話題の「やせ薬」乱用に注意|健康チャレンジ!(66)|fun okinawa~ほーむぷらざ~

沖縄で暮らす・食べる
遊ぶ・キレイになる。
fun okinawa 〜ほーむぷらざ〜

沖縄の魅力|スマイリー矯正歯科

もっと美しく

健康

2025年9月18日更新

話題の「やせ薬」乱用に注意|健康チャレンジ!(66)

医師の安谷屋徳章さんが、ダイエットの基本について話します。
文・安谷屋徳章

話題の「やせ薬」乱用に注意

最近、「やせ薬」としてGLP-1受容体作動薬が話題になっています。もともと糖尿病治療薬として開発され、血糖値を改善する目的で処方されます。しかし、この薬には血糖値を下げる以外に食欲を抑える効果があり、結果的に体重が減ることが知られています。そのため、ダイエット目的で注目されるようになりました。

私自身も臨床現場で糖尿病の患者に処方することがあります。目的は血糖コントロールですが、体重減少という副次的な効果も期待しています。実際、体重が1キロ程度しか落ちない方もいれば、5キロ以上落ちる方もいます。個人差があるのは体質や生活習慣、食事内容、運動量などさまざまな要因が重なっており仕方のないことだと思いますが、体重減少効果は確かにあります。

問題なのはダイエット目的の乱用です。薬だけに頼って食欲を抑えると、やめたときに強いリバウンドを起こし、以前より体重が増える危険性があります。この薬だけに頼ると「一生使い続けなければ体重を維持できない」という状況に陥りかねないのです。

ダイエットを成功させるためには、減量中の食事内容や生活習慣だけでなく、減量後の維持の仕方をしっかり考えることが不可欠です。薬に頼って好きなものばかり食べていては、栄養バランスが崩れ健康を損ないます。薬の効果が切れたときに反動で過食に走る可能性も否定できません。

ただし、実際の臨床ではGLP-1受容体作動薬を使いながら食生活や運動習慣を整えた結果、薬をやめても体重を維持できている方もいます。薬はあくまで「生活改善を軌道に乗せるためのサポート役」として考えるのが理想です。薬そのものに頼るのではなく、正しい食事と運動の習慣を身につけることこそが、長期的な健康と体重管理につながります。目的を持って健康づくりにうまく利用することが大事です。



あだにや・のりあき。糖尿病や生活習慣病の改善を専門とするゆいゆい内科クリニック院長。自身も糖質コントロールで20キロ痩せた。著書に「沖縄の医師が教える糖質コントロール健康法」など

↓画像をクリックすると、ゆいゆい内科クリニックのホームページに移動します

「健康チャレンジ」のバックナンバーはこちらから。


毎週木曜日発行「週刊ほ〜むぷらざ」健康チャレンジ!
第1988号 2025年9月18日紙面から掲載

この記事のキュレーター

スタッフ
funokinawa編集部

これまでに書いた記事:4772

沖縄の大人女子を応援します。

TOPへ戻る