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2017年3月16日更新

[彩職賢美](株)武産業代表取締役社長 金城恵子さん|女性目線で快適空間

金城恵子さんはコインランドリーと賃貸共同住宅を経営する(株)武産業の代表取締役社長。夫が病気で早期退職したのを機に「生活費は自ら得るんだ」と専業主婦から一念発起し会社を設立。夫は1棟目の共同住宅オープン1カ月後に亡くなった。ランドリーは「明るく、キレイ、清潔」をモットーに、利用者にシックで快適な空間を提供している。

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今週の彩職賢美は、(株)武産業代表取締役社長の金城 恵子さん
 

専業主婦から経営の道へ

コインランドリーカフェ 経営者
(株)武産業代表取締役社長
金城 恵子
さん


「会社をつくって良かった。(夫を亡くした)悲しみもだいぶ癒えた」。娘のためにも、悲しみに暮れているわけにはいかなかった。設立したのは2008年1月。以来、賃貸共同住宅が来年3月完成予定の物件を入れて6棟、コインランドリーは5軒の実績を誇る。
専業主婦が起業して会社を経営、はた目には華やかに見えるが、その苦労は並大抵のことではなかった。「融資を受けたことがない。どうやってやるか尋ねましたよ、銀行の窓口で」。そんな女性社長に、銀行も簡単には融資してくれない。「女だからとみくびっているのか。なめないでよ」。表にこそ出さないが、持ち前の負けん気は、なえることがなかった。だが、今があるのは銀行マンと現場の人たちのおかげと感謝は忘れない。
コインランドリーは所有する共同住宅の近くか建物の1階部分で営業。4軒目はうるま市内の総合ディスカウントストア内に出店、アンテナショップと位置づけた、初めての試みだ。「入り口から入ってすぐ右側に店舗があり、大型駐車場も近い」。決断に必要なのは「目利きと直感」という。土地柄を見る目と経験に裏打ちされた直感でストア側のオファーに応じた。

県内の短大を卒業後、イギリスに渡り、秘書になるための専門学校に通った。卒業後はロンドンで就職。日系企業の支店長第二秘書になった。第一秘書がとても厳しい人で、あまりの厳しさに帰宅後、泣いたこともあった。だが、職業人としての心構え、ひたむきに取り組む姿勢などをそこで学んだ。「相手を見る目はその時に養われた。相手が何を考えているか、瞬時に判断する」。普通の専業主婦には到底、まねできないだろう。
女性としての細やかさは、ランドリー経営の随所に見られる。まず従業員を配置していること。掃除や機械の扱いに対する問い合わせなどに対応する。夜間の無人の時間帯はコールセンターに任す。店内の様子は本社に居ながらモニターでチェック。お客の安心と安全の確保に努めている。快適空間を演出するためにカフェコーナーを設置。100円で飲める自動販売機のコーヒーはおいしいと評判だ。
三つの経済団体に所属している。海外視察にも積極的に参加。2015年7月には、県知事を団長とする100人ほどの経営者団体の海外視察で初めてシンガポールに行った。同国の若い経営者の熱気に触れ、大いに刺激を受けた。「少しでもチャンスがあれば、そして方向性が確認できればね」。狭い沖縄だけにとどまらず、ゆくゆくは海外展開も。意欲は満々だ。
亡き夫には感謝している。「いい人だった。あの人がいなかったら、今の私はない」。不動産業に携わっていた父も背中を押してくれた。幼いころから父の背中を見て育ったことが血肉になっている。「自分は何もできないと思っている女性のみなさんには常に諦めないで、起業してほしい。長年主婦だった私にもできたんだから」とエールを送る。現状を打破するための一つの手段として起業は有効だという。金城さんには、乗り越えられない困難はない、と思わせるパワーがあった。





シンガポールを初めて訪問

初めてのシンガポール(写真)は経営者団体の研修で訪れた。県内トップ企業の経営者らも多数参加。得るものが多かった。
旅行は好きで、年に1~2回は娘と一緒に台湾や韓国を訪ねる。娘との旅は楽しくて、いい気分転換になるという。




めでたい席で筝曲

結婚後は箏を弾くことはめったになくなったが、腕前は生田流筝曲の師範だ。写真は夫の妹の結婚式で、めでたい曲を披露した時のひとこま。独身のころは父の勧めで三線や琉球舞踊の舞台も見に行った。父は自分がしない分、娘にはいろいろ体験させた。生け花も習った。
(写真は2枚とも金城さん提供)

 

金城さんのハッピーの種

Q.幸せを感じる時間は?
土曜、日曜日と祝日は会社が休みなので、家で娘と過ごします。娘は大事な宝。娘がいなかったらここまで頑張ることはできなかったでしょうね。
週1回は娘と映画を見に行きます。好きなジャンルは特にありません。それから一緒に旅行するときですね。娘といると幸せです。

Q.リフレッシュの方法は?
車の中で聴くクラシック音楽ですね。自分で運転します。仕事がら月に1千キロは走ります。物件が南部、那覇とありますから。土地選びも自分の目で確かめるし。
サウナは大好き。何も考えないで過ごす時間、気分がリフレッシュされます。エステに行くのも好き。顔のエステとおしゃれが好き。


株式会社 武産業の代表取締役社長の金城恵子さん
PROFILE
金城恵子(きんじょう・けいこ)那覇市出身。小禄高校、沖縄女子短期大学卒業後、イギリスに渡り秘書を養成する専門学校へ。卒業後、ロンドン市内で日系企業の秘書に。帰国後に結婚。2008年1月、(株)武産業設立、代表取締役社長に。賃貸共同住宅は南部、那覇市に5棟建設し、コインランドリーは4軒が稼働中。来年3月には1棟、1軒増える。独身のころ習った筝曲は生田流師範の腕前。娘1人。



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撮影/比嘉秀明・編集/上間昭一
『週刊ほーむぷらざ』彩職賢美<1246>
第1548号 2017年3月16日掲載

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