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2020年1月9日更新

沖縄の医療とその未来|当山美容形成外科 新クリニック落成 記念座談会

週刊ほ~むぷらざでもおなじみ「当山美容形成外科」が久茂地に新ビルを新築し移転。2020年1月7日の開院を記念し「沖縄の医療とその未来」と題した座談会を開催した。当山美容形成外科院長の当山拓也氏と会長の護氏、同ビル2・3階に「新健幸クリニック」を開院した潮平芳樹氏、1階に「和ごころ薬局」を開局し医療機器等も扱う琉球光和代表の秦一氏が参加。沖縄の課題や今後受けられる最先端の治療、新たな提案まで、さまざまな話題が飛び出した。

美容形成外科、内科、薬局が1カ所に

久茂地川沿いに新築したビルは、1階に駐車場と「和ごころ薬局」、2・3階に「新健幸クリニック」、4・5階に「当山美容形成外科」がある


沖縄の医療は高水準 課題は検診率の低さ

―1995年に「世界長寿地域」を宣言した沖縄。現状と課題は?

当山護 私はその宣言のために中心となって動いていた。当時の県知事だった大田昌秀さんから、沖縄戦終結50周年記念事業として企画案がないかと医師会に声がかかったのがきっかけで、いろいろな方から助言をいただき長寿宣言へとつなげた。現在、長寿ランキングは男性が36位まで下がったが、長寿沖縄が世界に知れ渡っているのは確か。そのネームバリューを生かし、宣言をサポートしたWHOからも課題として与えられた「元気で長生き」を目指して、取り組む必要がある。

潮平 昨今、世界では「貧困と健康格差」が話題になっている。県民所得が低い沖縄は他県と比べて病院の受診率、検診率が低く、この30年で若い男性の心臓病や脳出血による死亡率が高まり、糖尿病とメタボリック症候群は深刻化している。

 貧困と肥満の関係についてもさまざまなデータがあり、貧困は食生活の乱れにつながりやすい。改善するには、医療と医療以前の生活習慣を地域でどう変えていくかが課題。

当山拓也 沖縄が長寿だったのは、戦前の暮らしが粗食で、よく動き足腰も強かったから。私たちの世代は好きなものを食べて、車社会でほとんど歩かない。これからは、医療を前面に打ち出して健康を守らなければ長生きも健康もないと思う。

―沖縄の医療環境、水準を県外と比較するとどうか?

 全国の医療施設と比べて沖縄の医療レベルは総じて高く、施設を超えた情報共有力もある。一方で、患者が医療に触れるまでの時間の長さは課題。生活習慣の改善が要で、一つの医療施設だけでなく地域ぐるみでの連携がますます必要になる。

当山護 沖縄は出身大学ごとの派閥、学閥がなく、昔から病院同士、医者同士の関係性が良い。全国的にも珍しく、クリニック同士の「診診連携」を進め、開業医全体で総合病院的役割を果たそうという意識がある。

潮平 私が先日退職した基幹病院では、がんの早期発見につながるPET-CTを2004年に沖縄で初めて導入した。とても高額な検査機器で、導入前は検査を希望するなら県外に行かなければならなかった。しかし、21世紀にこういう格差があってはいけないと院長と話し合い、導入した。沖縄の医者はみんなこのような気概があり、さまざまな病院が努力してきた。


当山美容形成外科の自費診療フロアとなる5階の待合室。座り心地のいいソファがゆったりと配置されている


当山美容形成外科の5階中待合室。プライベート感を高めた


久茂地川を見下ろす5階の点滴ルーム。ゆったりと景色を眺めながら治療できる



再生医療が沖縄で受けられる リウマチ治療、がんや神経難病薬も進歩

―今後、沖縄でどんな治療が受けられるようになるか?

当山拓也 新しい治療法について、沖縄の医師は積極的に挑戦している。私たちが昨年からやっている「再生医療(※1)」についても、エビデンス(科学的根拠)の少ない中、興味を持ってくださる先生が多い。沖縄は地理的に見てもアジアの玄関口としての優位性・可能性がある。

当山護 その可能性をどう生かすか。個人の医療施設だけでは取り掛かりにくい。医療ツーリズムなどもそうだが、行政と医療が連携していかなければ。

潮平 実際に再生医療の組織や施設を沖縄で展開していくことは県や国の戦略になっており、アジアを見ることでさらに可能性が広がる。また、全国的に活発なIPS細胞や脂肪幹細胞の研究も伸ばしていけるといい。
私の専門から言うと、関節リウマチの治療が劇的に変わった。炎症をコントロールできるようになり、早期治療すれば関節は壊れず、リウマチによる手術はなくなるだろう。
がんや神経難病の薬もすごく進歩している。ただし非常に高額で、年間1千万円使うような抗がん剤が50種類ほどあり、神経難病については2億円を超えるものまである。1回の治療で効いたら薬代を請求するが、効かなければ請求しないといった治療もどんどん増えている。病気は治るが医療費は膨張するという中、早期診断、早期治療できれば治療費は安くて済むし、とんでもなく高い薬を使わなくて済む。

当山拓也 その意味でも検診がポイント。検診や人間ドックは保険がきかず自費になるが、自分の将来に対する投資と捉え、より詳しく調べたいという人も増えるはず。検診の質ももっと上げていく必要がある。

