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2023年6月1日更新

実家の片付け(1)|やってみよう、終活③

実家を片付けたいけれど…と考えている人は少なくない。沖縄片付けLaboのちねんゆうこさんの前職は看護師。さまざまな患者と接した経験から、「できるだけ自宅で長く過ごしたい、と願う人は多い。健康で居続けるために、家を片付けて安全な環境にすることは大事です」と話す。

 実家の片付け(1) 

長く住み続けられる家に


そもそも、実家が散らかりがちな原因は何か。ちねんさんが挙げるのは①人生経験が長い分、物が増えやすい②体力の低下③認知能力の低下―の三つ。

「人生の中で、最も物が増えやすいのは子育て期です。振り返るひまもないほど忙しく、空いているスペースに物を詰め込んで日々を過ごし、そのまま数十年たった、というケースは多い。また、物が少ない時代を過ごしてきて、物を大切にする価値観が強く、手放すことへの罪悪感がある人も」と説明する。

前職で高齢の患者と接する中で、住環境の大切さを痛感してきた。統計でも、高齢者の事故が発生しているのは約8割が「家」で、中でも事故が多いのはリビング=下グラフ①②。さらに、高齢者は事故が起きた時に、症状が重くなりやすい=③。

怖いのは、事故後の変化だ。「尻もちをついたり横に倒れると、大腿骨近位部(太もものつけ根部分)を骨折しやすい。治療中は1カ月ほどベッドで安静にしなければならず、その間に筋力が低下し、退院後もつえを使ったり、車椅子生活になる人は少なくない。認知機能が低下することもあります」

①事故の8割は家で起きている




②リビングでの事故が一番多い



③けがの程度が重くなりやすい



独立行政法人国民生活センター 医療機関ネットワーク事業からみた家庭内事故ー高齢者編ーより


言葉かけにひと工夫

すぐにでも実家の片付けを始めたくなるが、取り掛かる際は親の気持ちを尊重することを忘れずに。ちねんさんは「無理に進めると、けんかになったりしこりが残る。ご本人の気持ちを尊重しましょう」と注意を促す。
そこで大事なのが言葉がけだ=左上囲み。

親の了解が取れて、掃除をする場合にも言葉かけに一工夫を。掃除する箇所からすべての物を取り出してふく。その上で、「どれを捨てる?」でなく、「どれを戻す?」と聞く。捨てる物を選ぶよりも、選びやすいという。 次回は、思考タイプ別に、より具体的な片付けの進め方を紹介する。

言葉かけが大事

NG 一緒に片付けよう


OK 一緒に掃除しよう

「親の家を片付ける際、けんかになるケースは多い。スムーズに片付けを始めるために、大事なのが言葉かけです」とちねんさん。ちねんさんが勧める言葉かけは「一緒に掃除しよう」。NGは、「片付けよう」。
「片付けようと言われると、今散らかっていると言われているようで、否定されている気分になる。一緒に掃除しよう、と伝えるほうが◎。例えば、イベントや行事などお客さんが来る機会があれば、その前に、みんなの目に止まる玄関やキッチンを一緒に掃除しようか? と提案してみてはどうでしょう」

 

教えてくれた人
ちねんゆうこさん
沖縄片付けLabo代表、整理収納アドバイザー一級、看護師
 

取材/栄野川里奈子
『週刊ほ〜むぷらざ』やってみよう、終活
第1869号 2023年6月1日掲載

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おいしいものに目がないガチマヤー(くいしんぼう)。2016年に国際中医薬膳師の資格をとりました。おいしく健康に!が日々のテーマ。

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