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彩職賢美

2018年12月20日更新

もっと知りたい!伊是名夏子さんのこと③|子育て―ヘルパーさんのいる10時間が勝負

「彩職賢美」に入れられなかったインタビューを3回に分けてお届け。第3回は、子育てについてです。(聞き手・栄野川里奈子)



 ーーー     前向きにいろいろなことにチャレンジしていますが、大変だった時期は、あり
         ますか

 伊是名さん   一番大変だったのは、二人の子育て。妊娠中つわりもひどかったし、2人目が
         生まれたときに、上の子は2歳。夫は夜勤で、ヘルパーさんは9時に帰る。息
         子は5時におきる。ヘルパーさん来るのは朝8時。夜8時から子どもをずーっ
         と見なきゃいけなくて。思ったよりも辛かった。

 ーーー     特に辛かったのは?

 伊是名さん   普通のママならできる、抱っこや、こぼした水をふくことができない。自分の
         ことを何もできないし、ヘルパーさんがいる10時間くらいのうちにすべてを
         終えないといけなくて。夜中、お湯を沸かすのが難しいので、ミルクをヘルパ
         ーさんがいる間に熱湯でミルクを作ってもらって、夜中1、2時に飲ます。危
         ないことが起きないように、ガードをしたり、いろいろやって。それでも、子
         ども二人は予想通りにいかない。
       
 ーーー     気が抜けない。

 伊是名さん   一日一日が一生懸命過ぎて、今日を乗り切るのに必死。3カ月に1回は風邪も
         引いて、体調も悪い。子どもが1歳になったら、だんだん、何でいろいろして
         くれないんだろうと、夫への怒りがわいてきた。そこで、ようやく怒る元気が
         出てきたんだなって。大変な時ほど、大変って言えない。下の子が2歳になっ
         て、自分の生活ができるようになってきた。

 ーーー     2年たって、ようやく落ち着いたんですね。

 伊是名さん   そう。最初は産むのは1人って決めてたけど、1歳くらい一瞬子育てが楽にな
         るんだよね。自分でご飯を口に運ぶようになって、命の危険性がちょっと減る。
         それで二人目ほしいなぁって思っちゃった。イヤイヤ期が始まったら、思わな
         かったはず(笑)。

 ーーー     子どもを産もうというのは、決めていたんですか。

 伊是名さん   子育てがしたかったけれど、産めないかもしれないとは思っていた。産めない
         のなら、養子がほしいなと。
         いいお医者さんに出会えて、生む可能性は十分にありますよって言われて。大
         学院で、障がいのある子どものリスクを学んでいたので、そこまで不安が無か
         った。難しかったら別の手段を考えればいい、と。

 ーーー     自分の強みはどこだと思いますか。

 伊是名さん   やりたいことに対しては、ちゃんと準備をしてあきらめないことと、人を信じ
         ること。最近、信頼することを大切にしています。

 ーーー     信頼、ですか。

 伊是名さん   やってくれてありがとうと感謝するよりも、この人にまかせたら大丈夫、と信
         頼すると相手もやる気になるし、私を信頼してくれる。信頼できる人はいっぱ
         いいます。ヘルパーさんも、仕事相手もそうです。

 ーーー     今後したいことは。
 

 伊是名さん   4月に本「身長100cmママの子育て」(出版社ディスカヴァー21)を出すため
         に、頑張って書いています。

 ーーー     どんな内容ですか

 伊是名さん   ヘルパーさんと一緒にする子育て、私が子育てで大切にしていること、自分がど
         んな子どもだったかを書いています。私は子どもがずっと欲しかったので、二人
         の子どもに恵まれうれしい。でも、5kg以上の物は持てないし、子育ては大変な
         ことがたくさんあります。ヘルパーさん、ボランティアさん、近所の方々、たく
         さんの人に助けられています。いろいろなママの姿、いろいろな子育てが広まっ
         てほしい。子どもが幸せな場所は、みんなが幸せ。その形を、本を通してみなさ
         んと考えていきたい。
 
 ーーー     教育にも興味があるそうですね。

 伊是名さん   若い人とつながりたい。社会を変えていくのは若い人。本当はもっとやりたいけ
         れど、子育て落ち着いてからかなぁ。自分の予定ではまだ動けないから。大学の
         講師をしたり、学校で子どもたちと関わりたいです。

 ーーー     どんな社会にしたいですか

 伊是名さん   いろんな人が生きているのをお互いが受け入れて、あなたも私も自由に生きて
         いいって認め合える社会を作りたい。
         デンマークは、40年くらい前に女性が立ち上がり、働きやすさや、福祉を追
         求し、いまの福祉国家に変わった。日本にもミートゥームーブメントもきてい
         るし、いい流れになってほしいなぁと思う。それも、声を上げて立ち上がった
         女性がいるんですよね。

 ーーー     伊是名さんも、声を上げていますね。

 伊是名さん   助けてくれる人がいるから、できるんです。そうそう、味方になってくれる人
         を探すのは、得意です(笑)。小さなことですよ。例えば、イタリアンの店2
         階にあって一人じゃいけない時は、パスタ好きの友達誘うとか。イベントした
         いなら、興味ある人に一緒にやらない? ってお願いするとかね。



【もっと知りたい!伊是名夏子さんのこと①】学生のころ
【もっと知りたい!伊是名夏子さんのこと②】日々の暮らしと留学





PROFILE
いぜな・なつこ

1982年名護市生まれ。沖縄育ち。2001年首里高等学校卒業、早稲田大学第一文学部に入学。大学在学中03年アメリカサクラメント大学に交換留学、04年デンマークに留学、06年大学卒業。08年那覇市の小学校で英語指導員を経て、結婚。13年香川大学大学院教育学研究科修了。第一子を出産。15年第二子を出産。現在は神奈川県在住

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撮影/比嘉秀明 編集/栄野川里奈子

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編集者
おいしいものに目がないガチマヤー(くいしんぼう)。2016年に国際中医薬膳師の資格をとりました。おいしく健康に!が日々のテーマ。

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