介護
2022年3月3日更新
笑顔つながる小さな工夫|介護の楽ワザ⑤
家族の介護をしている人が、経験から得たこつや便利な道具、シェアしたい情報を紹介。今回は、小さな工夫でも、介護者、要介護者の安心や笑顔につながった事例を紹介します。
Tさんの経験談 傘タイプのつえなら使ってくれた
傘タイプのつえは先に太めのしっかりとしたゴムのストッパーがついているので体重をかけても滑りにくい。普通の傘としても使える70代の母は少しだけ歩行に不安があり、特に外出時にはしんどさを感じるようでした。
ある日、雨傘をつえの代わりにして使っているのを見て、「今はおしゃれなつえがあるからそれを買ってあげるよ」と話したら、少し怒った口調で「いらない」と言われました。どうやら年寄り扱いされたのが嫌だったようです。まさか、母がつえを拒否するとは思わず、このとき初めて「高齢者の気持ち」を知りました。
ネットで調べたところ、「傘タイプのつえ」があるのを見つけました。普通の雨傘と違って、先に太めのしっかりしたゴムのストッパーがついていたので、体重を乗せても安心。ネット通販で気持ちも明るくなるようなオレンジ色のものを選んで購入して母にプレゼントしたら喜んで使ってくれて私も安心したし、うれしかったです。
Tさん
高齢者の気持ちを初めて知りました
Aさんの経験談 無線チャイムが安心便利
ボタンを押せば本体のチャイムが鳴って知らせてくれる。無線なので、部屋が離れていても利用できて便利要介護の母を在宅介護していますが、体調に波があり、調子が悪いと完全介助に近いときもあります。特に困るのが夜。母の部屋は小さくて、介護する家族が寝るスペースはありません。隣の部屋で寝ている父は、いつ呼ばれるかと熟睡できず、介護する方まで体調が悪くなるようでした。
そんな中、ホームセンターで「ワイヤレスチャイム」を見つけて購入。呼び出しボタンにひもがついていたので、それを母のベッドの枕元にくくり付けました。必要なとき押せば、本体から呼び出し音が鳴り、音量も調整可能。しかも、2階の部屋にいても電波が届くので、ずっとそばで付き添わないといけない介護から、必要なときに介助する介護に変わり、大助かり。母も家族も安心して眠れるようになりました。
Aさん
「ずっと」から「必要なとき」へ
Kさんの経験談 気になる尿バッグにカバー
子ども用のTシャツや上着などをウロバッグにかぶせるだけでたまった尿を隠せる
家族が病気による後遺症で、車いす生活。ウロバッグ(尿がたまる袋)も使っています。
ウロバッグはたまっている尿の量を確認できるようにするため、透明になっていますが、外出するときなど、それが気になる様子。そこで、子ども用の使わなくなったTシャツをウロバッグにかぶせ、カバーとして使ってみたら、これがナイス! 専門の市販品は結構な値段がしますが、これならタダ。尿を廃棄するときに汚してしまうこともあるので、替え用もいくつか用意しました。
ウロバッグには子ども用のTシャツのサイズがぴったり。袖と丈を折り込むか、面倒でなければ縫っても。英語ロゴのカラフルなTシャツや、自分の服装とカラーコーディネートしたりと楽しめ、見た目も本人の気持ちも柔らかくなるので、すごくいいと思います。
Kさん
子ども用Tシャツを活用
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「介護の楽ワザ」記事一覧
取材/赤嶺初美(ライター)
毎週木曜日発行・週刊ほ〜むぷらざ
「第1804号 2022年3月3日紙面から掲載」