~

沖縄で暮らす・食べる
遊ぶ・キレイになる。
fun okinawa 〜ほーむぷらざ〜

沖縄の魅力|スマイリー矯正歯科

わたしらしく

特集

2023年9月28日更新

YESでもいい。NOでもいい。 あなたの意思を表示しよう。|10月は臓器移植普及推進月間

亡くなった人からの臓器提供によって成り立つ臓器移植。10月の臓器移植普及推進月間にちなみ、臓器提供と移植の流れについて専門家や当事者に聞きました。この機会に家族と考えてみませんか。


「提供したい」意思をくみとるために

日本臓器移植ネットワーク(JOT)に移植希望登録をしている人は、全国に約1万5000人いるが、亡くなった方からの臓器提供によって移植を受ける人は、年間約400人程度。臓器移植コーディネーターの勝連知治さんは「臓器を『提供する』『提供しない』という選択は、どちらも権利として尊重されます」と話す。腎臓移植を受けた野嵩正恒さんは「移植の機会は突然やって来るので、いつでも手術が受けられるよう体調管理が必要でした」と振り返る。



 移植コーディネーターに聞く「臓器提供」の流れ 
家族との意思の共有大切に

勝連知治さん
(公財)沖縄県保健医療福祉事業団 臓器移植コーディネーター 

最善の治療を行った上で、それでも回復の見込みがないと判断された患者さんに対し、人生の最後の選択肢の一つとして臓器提供があること、その詳しい説明を聞くことを希望するか、医療者側からご家族に情報提供されることがあります=下図①~③。中には本人が臓器提供の意思表示をしていて、それを知っていたご家族の方から申し出がある場合もあります。臓器を「提供する」「提供しない」という選択は、どちらも権利として尊重されます。しかし、「提供する」という選択肢は医療者側が情報提供しないとその選択肢があることすら分からない場合が多いです。

移植コーディネーターから説明を聞いた後、家族内で提供するか否かを相談して決めます=④~⑤。この時、本人が「提供しない」と意思表示をしていれば、提供されることはありません。一方、本人に「提供したい」という意思があっても最終的に家族の承諾がなければ、かなわないことになっています。本人の意思が明確な場合、それを尊重しようと考える家族は多いので、普段の会話から、「臓器提供の意思表示」について考えを共有することが大切です。

近年、県内での臓器提供は、年に1~2例、多くて3例。「提供したい」という方の意思がもっとくみ取られるよう普及啓発に努めたい。

 

 


近年、県内の臓器提供の件数は、年に1~2件ほど。勝連さんは「2020年と21年はコロナ禍で全国平均が下がるなかで3件と比較的多かったが、昨年は一転して1988年以来となる0件だった」と説明する。近年、県内の臓器提供の件数は、年に1~2件ほど。勝連さんは「2020年と21年はコロナ禍で全国平均が下がるなかで3件と比較的多かったが、昨年は一転して1988年以来となる0件だった」と説明する。


 腎臓移植を受けた当事者に聞く 
移植の機会に常に備え

野嵩正恒さん
のだけ・まさつね/県腎臓病協議会副会長・事務局長

10代で腎臓病を患い、20歳で人工透析を受け始めた時に移植希望の登録をし=下図①、その後44歳で腎臓移植を受けました。移植を待った24年間の中で移植ができそうだった機会が2回ありました。ドナー(臓器の提供者)が発生した場合、医学的な基準に従って選ばれた最も適したレシピエント(移植を受ける人)から順番に移植を受けるか意思確認をしていきます=右図⑤。上位の人が体調面などさまざまな理由で適応とならない場合、その次の人に順番が回ります。

私は登録してから10年後の夜中に電話があって7番目だと伝えられました。しかし、その時は私より上位の人が移植を受けることになりました。さらに10年後に4番目だと連絡がありました。前回より順位が上がっていたので期待しましたが、この時も上位の人が移植を受けました。そして、その4年後の夏、朝5時に連絡があり、私の順番は4番目だと告げられました。それから順番が上がっていって私が移植を受けることになりました。移植の機会は突然やって来るので、いつでも手術が受けられるよう体調管理が必要でした。

術後、週3回の人工透析がなくなり、家族との時間が増えました。日々健康で充実した時間が過ごせて、ドナーの方には感謝の念でいっぱいです。

 
 


意思表示の例


臓器を「提供する・しない」の意思表示は、健康保険証の裏面=下=や運転免許証、マイナンバーカード、臓器提供意思表示カードに記入することができる ※上のピンクの枠線内が、意思表示をする欄。該当する項目の番号を○で囲む

 

ドナーへの感謝の手紙を朗読

臓器を提供した人の家族と移植を受けた人は、お互いの名前や住所を知ることも直接会うこともできないが、JOTを通して、移植を受けた人がドナーへの感謝の思いなどをつづったサンクスレターを受け渡しできる。FMよみたんでは、サンクスレターをまとめた冊子=上=の中から一部を朗読した動画を配信している。こちらから視聴できる。

問い合わせ先

電話=098(879)6311
関連記事:考えよう「意思表示」
             家族で話そう意思表示
取材/池原拓
『週刊ほ〜むぷらざ』10月は臓器移植普及推進月間

第1886号 2023年9月28日掲載

この記事のキュレーター

スタッフ
funokinawa編集部

これまでに書いた記事:4461

沖縄の大人女子を応援します。

TOPへ戻る