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2023年10月12日更新

10月13日は国際防災デー|本当に必要な 救急グッズと応急手当て

災害に備えて、備蓄しておきたい救急グッズは何だろう? 災害支援に携わる日本赤十字社沖縄県支部の井上稔之さんに、本当に必要な救急グッズと、知っておきたい応急手当てを教わった。10月13日は、国際防災デー。


多いのは切り傷 応急処置で安心

「災害時に起きやすいのは、切り傷やすり傷といった軽症のけがです。災害時は医療を受けにくくなるので、応急処置ができると安心です」と井上稔之さん。備えておきたい救急グッズや、切り傷・すり傷の応急手当てのポイントを聞いた。


いのうえ・としゆき。
日本赤十字社沖縄県支部 事業推進課・事業推進係長、救急法 水上安全法指導員


災害時、時間かかる医療受診 腕の傷や軽い骨折は軽症


 切り傷には、何を備えてどう対応する?

A 小さな傷用にばんそうこう、大きな傷用にガーゼと包帯を常備しておきましょう。

傷の手当ての基本は、止血と細菌の感染を防ぐことです。 流血が続いている場合、清潔なガーゼなどで圧迫して止血します。出血が多過ぎると命に関わるので、血が止まるまでしっかり押さえることが大事です。その後、水で洗い流して細菌の感染を防ぎます。せっけんや消毒の必要はなく、水でしっかり洗い流せば大丈夫です。

傷が小さい場合は、ばんそうこうを貼ります。ばんそうこうは保護ガーゼと包帯がセットになった救急道具。中央の白い部分がガーゼの役割を果たしています。大きな傷の場合はガーゼを張り、包帯を巻きます。

 災害時には医療が受けにくくなる?

A 医療機関が機能していないこともありますし、命を救うことが優先されるので、軽症の場合は受診が後回しになります。医療チームは、重症・中等症・軽症に分けて、重症の人から先に診療します。歩ける人は軽症と判断されるので、腕の傷や軽い骨折などは軽症と判断されます。

万一医療を受けにくくても、応急手当てができれば、その後の経過は良くなります。離島県の沖縄は、外部から支援が来るまでに1週間ほどかかる、と言われます。備蓄だけでなく、基本的な知識を持っておくことも必要です。
 


 

いざ買おうとすると救急グッズは種類が多く、何をどれだけ準備したらいいか迷うことも多い。井上さんに、本当に必要な救急グッズを教えてもらった。
 


 

ほかにも備えておきたいもの、知っておきたいことを、井上さんに聞いた。


 三角巾はなぜ必要?

A 三角巾は包帯の一種で、1㍍幅ほどの正方形を斜め半分にした三角形の布です。ねんざや骨折時に腕を固定するのに使えるほか、包帯としてけがをした時の傷口の保護や止血にも使えます。

ねんざやけが、骨折した場合、傷口を安定させることが大事です。腕をつって間にタオルなどを挟んで固定しておくと痛みが和らぎます。

また、三角巾を帯状に畳んで幅を細くすれば帯包帯と同じように使えますし、幅があるので肩の周辺や頭など帯包帯では難しい場所を巻くこともできます。アレンジが利くので、いくつか備蓄しておくといいですよ。

手元にない場合は、バンダナやスカーフなど正方形の布を半分に畳んで代用することもできます。

三角巾を使った腕のつり方


(1)一番長い辺を体の中央に合わせてひじに三角巾の頂点が来るようにあてる。

(2)両端を首の後ろで結ぶ。

(3)頂点を内側に折り返す

 
 備えたい便利グッズは?

A 穴を開けたペットボトルの「ふた」です。ペットボトルのふたにキリなどで穴を開けて、救急グッズに入れておきましょう。穴が多過ぎるとすぐに水がなくなってしまうので、いくつか開けておくくらいがいいと思います。

水道が使えない時に簡易シャワーとして使えて、傷を洗い流せます。場所を取らず、使う時もペットボトルのふたを付け替えるだけなので、手軽です。

 子どもや高齢者に必要な対策は?

A 子どもは親子健康手帳、高齢者や服薬している方はお薬手帳のコピーを入れておくといいと思います。災害時には病院のカルテの情報が確認できないこともあるので、健康状態や飲んでいる薬の情報があれば、医師が診断しやすくなります。身近な薬が手に入りにくくなるので、常備薬(解熱剤や湿布など)も備えておくと安心です。

沖縄で心配なのが熱中症です。体育館のような避難所は、空調が効かず熱中症になりやすい。特に高齢者や子どもは熱中症にかかりやすいので、平常時の体温を把握しておいて、体温計も救急グッズに入れておくといいでしょう。

熱中症対策の基本は、水や塩分を取って熱を逃がすこと。災害時、氷を手に入れにくい場合には、常温の水で体をぬらして、うちわなどで風を当てると、気化熱で熱を効果的に逃がせます。

編集/栄野川里奈子
『週刊ほ〜むぷらざ』10月13日は国際防災デー
第1888号 2023年10月12日掲載

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栄野川里奈子

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編集者
おいしいものに目がないガチマヤー(くいしんぼう)。2016年に国際中医薬膳師の資格をとりました。おいしく健康に!が日々のテーマ。

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