特集
2022年8月11日更新
[沖縄]一緒にSDGs① |「フードドライブ」
一緒にSDGs|随時掲載
県内12市町で受け付け
余った食品は郵便局へ
日本郵便(株)沖縄支社は12市町の郵便局で、家庭で余った食品を受け付け、子ども食堂などへ寄付する「フードドライブ」を行っている。経営管理本部経営管理部の備瀬千賀子主任は「食べきれなかった食品は、ぜひ郵便局へ」と呼びかける。フードドライブとは、家庭で余った食べ物を学校や職場などに持ち寄り、地域の福祉団体や施設などに寄付する活動のこと。日本郵便(株)沖縄支社は12の市町で、各市町、社会福祉協議会と協定を締結している。現在フードドライブを行っているのは、うるま市、沖縄市、宮古島市、名護市、浦添市、豊見城市、糸満市、西原町、南城市、石垣市、本部町、那覇市。集められた食品は、子ども食堂などで地域の子どもたちへ調理して提供される。
取り組みは2019年にうるま市でスタートし、ことし7月から那覇市も加わった。現在、126の郵便局にフードボックスが設置され、食品の寄付を受け付けている。備瀬さんは「沖縄の子どもの貧困率は約3割と全国の16・3%と比べて高い。子どもたちの居場所を支援し、未来がより豊かになることを目指して取り組みが始まった。郵便局は小学校の数よりも多く、地域に根差している。身近な郵便局で、気軽に寄付していただければうれしい」と話す。
那覇市東町の郵便局にあるフードボックス。寄付できる食品の種類や条件は市町ごとに細かな違いがあり、フードボックス近くに表示されている
地域の子どもたちに
寄付するには、各郵便局の窓口に設置されているフードボックス=左上写真=に食品を持ち込めばOK。集まった食品は定期的に社会福祉協議会や子ども食堂が回収し、子ども食堂などへ寄付される。2022年3月末時点で、月平均2300個、780キロの食品が寄せられている。
寄付できる食品は、米、小麦粉といった粉類、乾麺・乾物、菓子類、食用油、レトルト食品、飲み物など。賞味期限が1カ月以上残っている、など条件がある=左下囲み。「お中元やお歳暮でもらった缶詰やドレッシングを使い切れなかった、と持ってくる方が多い」と備瀬さん。
余った食品がだれかの役に立ち、食品ロスの削減にもつながるフードドライブ。まずは、家にストックしてある食べ物の在庫や期限をチェックしてみてはいかが。
食品ロスの4割は手つかずのもの
環境省によると、2020年度の国内の家庭での食品ロスは247万トン。そのうち44%が賞味期限切れなどで手つかずで廃棄されたもの。食べ残しが43%、過剰除去(厚くむき過ぎた野菜の皮など)が13%となっている。また、4人家族の1世帯は毎年約6万円相当の食品を捨てている、と見積もられている。
『週刊ほ〜むぷらざ』一緒にSDGs!
第1827号 2022年8月11日掲載