特集
2023年2月2日更新
終活本 バラエティー豊かに|後悔しない終活⑦
沖縄県立図書館の司書、﨑山理沙さんに終活のお薦め本を聞いた。おひとりさま、社長、障がいがある子の親向けなど、幅広いラインアップだ。価格はすべて税抜き。
後悔しない「終活」
沖縄県立図書館の司書お薦め
終活本 バラエティー豊かに
いろいろな方に役立つよう、バラエティー豊かに取りそろえました。紙面に関連して図書館で2023年2月6日㈪まで終活特集を開催します。ぜひお越しください。
お薦めしてくれた人
﨑山理沙さん。「図書館はいろいろな資料をそろえています。お探しの際は、職員に気軽にお声掛けください」と話す。問い合わせ先/電話=098(894)5858
ゆる終活のための親にかけたい55の言葉
親を知るきっかけ、心構えに
子ども世代向けに、親にどんな言葉をかけたらいいかをまとめた本です。読んでいて、意外と親のことを知らないんだなと気付きました。親の最期は想像したくないものですが、大切な人だからこそ悔いなく送り出せるように、親について知っておくことが心構えにつながります。言葉選びが上手で、すぐに使えそうです。
奥山晶子著
オークラ出版
1650円
家族に頼らないおひとりさまの終活
自分が思い描くエンディングへ
「人生の最終段階を人任せでなく、自分で決断したい」という人向けの本です。おひとりさまだけでなく、家族に心配をかけたくない人にもお薦めです。前半には自分の望むエンディング期を実現するためにやっておくべきこと、信頼できる誰かにお願いすること、後半ではお金や遺言、税金など具体的な手続きが紹介されています。
奥田周年、黒澤史津乃、太田垣章子著
ビジネス教育出版社
1650円
デジタル遺品の探しかた・しまいかた・残しかた+隠しかた
デジタル終活のススメ
亡くなった方の家族向けに、スマホやネット上のアカウントやネット証券、仮想通貨の口座の探し方、解約の仕方、引き継ぎ方などが載っています。面白いなと思ったのが、ユーチューブ活動のしまい方、という項目。今どきだなと感じます。すべてを消すのではなく、写真など思い出として残したい物を残すための方法もあり、参考になります。
伊勢田篤史、古田雄介著
日本加除出版
1980円
いつか来る死
死を考えるきっかけに
72歳の糸井重里さんと、訪問診療医として400人以上をみとってきた82歳の小堀鷗一郎さんの死についての対談やインタビューです。
印象的だったのが、「死は普遍的という言葉が介入する余地がない」という小堀さんの言葉です。個人の数だけ死との向き合い方があるのだと感じました。避けがちな死について考えるきっかけになります。
糸井重里、小堀鷗一郎著
マガジンハウス
1540円
社長が突然死んだら?
物語で分かりやすく
突然社長が亡くなったらどうなるか。どう事業承継をしていくか。ストーリー仕立てで分かりやすく、当日の対応、資金繰りから会社の売り方までが網羅されています。もう一つのストーリーとして、社長がもし生きていたら、社長やその家族がしておくべき生前対策も。備えの大切さが分かります。
伊勢田篤史著
税務経理協会
1870円
障がいのある子が「親亡き後」に困らないために今できること
福祉やお金の疑問に答える
子どもを残すことへ不安がある方は多いと思うのですが、障がいがあるお子さんがいる方向けの本です。福祉や相続に関わる著者らが、子どもの生活はどうなるのか、お金はどのくらい必要か、身内がいない時は? といった疑問へ答えます。福祉制度やお金のことなど、知っておきたい情報が詰まっています。
鹿野佐代子、明石久美著
PHP研究所
1430円
編集/栄野川里奈子
『週刊ほ〜むぷらざ』後悔しない「終活」
第1852号 2023年2月2日掲載