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2019年5月16日更新
失敗もOK 夢はかなう!|翔べ!わかむんちゃー under30
離れて暮らす家族をつなぐ「まごころポスト」を開発した津覇誉一さん(20)。クラウドファンディングで海外留学し、エンジニアの夢に向かう豊永一心さん(20)。アイデアや、夢を現実にする力は、どこから生まれているのだろう。
祖父母とつながる「まごころポスト」商品化に向けてテスト中!
津覇誉一さん(20)スマホなどデジタルで撮った写真が、離れて暮らす家族のポストにすぐにプリントされて届く「まごころポスト」をチームで開発しました。まごころポストを考えたのは、祖父母を喜ばせたかったから。小さなころは毎週末祖父母の家に通っていたけれど、県外の大学に進学すると会えるのは年に数回に減りました。
シリコンバレーのワークショップで出会ったおばあちゃんに、「子どもや孫と会うのが楽しみ」と聞き、祖父母と重なって、まごころポストを思いつきました。その後、東京や沖縄でも高齢者に聞き取り。僕自身は文系で機械は動かせないので、プログラムを組んでくれたチームメンバーをはじめ、いろいろな人に助けてもらいました。インターネットで資金を集めるクラウドファンディングで資金を調達。現在、商品化に向けてテストをしています。
以前は優等生で、失敗しないよう周囲の顔色をうかがっていたけれど、シリコンバレーで思いを持ってチャレンジするカッコイイ大人にたくさん出会って、いわゆる正解の枠にはまらないでいいんだと思えるように。今は、失敗は修正するためのポジティブな過程だと思っています。
つは・よいち。那覇高校出身。明治大学政治経済学部経済学科3年生。昨年、琉球フロッグスを卒業。開発した『まごころポスト』は、起業家甲子園で総務大臣賞を受賞。ソニーの事業化支援サービスを受け、商品化に向けてユーザーテストを実施している。
クラウドファンディングで留学、海外で活躍するエンジニアが夢
豊永一心さん(20)貧困世帯で育ち、高校生のころはバイトを掛け持ち。夢を追える身分じゃないと将来をあきらめていました。でも、シリコンバレーで働く人たちに接して、同じ人間なんだと感じて、ITの最先端でエンジニアとして働きたいと思うようになったんです。
高校2年生の時に琉球フロッグスを卒業し、高校を休学。英語とプログラミングを学ぶためにフィリピンに1年間留学しました。留学費用は、クラウドファンディングで集めました。個人的な情報を発信することに抵抗感もあったけれど、夢をかなえるために発信したら、たくさんの人が応援してくれました。
今の夢は、思い通りに動く義手・義足を作ること。もともとアイアンマンが好きだったこともあり、パワードスーツに興味を持つようになったんです。いずれ開発したパワードスーツで空を飛んでビームを出したい!
僕と同じような境遇の子がいたら、一人じゃないよと伝えたい。今はSNSもあるし、言ったもん勝ち。やりたいことを発信したら、誰かに届いて、協力してくれる人が現れるよ。
とよなが・いっしん。美来工科高校出身。長崎大学工学部工学科2年生。高校2年生で琉球フロッグス卒業。その後、高校を休学し1年間フィリピンに留学し語学とプログラミングを学ぶ。
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編集/栄野川里奈子
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第1659号 2019年5月16日掲載