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2023年7月6日更新
実家の片付け(2)|やってみよう、終活④
沖縄片付けLaboのちねんゆうこさんは、「年を重ねるほど身軽なほうが、暮らしやすくなる」とアドバイスする。片付けの手順や、思考タイプ別の効果的な取り組み方を聞いた。
実家の片付け(2)
沖縄片付けLaboのちねんゆうこさんは、「年を重ねるほど身軽なほうが、暮らしやすくなる」とアドバイスする。片付けの手順や、思考タイプ別の効果的な取り組み方を聞いた。(栄野川里奈子)
「片付かないのはなぜですか? と聞くと、いろいろな答えが返ってきますが、原因は三つだけ! (1)物が多い(2)片付ける場所を間違えている(3)片付け方法を間違えている、です」とちねんさん。
(1)は、自分で管理できる「適正量」を超えている状態。適正量は、家の広さや年齢などで変わる。(2)は使う場所から遠い場所にしまうなど、片付ける場所を間違えているケース。(3)は、箱にしまう、二重に袋に入れるなど、手のかかる収納法にしているケース。しまうのが面倒になり、散らかってしまう。「原因が分かれば、対策ができます」
まずは、どこか1カ所の片付けに取りかかってみよう。とはいえ、どこからスタートしたらいいか迷う人もいるだろう。思考タイプ別にオススメの片付け場所を教わったので、チェックしてみよう=下囲み。
(1)未来不安型
未来への不安が大きく、ティッシュペーパーや缶詰など、ストック買いが多いタイプ。捨てることへの不安があるので、小さなスペースから捨てることに慣れていくといい。まずはトイレや浴室、玄関などから取りかかるのがオススメ。片付けると運気が通りやすくなるとイメージすると、不安が未来への希望に変わる。
(2)現実逃避型
現状から目をそらしていて、散らかっている状態や、落ちているごみが目に入らないタイプ。
人に見られたら一番嫌な部分(クローゼットや押し入れ)から、手を付けるといい。他人のサポートを借りるのも手。1度片付けて快適さを実感すると、元の状態に戻りたくなくなるため、リバウンドすることは少ない。
(3)過去執着型
思い出の物が多いタイプ。若い頃の思い出、昔の子どもの作品などを捨てられない。
思い入れがあるものを手放すことは難しいが、古い物につくほこりや汚れは健康を害するリスクがある。健康や衛生のために、手元に残すものは絞りたい。片付けスイッチを入れやすい浴室や寝室、トイレ、リビングから始めると良い。
片付ける場所を決めたら、(1)いったんすべての物を出す(2)残す物、処分するものを分ける。(3)残す物を適切な場所に、適切な方法で収納する。
残すのは、普段よく使うものに絞る。「直感が大切なので、3秒以内で判断しましょう。それ以上悩む物は、将来使うあてがないものがほとんどです」。捨てにくい物の判断の目安を聞いたので、参考にしてみて。
つい「せっかく買ったのにもったいない」と思いがちだが、「すでにお金は支払っているので、それ以上損することはありません。また、物の価値は目減りしますよ」とアドバイス。
年齢で適正量は変わる
心に留めておきたいのは、年齢によって物の適正量が変わることだ。「年を重ねると、体力と同じように管理能力が低くなってきます。年を重ねるほど、身軽になっていくイメージを持つといいですよ」
片付けることで、さまざまな効果がある。「ムダな出費が減り、身の丈に合ったシンプルな暮らしが手に入ります。余分な物を手放すと、なりたい自分も見えてきます」
捨てにくい物の判断の目安
なかなか捨てにくい物の判断基準を、ちねんさんに聞いた。
■人からもらった物
保存期間は2年を目安に、とお伝えしています。保存期間は人それぞれですが、使う・使わないに関わらず、一定期間大切に置いておいたら、いただいた気持ちを受け取っていると思います。
■引き出物のタオルや食器
タオルは、未開封でもシミがついていることがあります。まずは開けてみて使えるかどうか確認を。使えるものは使って、そうでないものは処分しましょう。
食器は、使っていない物は手放しましょう。知人に譲ったり、リサイクルショップに売るのも手です。
■家電やお菓子の空き箱、紙袋
紙類は、長期間保存していると虫がわくので、一定期間が過ぎたら処分した方がいいですよ。
教えてくれた人
ちねんゆうこさん
沖縄片付けLabo代表、整理収納アドバイザー一級、看護師
『週刊ほ〜むぷらざ』やってみよう、終活
第1874号 2023年7月6日掲載