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2019年1月3日更新
[2019 新年号特集]一年の計はマネー術にあり!|賢くお金と付き合う
10月から消費税が増税される。今こそ、家計や暮らしの見直し時。お金との賢い付き合い方を考えてみませんか。消費税増税の家計への影響や、食費・不用品を生かす節約術、資産運用まで、幅広く紹介します。
消費税増税は家計見直すチャンス
増税分を計算して調整
消費税の増税に備えて、改めて家計や将来について考えてみませんか。ファイナンシャルプランナーの福田昌也さんは、「増税は家計を見直すチャンス!賢くお金と付き合うには、経済情勢を意識することが欠かせない」と話す。
消費税が上がることを不安に感じている人は、多いだろう。福田さんは「どれだけ増えるのか、計算してみてはどうでしょう」とアドバイスをする。
毎月の外食費や日用品、ガソリン代など、消費税がかかる費用の2%を計算してみよう。例えば月10万円の支出がある場合、2000円の増税となる。「大まかな金額が見えれば、対策ができる。増えた分を、家計の中でどう調整できるか考えてみて。増税は、家計の見直しのチャンスなんです!」。もう少し先の支出を見通すには、家族の年齢やライフイベント、かかる費用を書き出す「ライフイベント表」が役に立つ。
ライフイベント表
将来のことを書き出してみる
自分や家族の年齢やライフイベント、かかる費用を書き出すことで、将来のイメージが具体的になる。「ライフイベント表」は、日本FP協会のホームページ(リンク張る)でダウンロードできる。
経済情勢をチェック
生活に欠かせないお金と賢く付き合うには、どうしたらいいか。「家計は、世界経済の影響をもろに受ける。意識して情報をチェックし、世界や日本の経済情勢を知っておくことが必要です」
例えば、現在国は、ゆるやかに物価を上昇させたいと動いているため、将来的には金利が上がり、現金の価値が目減りすることが予測されるという。「個人的な考えですが、金利が上がっていくという予測に立てば、お金を借りるなら固定金利、投資をするなら変動金利が良いでしょう」。ただし、経済情勢は日々変化するので、定期的なチェックが必要だ。投資をする際は、予備費として2、3カ月分の生活費を取っておいた方がいいという。
福田流 3大支出の考え方
老後資金は自分で上乗せ
少子高齢化が進み、年金は減っていくでしょう。年金だけでは足りないので、企業年金、年金保険、共済保険、NISA、iDeCoなどで、上乗せする必要があります。定年退職後も働くことを視野に入れ、どう働くか現役中から考えておくといいでしょう。
教育資金は情報集めて
教育費として300万円ほど貯めている人が多いが、大学の学費には足りないことも。県外進学や私立なら、なおさら。奨学金は頼れる制度ですが、子どもが債務者になる、と分かった上で借りることが必要。学校独自の奨学金や給付金が意外とあるので、情報収集がカギになる。
住宅の50年後をイメージ
持ち家は、いずれ家賃がなくなるのが、大きなメリット。マンションは、修繕や建て替えなど、数十年先のイメージを持っておいたほうがいい。賃貸は家賃がかかり続けるので、その準備を。
一戸建てかマンションかアパートか、悩んだら、50年後の暮らしをイメージするといいですよ。
緊急予備資金の巻(4コマ漫画)
作・絵/福田昌也。家とお金の四コマ漫画&コラム「4コママンガで解決!おうちとお金のよろず相談所」が県内書店で発売中
それぞれの家計事情
沖縄の平均所得は全国最下位。限られた所得の中で、どうやりくりをしているのか。お金に関する悩みはあるか。三つの家庭に聞きました。
[Hさん]
夫(43)妻(45)子ども(6)(4)。夫は契約社員、妻はパート。世帯年収は、税込みで約350万円。実家で二世帯同居していて、家賃はなし。月の支出は約18万円。
夫の協力あればフルタイムに
妻は子どもが1歳半のときに、正社員からパートへ。財布は別で、夫が生活費として10万円を負担、保育園代と子ども関連の費用は妻が負担している。子どもの教育費は学資保険に加入、子ども手当てをすべて貯蓄している。現在は実家に暮らしているが、4月に夫の転職で引っ越すため、家賃がかかるようになる。転職で夫が正社員になるため、収入は上がる予定。
妻が家計を管理。「家賃を払わなくていいのはありがたい。食費や光熱費は、袋分けで管理している。生活費がギリギリになる月もあり、もう少しもらえたら、と思うけれど、足りてはいるので言いづらい。本当は私もフルタイムで働いて、もっと貯金をしたいが、夫が家事を手伝ってくれないので、働くのをためらっている。子どもの面倒をもっと見てほしい」。
福田さん:支出を、きちんと管理できているのが、いいですね。実は、家計を考える上でも、夫の家事サポートは根深い問題。夫が家事を手伝ってくれないから働きづらい、というのは結構ある。そうした不満が積み重なって熟年離婚、という相談もよく受けます。平均寿命からいって、誰が最期をみとってくれるねん! っていうのを、男性はもっと考えた方がいい。
[Uさん]
夫(42)正社員、妻(41)契約社員、娘(10)。夫の手取り月収は28万円、妻の収入は不明。アパート住まいだが、いずれ実家に帰ることを考えている。最近、乗用車を購入したばかりで、貯蓄はなし。
お金のこと、話し合えていない
最初は妻が家計を管理していたが、貯蓄ができず、現在は夫が管理。毎月3万円ほど貯蓄にあてている。
夫は「教育費や老後資金は、まだ先のことと感じていて、特に準備はしていない。何かあれば、その時にどうにかする。時々、一人で県外へ旅行に行くため、月に10万円くらい小遣いを使うことがある。共働きで、夫婦で話し合う時間がない。資産運用にも興味はあるが、商品を選べていない」と話す。
福田さん:Uさんには自分で人生をどうにかする、という気概があるので、問題無し。とはいえ、教育費や老後資金は先のことと、準備をしていない人は、結構多いですね。投資や奨学金などもあるけれど、まずは夫婦で話し合うことからかな。
[Mさん]
夫(47)妻(44)子ども(13)(11)。夫の収入は手取りで月28万円、ボーナスが1、2カ月分。妻は専業主婦。マイホームを10年前に取得。住宅ローンを返済中。
老後はアパート経営か自営業
住宅は、妻の実家が持っていた土地を安くで譲ってもらい、10年前に建築。住宅ローンは65歳で完済予定。生活費として12~13万円を出し、残りは貯蓄している。子どもは大学へ進学することを想定している。
現在の会社に働き始めて15年以上。夫は「技術を生かして、いずれ自営業になる道があり、年を取っても働くことができる。土地があるので、老後のために、アパート経営ができたらなぁと思っている。今なら、借金ができる年齢だから。今のうちに稼いで、年をとっても遊びたい」という。サーフィンが趣味で、海の近くに家はある。
福田さん:老後も働けるのは強い。年金だけでは暮らせないので、定年退職後、どう働くかはイメージを持っておくといいでしょう。お金も大事やけど、人生を楽しめているのが、いいですね。
福田昌也さん
福田ふぁいなんしゃるぷらんにんぐよろず相談所
090‐1944‐4269
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『週刊ほ~むぷらざ』2019年新年号
第1640号 2019年1月3日掲載
この記事のキュレーター
- キュレーター
- 岡田有里
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ファイナンシャルプランナー。ファイナンシャルアライアンス(株)沖縄支店所属。外資系企業に就職し海外勤務を経験し、2000年に沖縄へ。「私の未来に安心を!」をテーマに、女性のマネー知識の底上げをライフワークに活動。