潮平 今回、久茂地で開院することになったのを機に、那覇地域の先生方とタッグを組み、生活習慣病を克服するような仕組みをつくりたい。スマホを利用して、患者が血圧や体重、運動量、血糖値などを入力、その情報を医師や管理栄養士と共有・連携することで、治療の参考になると思う。また必要な時に適切な検査や治療を受けやすくする。患者の行動変容を起こしフォローアップできるシステムを構築したい。


※1)再生医療とは
自身の体から細胞を採取し、特殊な技術で培養。老化している部位に移植することで組織を再生する。国の認可を受けた第三者委員会が承認した医療施設でのみ受けられる



新健幸クリニックの待合室(上写真)。MRI(下写真)やCTなども導入し、その日か翌日には検査結果が出る環境が整っている



仕事の行き帰りに受診ができる! 「健康で美しく」に役立つ情報を発信

―医療連携や地域医療の必要性が高まる中、久茂地からできることは何か?

当山護 久茂地は昔と違ってクリニックが少なくなった。住民が減り、働く人が多い場所になったということ。そんな働く人たちを元気にしていきたい。その世代の健康が長寿につながる。

 これまでは受診するために仕事を休み家から向かうというイメージだったが、健康への意識や受診率を高めるには、働いて帰る動線の中で医療施設に触れられるというのがすごく重要。その意味からも今回、久茂地で美容形成外科、内科、薬局が1カ所に集う意義は大きい。

潮平 当山先生の患者さんは9割が女性とのことだが、リウマチ、膠原病(こうげんびょう)も罹患者(りかんしゃ)の7、8割が女性。「久茂地に女性に優しいクリニックがあるよ」と認識してもらえるといい。モノレール駅からも近いので、離島から受診される患者さんにも便利である。
今後は糖尿病やメタボリック症候群についても琉球大学の先生方と連携し、チーム医療に取り組みたい。そのために今回MRIやCT、エコーなどの設備を入れ、当日か翌日には検査結果を出し診断ができる環境を整えた。その設備を那覇地区の医師会の先生方にも一緒に活用してもらい、早期診断、早期治療を達成したい。

 口コミの影響力は大きく、その一番となるのはそこに働く人ではないか。「うちにきたらいいよ」「自分も健康になれた」と言える施設になると、患者さんは通いやすく、医療側の発信力も高まると思う。
また、生活習慣の変化も含めて医療に興味をもってもらい、場合によっては医療施設に働いてもらったり、医療施設と連携した観光の企画や、ITの進展など、「○○×医療」を沖縄の新しい文化やテクノロジーの軸にすると将来、面白くなると思う。

当山拓也 医療というのは最高のサービス業。再生医療を受けに来る人は「沖縄でこんな医療が受けられるとは思ってもみなかった。だからやってみたかった」という人も多い。最先端の治療が受けられ、自分の困っている部分が良くなるので、すごく喜んでもらえる。今回、経験豊富な潮平先生とも連携しながら同じ拠点で医療を提供できることで、働く世代の健康改善により深く貢献できるのがうれしい。これからも患者さんのニーズに応え、健康でより美しく長生きするために役立つ情報を、発信し続けていきたい。



1階にある和ごころ薬局くもじ店の外観(上写真)と薬局内(下写真)。調剤作業は機械化されており、処方もスピィーディーで安心

 

「『世界長寿地域宣言』に関わったが県男性平均寿命は36位。健康で長生きを目指さねば」​

当山 護 氏
当山美容形成外科会長

東京医科大学医学部卒。東京警察病院形成外科勤務。83年、当山形成外科院長。17年、同院会長に就任。日本臨床形成外科医会会長・理事、那覇医師会会長、第24回日本美容外科学会会長、なども歴任。


「医療は最高のサービス業。新ビルから働く世代の健康改善を応援したい。健康で美しく!」​

当山 拓也 氏
当山美容形成外科院長

東京医科大学卒業後、東京大学医学部形成外科学会教室入局。東京西徳洲会病院形成外科・美容外科医長、アベニュー表参道クリニック副院長などを経て、2016年、医療法人形成会当山美容形成外科副院長。17年、同院院長に就任。


「開院機にMRIやCT導入し検査結果は翌日に。早期診断・治療や生活習慣病克服する仕組みも」​

潮平 芳樹 氏
新健幸クリニック院長

千葉大学医学部卒。沖縄県立病院で腎臓、リウマチ、膠原病、生活習慣病を専門とする内科医として長年勤務。92年、オレゴン健康科学大学腎移植部門留学。豊見城中央病院勤務を経て、2019年、新健幸クリニックを開業し院長に。


「患者が医療に触れるまでの時間の長さが課題。これまで以上に病院同士や地域との連携必要」

秦 一 氏
琉球光和代表取締役社長

那覇市出身。93年、ソニー入社。世界初のデジタルビデオカメラの開発に携わる。2001年、父の創業した医療施設向け機器販売の琉球光和に入社。02年、同社代表取締役社長に就任。13年、経済産業省「おもてなし経営企業50社」に選出。



<この記事に関する問い合わせ先>
医療法人形成会 当山美容形成外科
098-867-2093
http://www.touyama.com
Eメール info@touyama.com


<過去記事一覧>
『週刊ほ〜むぷらざ』 当山美容形成外科 新クリニック落成 記念座談会
第1693号 2020年1月9日掲載

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