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2023年7月27日更新

外来種と在来種について学ぼう|意外と身近なSDGs④

近年の気候変動だけでなく、ペットとして飼育していた動物が逃げ出したり捨てられたりして、沖縄の動植物たちの住処(すみか)に変化が起きています。どうすれば在来種(地域に古くから存在する生物)の生活環境が脅かされないかを子どもたちと考えるために、環境省やボランティア講師の方に協力いただき、地域で観察会や勉強会を開いています。


写真A


写真B


外来種と在来種について学ぼう

コロナ前に夏休みの自由研究のテーマになればと、子どもたち向けに地域の公園や緑を活用して沖縄の動植物の多様性を考える講座を開きました=写真A、B。身近な自然を観察することは、生きる力につながる五感のトレーニングにもなります。


特定外来種の三原則は

講座の内容は、侵略的外来種(生態系などへ被害を及ぼすもの)の動植物の特徴や問題、駆除や管理の方法などでした。

外来種の被害予防の三原則は、①入れない②捨てない③広げない、です。アメリカハマグルマ=C=は、外来種の中でも対策の緊急性が高い「緊急対策外来種」です。刈り取ると断面から発根して広がるため、抜き取るのが有効な駆除です。特定外来生物(生態系などへの影響が大きい)のグリーンアノール=D=は、飼育しない。捕獲し、生きたまま移動させると法律で処罰されます。講座を開く前までは、私自身知らなかったことばかりでした。


写真C。緊急対策外来種のアメリカハマグルマ

写真D。特定外来生物のグリーンアノール

遊び場にいる動植物が在来種か外来種かを学んだ後、子どもたちは楽しそうに外来種の草むしりをしました。3年間講座は開けなかったのですが、講座後も子どもたちは草むしりを継続し、現在はアメリカハマグルマがほぼ見られません。学童の先生にどんな指導をしたのか聞くと、「特別なことはしていませんよ」ということでした。外来種駆除が日常となったのなら、講座を開いて良かったと感じました。

「覚えれば実行できる。知れば、当たり前の行動となる」。「知ることが、地球温暖化防止にもなっていく」。地域×行政×企業×NPO×市民がつながれば、良い環境を子どもたちに引き継げるのではないでしょうか。


 


文と写真/諸見みどり
「環境から健康を考える会」エコット代表。日々の生活の中でSDGsにチャレンジ中


『週刊ほ〜むぷらざ』意外と身近なSDGs
第1877号 2022年7月27日掲載

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