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2024年5月23日更新

株式会社hareruya(ハレルヤ)の代表者 大城五月さん|つながる力で 介護を変える[彩職賢美]

介護が必要な人、その家族、そして、つらい気持ちを抱えている人も、誰もが自分の人生を自分らしく生きていけるようにサポートしたい。人や地域、企業をつなげ、情報、制度、サービス、方法とより多くの選択肢を提供し、自分で選び、決定する、それができる社会をつくっていきたいです。

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一人じゃない、共に歩む未来

株式会社hareruya(ハレルヤ) 
代表者 大城 五月さん



介護の枠を超えて
心をつなぐ存在に

5月は新緑が美しく、生き生きとしたエネルギーにあふれている。(株)hareruya代表者の大城五月さん(43)もまた、そんな女性だ。

24歳から介護の仕事に携わり、8年前に居宅介護支援事業所を設立した。介護保険外の病院付き添いサービスや「仕事と介護の両立サポート」事業の他、数々の団体の理事を務め、介護系オンラインサロンを主宰するなど、多方面で活躍している。どの活動にも共通するのは、「一人で孤独を感じている人、そのような状況にある人に、大丈夫だよ、一人じゃないよと伝えたい」という思いだ。

中でも、大城さんの心の深い部分とつながる活動が「Rich Heartプロジェクト沖縄」。4年前から「貧困と言われること」について、当事者を含むさまざまな立場の人を交えて座談会を開いている。「活動が分かりづらいと言われる」と苦笑するが、「実体験を語り合うことで、本当の貧困や真の豊かさが何なのかに気付ける」と熱く語る。

活動の背景に、大城さんの来歴がある。生後すぐに両親が離婚。幼少期は祖父母に育てられた。非行を繰り返した時期もある。20歳で妊娠、結婚。2度の離婚を経験し、シングルで3男2女の5人を育ててきた。

沖縄の貧困が話題になるたび、「貧困=不幸」とレッテルを貼られることに違和感を覚えてきた。「確かに貧困と呼ばれる状況だったかもしれないけど、それは不幸なの?」と腑に落ちない。貧困対策に正解はないと考えている。それでも自分なりに出した答えは「幸せはすでにそこにある、です」と笑顔を見せる。ただ、貧困と言われる環境にある人が何かを諦めようとしていたり、つらい気持ちでいるとしたら、「大丈夫だよ、一人じゃないよ。目の前の環境はあなたのせいじゃない。自分や周りを信じて一歩踏み出そう。そんな言葉や思いを届けたい」と話す。

大城さんは自身の半生を「お絵かきムービー」という手法の動画で公開している。「迷いましたが、公にすることで、同じ境遇の人の話を聞くことができると思ったんです」と語る。

実際の座談会では、DVなど厳しい状況から脱した女性が思いや行動、受けた支援、その支援とどのようにつながったかを語った。ゲストが大城さんに寄せる信頼は大きく、誰かのためにという思いが連鎖している。「活動は長期戦で根気強く続けていきたい」と大城さん。真っすぐな瞳に思いを込める。


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寄り添う力、行動力が大城さんの強みだ。創業時からのモットーは「今あるものとつながり、ないものはつくる」。病院付き添いサービスも、高齢者や家族の困りごとが社会制度で解決できず、自分でやってみようと考え、始めたものだ。「不幸でない介護を選べるように選択肢を増やしたい」と事業展開してきた。

母の美恵子さんは、多忙な娘を気遣いながら、「人のために働くことを心から楽しそうにしている。五月らしく生きてくれればそれでいい」とほほ笑む。母は再婚後、交通事故で要介護5になった夫を在宅で介護している。大城さんは「今の私があるのは継父の存在が大きい」と話す。非行に対し、継父が真剣に向き合ってくれた。そんな父の介護を笑顔で続ける母の姿にも学んでいる。

「誰もが自分の人生を自分らしく生きる。それを民間の力で支えたい」と、昨今は、その思いを共にする企業や個人と新規事業に取り組んでいる。「たくさんのワクワクをいろんな人と共有していきたい」。5月の風のように爽やかで生き生きとした笑顔が輝く。これからも人々に希望の風を運んでいくのだろう。

 

 2月に株式会社化しパワーアップ 

(株)hareruyaには社員、パートを合わせ15人の従業員がいる。介護事業に携わって20年になる大城さん。8年前に設立した合同会社を、ことし2月、株式会社へ組織変更した。「信頼できる仲間と共により良い方向へ進めていけるよう、さらにパワーアップした会社で地域、社会へ貢献していきたい」と意気込む。

設立当時は4人の子育て真っ最中で、法人設立にかかる経済的事情から、一人で気軽に設立できる合同会社を選択した。「介護を要する高齢者やその家族が置かれる環境や実情を知り、行政の制度を超えた事業展開をする中で、多くの人、企業とつながり、協働、連携してきた。取り組みが、より行政とのつながりも意識するものとなってきたことで、株式会社化を決意した」と語る。

 

 病院付き添いサービスをいち早くスタート 


(株)hareruyaは「病院付き添いサービス ケア・シェアリング・ポノ」という、病院受診や薬の受け取りへの同行サービスを行う。このサービスは介護保険外。今では介護保険外サービスの活用や事業展開も増えてきたが、スタート当時はほとんどなく、業界をリードする取り組みとして県内外から注目を集めた。

今後、沖縄は、高齢者の増加率が全国で最も高くなるとされる。「望む生活を実現するため、今ある制度やサービス、方法を知ることが大切。その上で、自分の人生を自分で選び決定できるよう、選択肢を提供していきたい」と大城さん。

昨今は、共通の思いを持つ企業や個人とつながり、身よりのない人向けの24時間緊急連絡サービスや、保険外サービスなどのポータルサイトの制作に取り組む。

 

株式会社hareruya(ハレルヤ)
電話=098(800)2839


 


プロフィル/おおしろ・さつき/1980年、浦添市出身。介護福祉士、主任介護支援専門員、産業ケアマネ、他資格多数。2016年、居宅介護支援事業(同)hareruya設立。24年、株式会社に組織変更。23年、「おきなわ仕事と介護の両立サポート協同組合」設立、代表理事に就任。他に「沖縄こどもホスピスのようなものプロジェクト」、「家族介護のwa」、「ソーシャルリース沖縄」理事、「RichHeartプロジェクト沖縄」設立。介護職オンラインサロン「寝起きでプラケア会議」主宰など多方面で活躍。



↓画像をクリックすると、「株式会社hareruya」の公式ホームページへ


「Rich Heartプロジェクト沖縄」の詳しい情報は、下記URLへ
https://r.qrqrq.com/lRAPvygt

今までの彩職賢美 一覧


撮影/桑村ヒロシ 撮影協力/docomo howlive Urasoe 取材/赤嶺初美(ライター)
『週刊ほ〜むぷらざ』彩職賢美<1434>
第1920号 2024年05月23日掲載

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