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2016年6月9日更新

外国人支援に奔走【大仲るみ子さん・沖縄NGOセンター事務局長】

才色兼備『沖縄で働く女性は、強く、美しい』

在沖外国人と地域つなげる
沖縄NGOセンター事務局長・大仲るみ子さん




国際協力のイベント、日本語サークルなどを行う沖縄NGOセンター。大仲るみ子さん(45)は事務局長として活動を支える。海外で生活、日本語教師としても教壇に立った。現在は県内在住外国人が抱える困りごとの対応やネットワークづくりといった多文化共生の視点から地域とも連携。「共に生きる仲間」として国籍や宗教などを超えた生き方への理解を深める活動を続ける。





転機は25歳の時、滞在したオーストラリアでのこと。海外に興味があり思い切って教員を退職し、海を渡った。多民族国家の同国。「人種、文化、宗教。さまざまな人と考えがあった。驚くこともあったけれど多様な生き方、価値観に触れたのはうれしかった」と話す。国籍の異なる仲間たちと暮らし、相手を外国人として意識するのではなく、個人として向き合うことの大切さにも気付かされた。

また、持ち前の明るさと好奇心で行動、本音で話し、本気でケンカをすることも心掛けた。歴史や戦争のこと、日本ではタブー視される内容も時には問い掛けた。「日本人と友だちになれるとは思わなかったと言ったアジアの人、水道から水が出ることは当たり前じゃないと教えてくれた人もいた。日本にいたら分からないことを教えてくれた」と振り返る。「この経験が私の人生に大きく影響している」。

2007年に渡米。移民が英語を学ぶ学校で共に勉強、そこでの出会いが2度目の転機となった。「教師は生きていくための英語を伝えていた。大切なのは教えることじゃなく、相手と関わることだった」。その姿に感銘を受け、日本語教師になろうと思った。

帰沖後、日本語教師の資格を取得。日本語学校や地域の日本語サークルなどで日本語を教えた。すると参加者たちの姿が昔の自分に重なった。「今度は私が手伝う」。国籍は違えど人と人。言葉の習得から日常的な相談まで、生徒に寄り添い続けた。

11年より沖縄NGOセンターに所属、14年事務局長に。同団体で大仲さんが中心となるのは、宜野湾市と連携した「多文化共生事業」だ。取り組みの柱は二つ。「在留外国人の自立支援」と「地域でのネットワーづくり」だ。

取り組みの一つにあるのが外国人の防災だ。東日本大震災以降、防災意識が高まり、地域の連携も活発化。「高齢者ら要援護者への支援は手厚くなった。しかし、言葉の要援護者である外国人への支援は不十分」と指摘する。

そこで13年、県内在住外国人、述べ500人に防災についてアンケート。「地震や津波、台風に驚いた」「言葉が分からず不安」など切実な声が聞こえた。

ことし1月、石垣市で地域住民と外国人で災害時の対策や困っていることを話し合う場も設けた。「言葉や習慣など外国人は不安を抱え、日本人も戸惑っていた。地域の中で声を掛け合える関係が不可欠」と強く実感した。「取り組みはまだ始まったばかり。防災に限らず、双方が抱える課題など地域に暮らす仲間として、一緒に解決する方法を考えたい」と意気込む。

「地域のネットワークづくり」の観点から、外国人を講師にその国のことを学ぶイベントも企画する。「イベントなら参加しやすいし、顔を合わせ会話をしてまずは友だちに」とほほ笑む。

大仲さんの夢は。「ゲストハウスを作ること」だ。「居場所や文化の発信場所となる空間を作りたい。そこを拠点に地域とも連携、多様な人とかかわれる仕組みを作りたい」と願う。

「世界は実は狭い」。大仲さんの周りには、国籍を超えた人々の「同じ笑顔」があふれている。



 

チベットでの出会いから


チベットで現地の人とともに=写真中央(本人提供)

「チベットが一番印象に残っている。とにかく人が温かく、たくましかった」と話す。
 その後、中国の北京で2人のチベット出身の露天商と出会った。大仲さんがチベットに行ったことを伝えると、「とても喜んで話をしてくれた」という。ただし「お互いに相手の言葉は分からない」。共通言語はなかったが、 「伝えたい、話したいって思ったら言葉の壁は超える。それを実感した出会い」と目を細めた。

旅には「梅干し・緑茶・みそ汁」
「旅に欠かせない」というのがこの3品。「日本に比べると衛生状態があまり良くない国もある。梅干しや緑茶には殺菌、消毒効果があると聞くのでその作用に期待し、何かあったら食べる」。みそ汁も体調を崩した時にもぴったりとも。



大仲さん=前列左=と那覇市の日本語サークルのメンバー。日本人スタッフはみなボランティア​

直接声を聞き、実情を知ること
現在、那覇市には多くの外国人が滞在している。大仲さんは沖縄NGOセンター以外にも同市が主催する日本語サークルに運営メンバーとしてボランティアで参加している。一対一で外国人に日本語を教えるほか、参加者への連絡や、教材などをそろえたり、広報としての業務も担い、メンバーを縁の下から支える。
 「なぜ日本語が必要なのか、参加者のバックグラウンドはさまざま。公立の学校に通う子どものお知らせや学校の書類の内容を説明したり、日本人に送るメールの書き方を練習したことも。ここでは各々のニーズに合わせた対応ができる」と話した。

 

大仲さんのハッピーの種

Q.尊敬する人はいますか?
ダライラマとマザー・テレサです。特にマザー・テレサは子どものころに読んだ伝記で感動し、会いたい思っていたものの、彼女は死去。とても悔やみました。しかし、インドで彼女が立ち上げた「死を待つ人々の家」でボランティアした際、そこで働く人たちの中に彼女のやってきたことが残っていることを実感。とてもうれしく思いました。そこでは国も年齢も性別も肩書も超えて集まった人と一緒に活動出来たこともいい経験です。
 

出前授業で移民の歴史学ぶ


小学校での出前授業の様子。県内各地の学校や自治体などでその国の文化などを報告。世界のウチナーンチュについて理解を深める(同団体提供)

ことし10月に開催される「第6回世界のウチナーンチュ大会」に向け、移民学習などの出前授業や、学校や地域で学べる教材作りなども行っている。
※詳細は問い合わせに


■問い合わせ先/沖縄NGOセンター
電話:098-892-4758
http://www.oki-ngo.org/​


PROFILE
おおなか・るみこ
1970年、石垣市生まれ。92年岩手県の盛岡大学文学部卒業後、北海道の小学校で教諭として勤務。95年退職後、ワーキングホリデーでオーストラリア・ニュージーランドに滞在。帰沖後、臨時教諭や就労支援の仕事の傍らオセアニア、アジアなどを旅する。2008年日本語教諭の免許取得、県内の日本語学校などで日本語を教える。14年より、沖縄NGOセンター事務局長。



週刊ほーむぷらざ「彩職賢美」|輝く女性を応援!
今までの彩職賢美 一覧
撮 影/矢嶋健吾
編 集/相馬直子
『週刊ほーむぷらざ』彩職賢美<1217>・第1508号 2016年6月9日掲載

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相馬直子

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編集者
横浜市出身、沖縄で好きな場所は那覇市平和通り商店街周辺と名護から東村に向かう途中のやんばる。ブロッコリーのもこもこした森にはいつも癒されています。「週刊ほ〜むぷらざ」元担当。時々、防災の記事なども書かせていただいております。被災した人に寄り添い現状を伝えること、沖縄の防災力UPにつながること、その2点を記事で書いていければいいです!

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