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2024年9月19日更新

太ももの筋肉アップでひざ痛予防|続けてハッピー‼︎健康習慣⑥

膝の痛みの原因の中でも特に高齢者に多いのは変形性膝関節症。肥満や膝周辺の筋肉低下によって膝に負担がかかることで発症のリスクが高まります。予防には太ももの筋力アップが効果的! 専門家に膝の痛みの原因やリスク、具体的なセルフケアの方法などを聞きました。

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太ももの筋肉アップでひざ痛予防

適正体重を維持 適度な運動習慣

膝に負担がかかることが変形性膝関節症の主な原因。やえせ整形外科の院長、新井弘一医師は「特に肥満の人は膝にかかる負担が大きいので減量が大事。膝の痛みは歩行などに支障をきたし、転倒や寝たきりのリスクが高まる」と注意。同院の理学療法士、宜保雅也さんは「太ももの前側にある大腿(だいたい)四頭筋は体重を支える役割を担っていて、そこを鍛えることが膝にかかる負担を減少させることにつながる」とアドバイスする。


教えてくれたのは
やえせ整形外科  院長 新井弘一さん(左) 理学療法士 宜保雅也さん(右)
 

肥満が膝に負担をかける

膝の痛みは幅広い年代に見られる症状だが、10~20代の若い人はスポーツなどの激しい運動で膝を酷使したことによるものが多く、中高年は痛風や関節リウマチといった関節炎が多いという。新井弘一医師は「60~80代の高齢者の膝の痛みの原因で多いのは、膝関節の軟骨がすり減ることで痛みが生じる『変形性膝関節症』=下参照。また、中高年の女性に多い骨粗しょう症も痛みを生じる場合がある」と説明する。

変形性膝関節症の主な要因としては、肥満や膝周辺の筋力低下などが挙げられる。「肥満の人は体重によって膝関節にかかる負担が大きく、軟骨がすり減りやすくなる。また、加齢や運動不足で膝関節を支える周辺の筋肉が衰えると関節への負担が増大する。適正な体重と筋力の維持が膝の痛みの予防には大切」。扁平(へんぺい)足の人も発症のリスクが高いという。「土踏まずのアーチが下がることで姿勢が悪くなり、膝に負担がかかる。腰にも悪影響を与える恐れがある」

膝の痛みのリスクについて、新井医師は「痛みによって立つ、歩くなどの動作に支障をきたし、次第に運動量が低下していく。いわゆるロコモティブ症候群になって、転倒や寝たきりのリスクが高まる。今は痛みの症状がない人もロコモチェック=下=をしてみて。一つでも該当したら足腰の衰えや不具合の兆候かもしれません」と注意する。左ページでは変形性膝関節症の予防のためのセルフケアを紹介しているので試してみて。
 
 

膝を支える筋肉を鍛え、柔軟性も維持

痛みの予防について新井弘一医師は「まずは減量による適正体重の維持。食べ過ぎに気をつけつつ、なるべく骨や筋肉の材質になるタンパク質をとることを意識しましょう」と呼び掛ける。

膝周辺の筋肉、特に太ももの前側にある大腿四頭筋は、体重を支えて膝関節への負担を減らす役割を担っているので、そこを鍛えるのが効果的だ。筋力アップは基礎代謝を向上させ、減量にもつながる。理学療法士の宜保雅也さんは「肥満の人は特に体重を支えるため、より強い筋肉が必要だが、スクワットなどの筋トレは体重が膝にかかるので、まずは横になったり座ったりして、あまり膝に負担をかけない筋トレから行うのがおすすめ=下参照」とアドバイスする。座って行う筋トレは、テレビを見ながらでもできるので継続しやすいという。

また、股関節や膝、足首などの関節の柔軟性が足りないことも膝に負担をかける要因になるので、筋トレと一緒にストレッチもしよう。

ウオーキングは膝周辺の筋肉を鍛えつつ、有酸素運動による脂肪燃焼で減量にもつながる。「関節を動かすことで軟骨に栄養が運ばれるので、軟骨の状態を維持するためにも適度な運動習慣は大事」と宜保さん。

運動は、し過ぎても膝に負担をかけることになるので、無理をせず体力に合わせて継続することが大事だ。「疲れたり痛みを感じたらやめる。治療中の病気やけがのある人は、医師に相談してから始めましょう」と新井医師は話した。
 

◇  ◇  ◇  ◇  ◇
 

  膝の痛みの予防のポイント    
 ①減量で膝の負担を軽減する       
 ②膝を支える大腿四頭筋を鍛える 
 ③運動は無理をせず継続する       


画像をクリックして「やえせ整形外科」のホームページへ

取材/池原拓
毎週木曜日発行「週刊ほ〜むぷらざ」続けてハッピー‼︎健康習慣⑥
第1937号 2024年09月19日紙面から掲載

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