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2023年7月6日更新

在宅医療|つらくない介護を(2)

介護が必要な人も、介護をする人も「つらくない介護」を選択するために、当事者や介護を支える人々に話を聞く連載。今回は、在宅医療のメリットと在宅医療につながる方法について、在宅医とケアマネジャーの2人が対談しました。


高まる在宅医療へのニーズ 自宅での看取りも可能に


介護が必要な人も、介護をする人も「つらくない介護」を選択するために、当事者や介護を支える人々に話を聞く連載。今回は、在宅医療のメリットと在宅医療につながる方法について、在宅医とケアマネジャーの2人が対談しました。


24時間往診可能か確認することが大事

新屋洋平さん/医療法人以和貴会西崎病院総合診療科、一般社団法人OHS沖縄往診サポート代表理事


専門家がつながると家族の負担軽減に

大城五月さん/(同)hareruya代表、おきなわ仕事と介護両立サポート協同組合代表理事、主任介護支援専門員

ー沖縄は今後、他県に比べ著しく高齢化が進展するのに伴って在宅介護や在宅医療のニーズも高まると見られている。在宅医療のメリットは?

新屋
 加齢で病気になる高齢者の増加も考えられる中、救急病院の病床数は変わらないので、在宅医療を活用しないと、沖縄の超高齢社会を支えていくことはほぼ無理です。特に緊急時を含め24時間往診できる在宅医療のニーズはより高まっていくでしょう。

在宅医が住宅に訪問すれば生活の状況が見え、少し話を聞いて診察や検査をすることで患者に何が起こっているかがだいたい分かります。早めの対応で入院が必要になるほど状態が悪化するのを防ぐことができます。逆に、救急病院で、患者の生活が見えていない医師が話を聞いて診察するだけでは正確な診断は難しい。だからこそ救急病院ではいろいろな検査を受け、結果が出そろうまで長時間待ち、入院や帰宅となる場合が多い。



大城 高齢者が入院すると、ずっとベッドの上にいるので身体機能も認知機能も悪化するケースが多いですよね。

新屋 入院すると、病気そのものは良くなるかもしれないけど、体調は悪くなります。1週間入院したら、筋肉は10%以上落ちると言われる。「いかに今の状態で長く暮らしていくか」というのを考えたとき、病状が安定しているときから定期的な訪問診療を取り入れていくことが大事です。

大城 昨今は感染症の不安から、病院の受診を控える人も増えていますよね。病状が悪化して入院せざるを得なくなり、体調が悪くなる人が増えるのを危惧しています。そもそも在宅医療につながる方法を知らない人も多いのでは。


新屋 自分一人で通院できなくなった人であれば、在宅医療を受けることができます。例えば、一度救急搬送や入院した人などは、在宅医療の活用を検討した方がいいです。その際、24時間対応の往診が受けられるかは、ぜひ確認を。

大城 担当のケアマネジャーに相談すれば、訪問診療だけでなく、同時に訪問看護や訪問リハビリなどの活用も検討できます。介護にそのような専門家同士がつながっていると情報共有ができるし、家族も一人で全部を把握しなくていいのですごく安心です。

実際、在宅医療を利用している家族から、「いつでも連絡していい場所があるという安心感が大きい」とか、「介護タクシーの手配や病院での待ち時間など、心身の負担が減った」という声があります。

新屋 沖縄の課題として、在宅医療の利用が全国と比べてとても低く=上グラフ、病状が悪化してから病院を受診し、入院する事例が多い。入院しないためにも在宅医療を活用してほしいですね。

住み慣れた場所で最期まで過ごすことはできます。在宅医療は必要な人が声を出さなければ増えていきません。往診を行う医師を支援する団体もあるので、必要なときはぜひ担当のケアマネジャーやかかりつけ医、地域の医師会の他、訪問看護ステーションなど情報を持っているところに相談してほしいと思います。
 
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取材/赤嶺初美(ライター)
毎週木曜日発行・週刊ほ〜むぷらざ
「第1874号 2023年7月6日紙面から掲載」

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funokinawa編集部

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