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2020年2月27日更新

[彩職賢美]沖縄いのちにエールを送る会 代表・助産師の知念菜穂子さん|育児楽しむ 体験型講座

赤ちゃんのエネルギーはすごい! 疲れていても、お産に立ち会うと元気になります。長年、助産師として活動する中で、ママたちが笑顔になれる正しい育児情報を伝えたいと、仲間と一緒に「沖縄いのちにエールを送る会」を立ち上げました。子どもたちの瞳がキラキラと輝く沖縄であってほしい。そんな思いで講座やイベントを開いています。

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枠にとらわれず思い伝える

沖縄いのちにエールを送る会
代表・助産師
知念菜穂子
 
さん

子どもの瞳が輝く沖縄へ ママが楽になる居場所を

ママの腕の中でまぁるく抱っこされ、ニコニコご機嫌の赤ちゃんたち。

「背中を丸く保って抱っこすると、赤ちゃんは心も体もリラックス。ぐずることも少なくなって、健やかな成長を促します。抱っこが楽にできれば、子育ても楽にできますよね」

自宅を開放して定期的に開いている沖縄いのちにエールを送る会(以下エールの会)の講座では、産後のママたちによく寝る、よく笑う赤ちゃんを育てる方法などをレクチャー。講座はすべて体験型で、心身両面からママと赤ちゃんをサポートする。

講座の参加者は、初産から、2人目、3人目のママまでさまざま。子育ての悩みや不安が和らぎ、参加者同士の交流も生まれ、「ここに来て救われた」と涙するママもいる。

助産師として出産に立ち会い、産婦人科や市町村で両親学級・育児学級を担当。「誕生学アドバイザー」として保育園児から高校生までに、命の誕生と性について伝える講座を行う中で、若い世代は、母親になるまでの間に赤ちゃんと触れ合う機会が少なくなっていると感じている。

「幼少期の体や心の発達、基本的なケアのやり方がよく分からないまま出産を迎え、戸惑いながら一生懸命頑張って、心も体も疲れきってしまうママたちが多い。行政でも病院でもやっていない、気軽に来られて、楽しくなる情報と体験が得られる居場所を作ってあげたい」。その思いが、エールの会の発足につながった。

ちまたにはないけれど、ママたちがほしいと思う講座の企画に心を砕く。その一つが、夫婦で参加するパパ向け講座。ベビータッチやクッキングの実習だけでなく、パパとママに分かれてぶっちゃけトークをしたり、夫婦で手紙を交換するなど、ユニークな手法で、子どもを健やかに育てる夫婦の関係づくりも手助けする。



海外青年協力隊に憧れを抱いた大学時代。助産師として地域の中で活躍する先輩の講義と、仕事ぶりに感銘を受けたことが、地域に軸足を置いて活動する現在のスタイルを選ぶきっかけになった。

自身は娘3人の母。「子どもは授かりものではなく、預かりもの。子育てさせてもらって自分が成長できるありがたい存在です」。長女、次女が双子だったことから、幼少期には自ら、双子の会を立ち上げた。自身の体験も生かし、北谷町では多胎児育児のサポートに力を注ぐ。

また、短大と専門学校では、保育科の非常勤講師を約18年勤める。「枠にとらわれたくないんです。来るもの拒まず、去るもの追わず。人との出会いに恵まれ、ノーと言わない人生を過ごしてきたけれど、すべてのことがリンクしてきた」と実感する。

7年前に、最愛の夫が他界。「残された人生は、悔いのない生き方をしよう」と決め、精力的に活動の幅を広げてきた。エネルギーの源は、赤ちゃんとの触れ合い。「赤ちゃんのエネルギーのおかげで、毎日、超元気に暮らしています」

講座に参加するママたちの、「妊娠中に育児の情報を知っていたらよかった」という声を受け、昨年から、妊娠中からの楽しい子育てを応援するイベント「ファミリーフェスinおきなわ」も主催する。

「子どもの瞳がキラキラと輝く沖縄であってほしい。助産師だけでなく、同じ思いを抱く仲間が協力し合い、水面に波紋が広がるように、子どもたちを慈しむ温かい気持ちが広がっていけば」。子育て支援を通して、未来へ温かなまなざしを向ける。 


 助産師仲間が集い、結成 「沖縄いのちにエールを送る会」 


知念さんが代表を務める「沖縄いのちにエールを送る会」は、2015年9月に結成。現在は、4人の助産師と、児童虐待防止支援アドバイザーなど6人で活動している。活動拠点は、宜野湾市にある知念さんの自宅「みんなの助産院ちねんさんち」。メンバーそれぞれの得意分野を生かし、楽しく子育てができる情報発信、ママや赤ちゃんの心と体のケアにあたっている。

「若い世代の後輩助産師も一緒に頑張っているので、そろそろバトンを渡さないといけない時期。私のやるべきことも変わってきた」と、知念さんはうれしそうに話した。


知念さんのパワーの種

Q.助産師は天職、仕事が趣味という知念さんですが、休日のリフレッシュ法は?

バイクに乗ることです。高校生のころに中型免許を取って、独身時代はよく乗っていました。出産後、長らく乗っていませんでしたが、3年前に再開しました。現在の愛車は、250CC。最近、手入れをする時間がなくて、少しご無沙汰していますが(苦笑)、たまには乗りたいですね。



プロフィル
ちねん・なほこ

1968年、東村出身。琉球大学医学部保健学科を卒業後、保健師、助産師として活動。1999年から当山産婦人科非常勤助産師を、2002年から沖縄キリスト教短期大学と大庭学園で保育科の非常勤講師を務める。宜野湾市、北谷町では新生児訪問や両親学級、育児学級を担う。15年、沖縄いのちにエールを送る会を立ち上げ、代表に。17年、みんなの助産院ちねんさんち開業。助産師、保健師、看護師、誕生学アドバイザー


週刊ほーむぷらざ「彩職賢美」|輝く女性を応援!
今までの彩職賢美 一覧


撮影/比嘉秀明 編集/比嘉千賀子
『週刊ほ〜むぷらざ』彩職賢美<1357>
第1700号 2020年2月27日掲載

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この記事のキュレーター

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比嘉千賀子

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編集者
住まいと暮らしの情報紙「タイムス住宅新聞」元担当記者。猫好き、ロック好きな1児の母。「住まいから笑顔とHAPPYを広げたい!」主婦&母親としての視点を大切にしながら、沖縄での快適な住まいづくり、楽しい暮らしをサポートする情報を取材・発信しています。

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