新型コロナウイルス
2021年7月29日更新
[沖縄]横山周平医師に聞く ワクチン&副反応| 接種後、過度な心配不要
ワクチンの効果や副反応についての疑問に、沖縄県立中部病院・感染症内科の横山周平医師に答えてもらった。
Q 接種後の副反応、具体的には?
A 倦怠感や接種箇所の腫れなど
接種後はワクチンを打った部分の赤みや腫れ、痛みといった局所症状の他、発熱や倦怠(けんたい)感、頭痛などの全身症状の副反応が見られます。1回目の接種よりも2回目の方が副反応は表れやすく、55歳以下の若年者の方が症状が重い傾向があるようですが、副反応はワクチンが体内に入ったことによって体が抗体を作ろうと反応しているもの。自然なことです。可能であれば、接種の翌日は仕事などを休むのが良いでしょう。
副反応の種類や程度はすでに把握されており、対処法もあります。新型コロナウイルス感染症に感染して重症化し、その後の後遺症に悩むリスクを考えると、副反応を怖がってワクチン接種を見合わせるという考え方は、おすすめしません。
ちなみに、副反応が出ない人もいますが、ワクチンの効果に変わりはありません。
Q 副反応が出たらどうしたらいい?
A まずは休む。3日以上続く場合は医療機関の受診を
アナフィラキシーの反応が出た人の90%は、ワクチン接種後30分以内に体調の変化があります。そのため、接種後30分は接種会場で待機するのが理想的です。しかし、アナフィラキシーが起こるのは非常にまれ。万が一、起きても、接種会場にはその治療薬が準備されているので、過度な心配はいりません。気分が悪くなったら、周囲のスタッフに遠慮なく声かけを。
その他の副反応は、ワクチン接種後48時間以内に現れる人がほとんど。体調に変化があればまずは休みましょう。発熱した場合は、市販の解熱剤(アセトアミノフェン)を服用してもOKです。頭痛や発熱、倦怠感などが接種後3日以上続く場合は、医療機関を受診してください。
Q ワクチン接種のメリットは?
A 感染を防ぐことで後遺症の心配も軽減できる
ワクチン接種は、新型コロナウイルス感染症の予防に効果的。万一感染しても重症化しにくくなります。また、ワクチンを打つことで家族や周りの人に感染させる可能生を大幅に軽減できることもメリットです。
感染した人の中には回復後6カ月たっても嗅覚異常や頭痛、不整脈、関節痛などの後遺症に悩んでいる人も多くいます。ワクチン接種によって感染を予防できれば、後遺症の心配もいりません。
Q ワクチンの効果はどのくらいある?
A 約95%の予防効果が確認
ワクチンを接種しない場合と比べると、感染を約95%予防できると報告されています。現在日本で接種できるワクチンは、2回接種することでその効果を最大限に発揮します。1回だけだと、予防効果は70~80%程度。おおよそ3カ月しか効果を維持できないと言われています。
Q 接種しない方がいいのはどんな人?
A 新型コロナウイルスワクチンを接種してアナフィラキシーを起こした人は控えて
1回目の新型コロナウイルスワクチンを接種してアナフィラキシー(呼吸困難やじんましんなど重い症状)を起こしたことがある人は接種を控えてください。食べ物や薬でアナフィラキシーを起こしたことがある人も接種可能です。
どなたでも接種前には「体調不良が生じたらどのように接種会場スタッフに伝えたら良いか」の確認をしておきましょう。会場では、万が一アナフィラキシーが起きてもすぐに特効薬が投与できるように準備を整えています。そのほか、基礎疾患がある人は接種前に医師に相談しましょう。
また、妊娠中・授乳中・妊娠計画中の方もワクチン接種をおすすめします。胎児の発育不全や死産などのリスクは、ワクチンによって増えないということが海外の報告で分かっています。また、ワクチン接種によって今後妊娠しにくくなるという根拠やデータもありません。
新型コロナワクチンの詳細は厚生労働省HPを
厚生労働省のホームページでは、新型コロナワクチンの有効性や安全性に関する情報や、ワクチンの仕組み、接種を受ける方法などが公開されている。
新型コロナワクチンに関する厚生労働省の電話相談窓口は0120-761770(フリーダイヤル)。
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編集/比嘉知可乃
毎週木曜日発行・週刊ほ〜むぷらざ
「第1773号 2021年7月29日紙面から掲載」
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1990年生まれ、うるま市出身。365日ダイエット中。
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