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2017年8月10日更新

[彩職賢美]国際音楽祭「第九 in OKINAWA」実行委員会副委員長 岩崎セツ子さん|音楽を観光産業に

県立芸術大学名誉教授で国際的ピアニストの岩崎セツ子さんは、クラシック音楽を沖縄県の観光産業に育てようと活動している。取り組みの一つが、国際音楽祭「第九 in OKINAWA」の開催。ことし2月に3回目を終えた。フランスから沖縄に移り住んで約30年の岩崎さん。「骨をうずめるつもりで来た」と初心は変わらない。

彩職賢美|国際音楽祭「第九 in OKINAWA」実行委員会副委員長 琉球交響楽団副理事長 県立芸術大学名誉教授  岩崎セツ子さん
 

「第九」根付かせ世界つなぐ

国際音楽祭「第九 in OKINAWA」実行委員会副委員長
琉球交響楽団副理事長
県立芸術大学名誉教授


岩崎 セツ子 さん


沖縄フランス協会の会長としてフランスと日本、沖縄の国際友好交流に寄与した功績でことし5月、同国から三つ目の勲章を授与された。毎年、7月14日のパリ祭には在日フランス大使館の公式行事に招かれる。関連して那覇ではワイン祭を開催。フランスの芸能や音楽を紹介するなど、岩崎さんは日仏の友好交流の懸け橋だ。

1968年から90年までフランス在住。「フランス人は日本文化が好き。琉球文化もよく知っています」と岩崎さん。尚家が進物用に作っていた工芸品がフランスとドイツにかなりあったという。絵画や工芸品はモノがあればいいが、音楽は人が行かないといけない。音楽、特にクラシック音楽は観光産業の担い手になりうる要素の一つだ。

多くの人が参加する、ベートーベン作曲交響曲第九番ニ短調作品125「合唱付」いわゆる「第九」は有望だ。岩崎さんは「日本人は第九が好きですよ」と目を輝かせる。フランスで大統領選挙があったことし6月、マクロン氏の当選を伝えるテレビ映像で群衆が歌っていたのが欧州連合(EU)の歌として知られる「第九」だった。第九を歌えば世界中の人とつながる。演奏旅行で世界中を飛び回ってきた岩崎さんの音楽家ならではの発想だ。

毎年、沖縄から200〜300人が「第九」を歌いに県外に行くという。「県外から沖縄に来てもらいましょうよ」。医療ツーリズムとの組み合わせも視野に入れる。クルーズ船を仕立てて国外からも来てもらう。船内で沖縄出身の音楽家が演奏をする。「優秀な人はたくさんいますよ」。県立芸大時代の教え子の中には国際的な賞を受けた者もいる。「世界の話題になりますよ」ときっぱり。

「第九」を沖縄でやるための条件はいろいろ整っている。一つは、自らも設立に関わった「琉球交響楽団」の成長だ。2015年に特定非営利活動法人になった。ことし結成17年目。さらなる活動の場を広げることで県の観光との相乗効果が期待できる。

そして沖縄の持つ観光資源の青い海、青い空、澄んだ空気にプラスおもてなしの心だ。日本での「第九」発祥の地・徳島をはじめ「第九」は各地で歌われ、常に3千人から1万人の合唱参加者数を誇る。沖縄は後発県として差別化を図る上で、独自の楽団があり、ほかにはないこれら観光資源は有利に働くとみている。

沖縄空手会館のオープンは、岩崎さんにとって良い刺激になっている。空手は、流派がたくさんあるのにみんなが一つになって会館を建てた。伝統芸能の世界もしかり。国立劇場おきなわを建てた。クラシック音楽の分野もいつか、何かしらの形になるものができるはずだ。岩崎さんは言葉を慎重に選びながらも、夢を語った。

岩崎さんが好きな言葉は「世界は一つ、人類平安」だ。平安は戦争と対比される平和と違って、自ら心に安らぎを求める思いが詰まっている。時代に流されるものが多い中、クラシック音楽は変わらない。音楽と平安は並び立つ関係だ。岩崎さんは「第九」を沖縄に根付かせるだけじゃなく、「観光資源として誇りの持てるものに育ってほしい」と願っている。世界に誇れる琉球文化のように。


フランスから三つ目の勲章
ことし5月、在日フランス大使公邸で、同国から三つ目の勲章を受け、ティエリー・ダナ大使(当時)から祝福される=写真右。輝く三つの勲章は本人にとってはもちろん、県民にとっても名誉なことだ。


那覇でフレンチカンカン
沖縄フランス協会が2014年に那覇市で国際交流の一環として開いたワイン祭では、フランスの大衆芸能として有名なフレンチカンカンも披露された。踊り子たちは本場アルゼ市からの参加。



ワイン祭でシャンソン
シャンソン歌手のスーブリームさんがワイン祭で、日本人がよく知っているシャンソンを披露した。



絵画と音楽には共通項が
音楽と絵画はインスピレーションを受けるものとして共通項があるという。作品はマリー・ローランサン作「ギターをひく女」。作家の家族からの贈呈。

(写真は6点とも岩崎さん提供)



岩崎さんのハッピーの種
Q.生け花の草月流師範だそうですね。
花が好きです。T・ダナ仏大使が5月に来県の折、海洋博公園の熱帯ドリームセンター鑑賞をお勧めしました。大使はそこでグレーのハイビスカスを見つけ、お気に入りだったので、私がその苗を同公園にお骨折りいただいて入手。パリに持ち帰った大使から「花が咲いた」=写真=とメールが届きました。花は”沖縄大使”として世界を魅了してくれるでしょう。

 

 


PROFILE
岩崎セツ子(いわさき・せつこ)
1944年東京都出身。東京藝術大学音楽学部を首席で卒業。68年渡仏、同国立音楽院のピエール・サンカン主任教授に師事。72年欧州デビュー後、北米、南米など世界各地で演奏会。90年、フランス国家文化勲章受章、県立芸術大学音楽学部開設に伴いピアノコース主任教授として招聘された。現在、同大名誉教授、沖縄フランス協会会長、国際音楽祭「第九in OKINAWA」実行委員会副委員長、琉球交響楽団副理事長ほか。5月までは在沖縄フランス名誉領事も務めていた。


今までの彩職賢美 一覧


撮影協力/琉球交響楽団、うるま市市民芸術劇場
撮影/比嘉秀明・編集/上間昭一
『週刊ほーむぷらざ』彩職賢美<1264>
第1569号 2017年8月10日掲載

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