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2023年8月3日更新

当てはまる? ロコモチェック|そろそろ本気で! 生活習慣病予防⑤

下記のいずれかの項目に当てはまる人はロコモティブシンドローム(ロコモ)かも? ロコモとは、体を動かすための器官に障がいが起こり、歩行などが困難な状態のこと。専門家にそのリスクや予防について聞いた。

運動を習慣づけ筋肉と骨維持

医療法人八重瀬会同仁病院の整形外科医長、比嘉清志郎さんは「加齢によって衰えてくる筋肉や骨などの運動器は、普段の生活で体を動かして適度に負荷をかけることで維持される。ロコモを予防し健康寿命を延ばすためにも、若いうちから運動を習慣づけましょう」と呼び掛ける。


ドクターから

比嘉清志郎さん
医療法人八重瀬会同仁病院 整形外科医長

ひが・せいしろう
日本整形外科学会専門医。膝関節外科、スポーツ外科、整形外科一般を専門とする

ロコモの要因である運動器=下参照=の障がいは、加齢による筋肉や骨の衰え、変形性関節症といった関節の疾患などが挙げられる。これらの障がいによってバランス能力が低下したり、足腰に痛みやしびれが出たり、関節が曲がりにくくなったりして、「立つ」「歩く」といった日常生活に必要な動作が困難になり、つまずいたり転倒したりしやすくなるという。

比嘉医師は「ロコモが進行すると、自立した日常生活を送ることが困難になり、寝たきりや要介護になるリスクを高めます」と説明する。


なりやすいのは女性

ロコモになりやすいのは女性と肥満の人と、比嘉医師は指摘。「女性は閉経後、女性ホルモンが激減し骨粗しょう症のリスクが高まります。骨粗しょう症はロコモに関連する疾患で、骨の量が減って骨がもろくなり、転倒などで骨折しやすくなります」と説明する。ちなみに沖縄県は脚の付け根の骨折の発生が全国的にみても多いそうなので、要注意。また、肥満の人は、重い体が腰やひざに大きな負担をかけ、ロコモに関連する変形性関節症などの疾患になりやすいという。

筋肉や骨などの運動器は、普段の生活の中で体を動かして適度に負荷をかけることで維持されるという。「ロコモになって思うように体を動かせなくなると、日常生活の活動量が低下して、さらに筋肉や骨が衰え、ロコモが進行するという悪循環に陥るおそれがあります。運動不足で肥満にもなりやすく、関節の疾患のリスクも高まります」と比嘉医師。


予防にウオーキング

ロコモの予防には日々の適度な運動と栄養バランスの整った食事が大切、と比嘉医師は説く。比嘉医師は「週に2回、3000歩程度のウオーキングがおすすめ。スクワットなどで筋肉や骨に負荷をかけたり、ストレッチで関節の柔軟性を維持するようにしましょう。肥満の人も運動でやせると、関節への負担軽減につながります」とアドバイス。左面では比嘉医師がすすめるロコモ予防の運動を紹介しているので試してみよう。

筋肉や骨の量を維持するには、筋肉や骨の素となる栄養素をしっかりとることも大切。比嘉医師は「筋肉や骨の素になるタンパク質は肉、魚、卵、乳製品、大豆などいろいろな食品からバランスよくとるようにしましょう。骨の材料として重要なカルシウムは、その吸収を高めるビタミンDを含むサケやキノコ類といった食品と合わせてとるのが効果的です」と解説する。

比嘉医師は「特に日常生活で歩くことが少ない車社会の沖縄では、気付かないうちにロコモになっていたり、すでに進行したりしている可能性があります。健康寿命を延ばすためにも若いうちから運動を習慣づけましょう」と呼び掛ける。


運動器とは?

運動器とは、人間が立つ、歩く、走る、座るといった運動のために必要な器官の総称。骨、筋肉、関節、軟骨、脊柱の椎間板、神経などで構成される。比嘉医師は「特に高齢者は運動器の障がいが複合してロコモになるケースが多いです。関節の痛みなど運動器の障がいは、年のせいと我慢する人も多いですが、ロコモを進行させないためにも、痛みが繰り返すようなら早めに医師に相談しましょう」と呼び掛ける。

全身の運動器が連携して動くことで、体をうまく動かすことができる


ロコモに関する主な疾患

■骨粗しょう症:骨の量が減り骨がもろくなる状態。尻もちをついたり、転んだりするだけで簡単に骨折するようになる

■加齢性筋肉減少症(サルコペニア):加齢によって、筋肉の量や働きが減少する

■変形性関節症:クッションの役割をしている軟骨がすり減り、関節の痛み、曲げ伸ばしがしづらくなる

■変形性脊椎症:背骨と背骨の間にある椎間板がすり減ったり、背骨が変形したりする。それによって神経が通っている脊柱管が狭くなると、足のしびれや痛みなどが出る「脊柱管狭窄症」を引き起こす

■無理をせず自分のペースでやる
■痛みを感じたらやめる
■治療中の病気やけがある人は、医師に相談してから始める


机といすを使ったスクワット

下肢筋力をつける運動。転倒に十分注意して、机に手をつきながら、いすの前で行うことでバランスを崩しそうになったら腰掛けられるようにする。

1セット5~10回を1日2~3セット。足を肩幅に広げて立つ。お尻を後ろに引くように、ゆっくりと膝を曲げ、ゆっくり元に戻す(1回当たり10秒ほど)
※運動中は息はとめず、ゆっくり息を吸って吐いてを繰り返す。

ポイント① 足はかかとから30度くらい外にハの字に開く  
ポイント② ひざがつま先より前に出ないようにする。ひざは90度以上曲げない



フロントランジ

下肢の柔軟性、バランス能力、筋力アップに。5~10回、自分の体力に合わせて1日2、3セット

①腰に両手をあて、両脚で立つ。上体は胸を張って、良い姿勢を維持
②脚をゆっくり大きく前に踏み出す。踏み出し過ぎて、バランスを崩さないように注意
③太ももが水平になるくらいに腰を深く下げる
④身体を上げて、踏み出した脚を元に戻す



片脚立ち

足の筋肉、骨、バランス能力を鍛える運動。50分ほどの歩行に相当する効果があるそう

1日3セット。姿勢はまっすぐ。床につかない程度に片脚を上げて1分間キープ。反対の脚も同様に。

転倒しないように、必ず机などつかまるものがある場所で行う


支えが必要な人は十分に注意して、机に手をついて行ってもいい

 



毎週木曜日発行・週刊ほ〜むぷらざ
そろそろ本気で!生活習慣病予防⑤
「第1878号 2023年8月3日紙面から掲載」

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