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2023年2月16日更新

ご飯を作るのが面倒…そんな時の救世主 具材と煮込むだけの「だし」とは|へとへとな時のおたすけ飯④

だしのきいたみそ汁はおいしいけれど、だしを取るのは面倒…。だが、だしソムリエの北康代さんは「具材と一緒に煮込むだけの『いりこ』だしは、手間いらず。かつお節のようにこす手間がなくて楽ですよ」と薦める。いりこ以外の乾物の活用法も教わった。

 乾物でうまみ 栄養アップ! 

日々の食卓に乾物を取り入れている北康代さん。煮物にちりめんじゃこ、炒め物に干しエビなど、いろいろな料理に乾物を入れる。北さんは「乾物を加えると、うまみも栄養もアップ。常備しておくと心強いですよ」と話す。

北康代さん。だしソムリエ1級。管理栄養士。NORTH KITCHEN主宰。
電話090(7373)2395

 

 味付けする前に味見して 

うまみ生かし調味料少なく

日々の食卓に乾物を取り入れている北康代さん。煮物にちりめんじゃこ、炒め物に干しエビなど、いろいろな料理に乾物を入れる。北さんは「乾物を加えると、うまみも栄養もアップ。常備しておくと心強いですよ」と話す。(栄野川里奈子)


北さんが毎日使っているのが、いりこだし。みそ汁には、水と具材と同じタイミングでいりこを入れる。「具として食べてもいいし、食べたくない場合は菜箸で取り出せばいい」

いりこは購入時にまとめて頭とはらわたを取る。「ひと手間かかりますが、頭とはらわたは苦みやえぐみの原因になるので、取った方がいいですよ。使う時にその都度取ってもいいのですが、まとめて取っておくと後で楽。青魚で酸化しやすいので、冷凍保存がいいでしょう」

調理の際は、だしや素材のうまみを生かすために、調味料を入れる前に味見することを勧める。「いりこの塩分はそれぞれ違うし、具材にする野菜のうまみや甘みも季節によって変わる。味見をして調味料を入れると、良い加減に仕上がります。また、味付け前のだしのおいしさに癒やされますよ」

いりこはそのままおやつにしてもいい。「子どもはうまみが好きなので、よく食べる子が多い」

炒め物、ポテサラにも

北さんは、いりこ以外にも乾物を日々の食事に取り入れている。北家の定番が、かぼちゃとちりめんじゃこの煮物=下写真。カボチャとちりめんじゃこ、しょうゆを少しと水を加えて煮含める。「一品でタンパク質も野菜も取れます。カボチャをジャガイモに換えたり、味付けに塩こうじやしょうゆこうじを使ってもおいしい」

ほかにも、炒め物にかつお節や干しエビ、ポテトサラダにかつお節、ヒジキ煮に干しエビ、パスタやカレーに干しシイタケなど、乾物の使い方は幅広い。「乾物からうまみが出るのでだしを取る必要がなく、調味料も減らせる。栄養価は上がり、いいことずくめ。ぜひ乾物を日々の食卓に取り入れてみてください」

 丸ごと食べるから栄養豊富 

「煮干しは小魚だけでなく、魚介類や海藻を煮て干したもののの総称。実は、小エビもちりめんじゃこもヒジキも煮干しなんです」と北さん。

煮干しには、小魚や小エビ、ちりめんじゃこなど一匹丸ごと食べるものが多い。これらには、カルシウムやミネラル、タンパク質といった栄養がたっぷり含まれている。また、「魚を丸ごと食べる機会が少ないので、子どもへの食育にもつながると思います」と北さん。 


 だしガラがおいしく変身 
だしガラのいりこは、すし酢にひたすとおいしく変身=写真。2~3週間冷蔵保存が可能。「サッパリして食べやすくなります。そのままでも良いし、刻んだキュウリや大根とあえると副菜になります。シソやショウガを刻んで入れてもおいしいです」。


また、刻んだだしガラとみそ、黒糖、みりん、クルミを煮詰めると油みそのような常備菜に=写真左。だしガラを、オリーブの実やドライトマト、しょうゆ、ニンニクと炒め合わせると、洋風の常備菜になる=写真右。


 疲れた日もパッと作れる 
具だくさんゆし豆腐

材料(4人分)
ゆし豆腐‥‥‥‥‥1パック
エノキ‥‥‥‥‥‥50g
切り干し大根‥‥‥7~8g(戻さずそのまま)
のり
かつお節

作り方
①鍋にカットしたエノキ、切り干し大根、ゆし豆腐、具がひたるくらいの水を入れる。
②①を火にかけて、具材が温まったらできあがり。味見して物足りなければしょうゆやみそを加える。かつお節やのりをトッピングする。
★北さん「キノコは冷凍するとうまみがアップするので、カットして冷凍しておくと便利。特にエノキは甘みがあり、早く煮えるので使い勝手がいい。かつお節は鮮度を保ちやすい小分けパックがオススメ」


 いりこを具材と煮るだけ 
具だくさんみそ汁

材料(4人分)
水‥‥‥‥‥1㍑
いりこ‥‥‥15g
みそ‥‥‥‥適量
具材(野菜数種類、好みでワカメ、豆腐、卵) 

作り方
①鍋にいりこと水、切った野菜を入れてふたをして火にかける。
②ぐつぐつしてきたら火を弱める。野菜に火が通ったら、味見をしてみそを好みの量入れる。
★北さん「野菜は冷蔵庫にあるもの何でもOK。たっぷり入れて。いりこが気にならない場合は具として食べて、気になる場合は取り除いてください」=だしガラの活用法は左囲み。

 パスタやカレーに干しシイタケ 

北さんがいりこ以外に毎日使っている乾物が、干しシイタケだ。「干しシイタケは生のキノコとは違ううまみ成分(グアニル酸)を持っていて、生のキノコを使っていた料理を干しシイタケに変えるだけで、おいしさに深みが出ます」

気軽に使えるよう、水に戻したものを冷蔵庫に常備している。「2~3日で使い切れる量の干しシイタケを水につけて冷蔵保存しています」

戻したシイタケは、みそ汁のほかに、汁物や炒め物に使う。パスタやカレー、シチューなど洋風のメニューにも合うという。


『週刊ほ~むぷらざ』へとへとな時のおたすけ飯
第1854号 2023年2月16日掲載

この記事のキュレーター

スタッフ
栄野川里奈子

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編集者
おいしいものに目がないガチマヤー(くいしんぼう)。2016年に国際中医薬膳師の資格をとりました。おいしく健康に!が日々のテーマ。

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