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2022年2月17日更新
[沖縄・シニアウェ~ブ in ほ~むぷらざ]熱田でつなぐ 人、文化、誇り 安里 和子さん(71)|北中城村
このコーナーでは充実したシニアライフを送る人々を紹介します。今月は、北中城村熱田の安里和子さん(71)。長年、空手指導や新聞配達員も続けながら、熱田自治会長として、地域の伝統行事や伝統文化の継承にも力を注いでいます。
熱田自治会長の安里和子さんは40歳で始めた剛柔流空手の6段。小学生の子どもたち100人以上に空手を指導してきた。沖縄タイムスの新聞配達員としても40年間勤めており、毎朝4時半から朝刊を配達している=北中城村熱田公民館
安里 和子 さん(71) 北中城村
昨年9月、北中城村熱田の自治会長に就任した安里和子さんは寅(とら)年生まれの71歳。はつらつとした笑顔に、おかっぱの前髪を後ろにまとめたヘアスタイルがトレードマーク。柔道家の谷亮子さんに例えて「永遠のやわらちゃん」と呼ぶ声もある。モットーは「明るい、笑顔、元気!」と力強い。「自治会長就任時はコロナ禍もあり、地域のムードが沈んでいた。人々を少しでも元気づけたい」と、その言葉を名刺や広報紙などで何度も唱え続ける。
「熱田の魅力は歴史と文化」と胸を張る。村の無形民俗文化財に指定されている熱田の伝統芸能「フェーヌシマ」=写真下=は「熱田の青年による演舞が迫力満点」と目を輝かせる。また、歴史のある拝所や伝統行事が大事に継承されており、年始や毎月のウマチーと呼ばれる日には、12ある拝所を巡る。その際、地域や人々の無病息災を祈るのも自治会長の大きな務めだ。「祈願の言葉、所作、供物など決まりがあって難しい」としながら、「熱田の人々が健康で明るく長生きできることが私の願い」と心を込める。
北中城村無形民俗文化財で熱田に伝わる「フェーヌシマ」は、昔から旧盆や祝いの場で上演されてきた。棒踊りでは赤毛の8人の青年が金環付きの棒を持って激しく踊る
熱田公民館で安里さんから空手の指導を受ける子どもたち。他に仲順児童館でも指導している。親から感謝の手紙が届くなど寄せられる信頼も厚い
よりよい地域を目指し
熱田は549世帯あって高齢者が多く、平日の公民館は健康増進を目的としたさまざまな活動が行われている。1人暮らしの高齢者を地域や人とつなげようと金曜の夕方に開くユンタク会は「お茶とお菓子を用意して、おしゃべりするだけ」だが、多いときは10人ほど集まる。「体操は苦手という人もいる。フラッと立ち寄れるくらいの気軽な場所が必要。物静かな人も、髪形や服装をほめると、ありがとうと返事をしながらにっこり笑う。それがいい」。つながりが生む笑顔は安里さんにとっても喜びだ。
ライフワークである小学生への空手指導は安里さんの「元気の源」。20年で生徒数は延べ100人以上になる。技術より「礼」を教えることを大事にしており、「卒業までには、誰もがあいさつ上手になる。子どもたちの成長を見られるのがうれしい」と目を細める。昨年からボランティア団体と協働で地域猫活動に取り組んでいる。皆の幸せを願い、よりよい地域づくりを目指す思いの輪がつながっている。
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取材/赤嶺初美(ライター)
毎週木曜日発行・週刊ほ〜むぷらざ
「第1802号 2022年2月17日紙面から掲載」