ビューティー
2019年7月25日更新
インソールで足の悩みを改善|教えて!ドクター当山〈218〉
「オーダーメイド・インソール(以下インソール)」というと治療目的やアスリート向けのイメージがあるが、当山美容形成外科の当山拓也院長は「すべての人に有効。使うことで関節の変形をはじめとするさまざまな足のトラブルが予防・改善でき、姿勢も美しくなる」と話す。その効果や特長、同院で導入した県内初の特殊技術について、当山院長と、義肢装具士で技術開発者でもある大平吉夫さんに聞いた。
変形性膝関節症・外反母趾・O脚X脚・ふくらはぎや足裏の痛み・むくみまで
長年の立ち方・歩き方のクセ
関節を酷使し全身に影響!
―すべての人にインソール(中敷き)を勧めたいと思ったきっかけは?
当山
変形性膝関節症に対して再生医療を行っていて感じたことです。
そもそも膝が悪くなる理由は、立つ・歩くといった日常動作の際、体重の掛け方に偏りがあったり間違った体重移動を無意識に続けること。数十年にわたって関節を酷使しているのが原因です。立ち方や歩き方はクセなので、そのクセを直さなければ治療してもまた痛めてしまいますし、一度膝を痛めると股関節や腰などに負担がかかり、別の部位を痛めてしまうことにもつながります。
また足の形は遺伝的要素も大きく関係しており、生まれつき左右の足の長さが違ったり、足裏のアーチが低い偏平足の人や骨が傾いているといった人も多くいます。体は無意識にそこをカバーしようとしますから、子どものころから知らず知らずのうちに立ち方や歩き方にクセが付き、骨盤が傾斜して猫背になったり、肩こりや腰痛の引き金になっていることも少なくありません。こうしたクセは誰しも持っているもの。その改善に役立つのがインソールです。
大平
立ち方・歩き方のクセは簡単には直りませんが、インソールを使い続けることで矯正が可能です。ハイヒールやビジネスシューズ、ゴルフシューズ、スニーカーなどあらゆる靴に対応していますから、日常的にお使いいただけます。
県内初の特殊技術を導入
専門スタッフがアドバイス
―どんな効果が期待できますか?
当山
膝関節痛や外反母趾(ぼし)の症状緩和をはじめ、O脚やX脚といった足の変形や偏平足、立ち仕事やハイヒールの影響でむくみやすい、たこができるといった足のトラブル全般と、それが原因となる全身症状の改善も期待できます。若いうちから使えば関節の変形やケガの予防にもつながりますし、姿勢が良くなるのでスタイルアップも狙えますよ。
―インソール作りのため、県内初の特殊技術を導入したそうですね?
当山
巷(ちまた)でもインソールが流行していますが、そのほとんどは簡易的なものに過ぎません。当院では、義肢装具士が医療現場で培ったノウハウを生かし開発した採型機器と、その技術を導入しました。
作る際はまず、医師が外反母趾などの疾患がないかを診察。採型は、その結果と実際の足の動きを見ながら、義肢装具士が行います。
大平
足裏の形状測定にかかる時間は3秒。インソールづくりは型取りが命ですが、従来の石こうのように固まるまで待つ必要がない上、技術者によるムラも出にくく経済的です。インソールづくりと合わせ、正しい姿勢の維持と足運びに必要な筋トレ法や靴の選び方まで、総合的にアドバイスします。
―どのくらいの期間使えますか?
大平
土台は薄くて丈夫な特殊素材で作られており、使う頻度や環境によっても変わりますが、カバーや付属品などを修理しながらであれば10年近くは使うことができます。足を理想的な形に保つには、荷重で足の骨の配列が崩れないようにすることが大切で、適切な硬さが必要。「痛くないの?」とよく聞かれますが、適切な採型をして得た形状となっているため、全く痛くはありません。
当山
私も使っていますが全く問題なし。歩き方が変わり体幹が鍛えられるからでしょうね、体重も落ちてきました(笑)。インソールづくりは基本的に自費ですが、外反母趾などの治療に伴う場合は保険が適応されますので、お気軽にご相談ください。
当山拓也 氏
当山美容形成外科 院長
東京医科大学卒業後、東京大学医学部形成外科学教室入局。東京警察病院、杏林大学形成外科等で研さんを積む。リッツ美容外科・東京院、東京西徳洲会病院形成外科・美容外科医長、アヴェニュー表参道クリニック副院長をへて、2016年4月に医療法人形成会当山美容形成外科副院長に。17年6月、同院院長に就任。
大平吉夫 氏
中部リハビリテーション専門学校卒業後、義肢装具士国家資格取得。国内の義肢製作所で経験を積んだのち、米国でも足部機能改善や装具製作法を学ぶ。米国の治療靴メーカーや足病専門医と提携し、糖尿、創傷特別フットケアや装具製作の技術研修を担当。2006年、日本フットケアサービス株式会社設立
<この記事に関する問い合わせ先>
医療法人形成会 当山美容形成外科
098-867-2093
http://www.touyama.com
Eメール info@touyama.com
※次回は「教えてドクター当山特別座談会第2弾 アートメイク」です。
<過去記事一覧>
『週刊ほ〜むぷらざ』 教えて!ドクター当山<218>
第1669号 2019年7月25日掲載