琉球料理
2021年2月4日更新
ンスナバースーネー|パパッと琉球料理[9]
冬が旬のンスナバー(フダンソウ)。松本嘉代子さんに調理のポイントを聞きました。
しっかりゆでてアクを取る ンスナバースーネー(フダンソウ)
ンスナバー
大きくて肉厚のものを選び、しっかりゆでることでおいしく食べられる。和名はフダンソウ。
材料(5人分)
ンスナバー ……………………500g
島豆腐……………………………1/4丁
ピーナツバター…………………大さじ2
白みそ……………………………大さじ2
砂糖………………………………小さじ1
塩…………………………………少々
白ゴマ……………………………大さじ1
作り方
①ンスナバーの葉(葉心)と軸(葉柄)を切り分ける。太い軸は火の通りを良くするためにすりこ木で軽くたたく。
②葉と軸を別々にゆでて水にさらす=写真①、②。
ポイント 軸はゆで過ぎかなと感じるくらい、長めにゆでる。葉は、たっぷりの湯で軟らかくなるまでゆでる。
③ゆでたンスナバーを2~3cm長さに切り、水気を絞る。豆腐は、さらしの布巾で包んで固く絞っておく。
④すり鉢に豆腐を入れてすりつぶし、ピーナツバター、白みそ、砂糖、塩を加えてよくすり混ぜてあえごろもを作る=写真③。ンスナバーを加えてあえ=写真④、小鉢に盛り付け、半ずりの白ごまを散らす。
ンスナバーは秋から春先に出回ります。以前は沖縄では豚のエサにも使われていたほど身近な野菜でしたが、最近では目にする機会が減ってきています。
成分はミネラルのカルシウム、鉄、カリウムなどが豊富で、ビタミンA、B2に富んでいます。野菜の摂取不足の沖縄で、みなさんにぜひ食べていただきたい葉野菜です。
シュウ酸が多くえぐみが強いので、調理の際はしっかりゆでて水にさらして使うことが大事です。普通の葉野菜のようにサッとゆでただけだと、えぐみが残っておいしくありません。葉と軸を分けて、ゆで過ぎかなと感じるくらい、しっかりゆでましょう。
「ンスナバースーネー」は、ンスナバーを豆腐であえることで、まろやかになり食べやすくなります。また、ピーナツバターを入れることで、コクが出ます。
ンスナバーは、ゆでた豚三枚肉と合わせてみそで煮込んでンブシー(煮込み)にしたり、みそ汁に入れてもいいですよ。
まつもと・かよこ/松本料理学院学院長。新聞やメディアで琉球料理の継承について広く発信。県「琉球料理伝承人 琉球料理担い手育成講座」の指導に携わる。
毎週木曜日発行・週刊ほ〜むぷらざ
「第1748号 2021年2月4日紙面から掲載」