マネー
2023年6月1日更新
「夫婦別財布」はお金を貯めにくい?|賢く生きる!マネー術③
文・岡田有里(ファイナンシャルプランナー)
Q 「夫婦別財布」はお金を貯めにくい?
A 貯金は共有し一緒に貯める
夫婦別財布とは、生活費の分担以外はお金の管理を別々にする家計管理のことです。自分の財布を自由に管理できる「夫婦別財布」は、支出が多くなりがちでお金が貯(た)まりにくい傾向にあります。お互いを信頼しているつもりでも、どこか不安がある場合に、夫婦で協力して家計を考えるにはどうすれば良いのでしょうか。
家計管理はどのタイプ?
①夫婦で一緒に管理
②妻が管理し、夫は小遣い制
③夫が管理し、妻に生活費を渡す
④支出を折半し、残りは各自で管理
夫婦別財布とは、生活費の分担以外はお金の管理を別々にする家計管理のことです。自分の財布を自由に管理できる「夫婦別財布」は、支出が多くなりがちでお金が貯(た)まりにくい傾向にあります。お互いを信頼しているつもりでも、どこか不安がある場合に、夫婦で協力して家計を考えるにはどうすれば良いのでしょうか。
家計管理は主に4種類ありますが、皆さんはどのスタイルですか? 理想は①の一緒に管理するスタイルで、話し合いながら一緒に管理することで夫婦間の価値観が整い、将来の希望に向かって家計管理ができます。④が一般的な夫婦別財布です。お金が貯まりにくい傾向にあるので、原因と対策方法を見てみましょう。
①共有部分が少ない
共有するのは生活費の分担金額だけで、支出や貯蓄に関しては非公開というのが夫婦別財布の典型です。夫婦といっても元々は他人なので、家計を共有することへの抵抗やお金の使い方が違うのは当然ですが、家計の収支を把握する人が誰もいない状態は危険です。
②支出が多い
夫婦別財布は「お小遣い」に回せる金額が多く、「使途不明金」が増えやすい。パートナーのお金の使い方を知らない=貯金ができない、という流れができやすいのが難点です。
③貯金も「夫婦別財布」
貯蓄の分担なし、情報共有無し。このような家計は現状も未来も分からないことだらけです。「相手は貯金しているだろう」「何とかなるだろう」と曖昧にすると不安が生まれますし、いざ確認したら夫婦共に貯めていないという悲劇や、片方の口座がすっからかんと分かれば、夫婦間にわだかまりが残る危険性が高いです。
【夫婦別財布の場合のチェックリスト】
対策‥貯金の分担金額を決める
お金の話を始めると、気まずい雰囲気になる夫婦も多いでしょう。長らく別財布だった場合はお互いのプライバシーや自由度を尊重しながら話し合いましょう。筆者のおすすめは共有項目に貯金を追加して分担金額を決め、残りは今まで通り夫婦別財布にする方法です。こうすれば「お金を貯めにくい」という夫婦別財布の問題点を解決できます。いつまでに、何のために、いくら貯金をしたいのか。まずはこの3点を夫婦で話し合えば、分担金額や貯蓄方法の話し合いはスムーズにいくはずです。
コミュニケーションを取る際はお互いのプライバシーに配慮して「いくら貯められたか」と達成できた貯蓄に目を向け、「いくら使ったか」という相手の支出に注目し過ぎないように距離感を保ちましょう。一生は長いですが、貯金ができる期間は意外と短く、いつでもお金を貯められるわけでもありません。余裕がある時に頑張って貯めておくことが重要なので、お金を貯められる「夫婦別財布」へ向けて取り組んでください。
おかだ・ゆり/ファイナンシャルアライアンス(株)沖縄支店所属。外資系企業を経て沖縄へ。女性のマネー知識の底上げをライフワークに活動
女性のイマドキ!マネー術のバックナンバーは[こちら]から
『週刊ほ〜むぷらざ』賢く生きる!マネー術②
第1869号 2023年6月1日掲載
この記事のキュレーター
- キュレーター
- 岡田有里
これまでに書いた記事:70
ファイナンシャルプランナー。ファイナンシャルアライアンス(株)沖縄支店所属。外資系企業に就職し海外勤務を経験し、2000年に沖縄へ。「私の未来に安心を!」をテーマに、女性のマネー知識の底上げをライフワークに活動。