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2022年11月17日更新

[沖縄・輝く女性を紹介]彩職賢美|琉球風水師・ロンジェ琉球風水アカデミー学長 株式会社ロンジェ代表取締役 東道 里璃(りり)さん|琉球風水でウェルネスライフ

首里城に体現される琉球風水思想は、自然と調和する心地よい空間をつくるための実学であり、美学です。2012年に琉球風水スクールを立ち上げ、琉球風水の考え方を、現代のインテリア・建築設計に応用した「風水空間デザイン®」をお伝えしてきました。一人一人の人生と住まい、そして沖縄の未来が健やかに発展する琉球風水の精神を、次世代に残していきたい。  


撮影/比嘉秀明・撮影協力/国営沖縄記念公園・首里城公園

自然と調和する景観を未来へ

琉球風水師・ロンジェ琉球風水アカデミー学長
株式会社ロンジェ代表取締役   
東道 里璃さん


夢は琉球の精神文化を
ユネスコ無形文化遺産に


「首里城は、聖域をつくり出す四神=周辺の山や植物=によって守られているからこそ、王城としてふさわしい地。300年前の風水鑑定報告書に書かれた風景が実際に見られるというのは、世界的にも相当貴重です」

これまで100回以上足を運び、“琉球風水の教科書”と愛してやまない首里城を語る表情はキラキラ輝き、とても楽しげ。講義を受ける参加者にも、自然と笑顔が生まれる。

首里城の建築、琉球王府の国策に活用された琉球風水の思想や鑑定法を研究し、実践。現代の建築、インテリア設計に応用できる手法として体系化し、「風水空間デザイン®︎」を創出した。自身のスクールでの指導を中心に、建築士とともに新築住宅のトータル風水デザインも行う。

自然を感じるナチュラルさと、西洋的なエレガントさ。南国リゾートのような美しく心地よい空間づくりが、風水空間デザイン®︎の特徴。その世界観に引かれ、スクールには全国各地から受講生が集う。講座はオンライン講義と琉球風水ゆかりの地での現地実習。「学んだ知識や技術はアウトプットを繰り返すことで、無意識に体が動くようになるほど深く落とし込める」と、日々の暮らしや仕事での実践、言語化に重きをおく。

受講生は新築予定の施主や不動産投資家から、インテリアデザイナー、建築士などの設計のプロまで幅広い。「受講生はみなさん、建築、インテリアがお好きなだけでなく、沖縄の歴史や文化に思いを寄せていらっしゃる。琉球風水の考え方を基礎から学ぶことで、安心で快適な住まいと暮らしだけでなく、ご自身の目標までかなえられていくのがうれしい」

インテリアや建築の設計に携わる実務経験者向けの認定資格・風水空間デザイナー®︎も独自に創設。開校10年目にして、2人の風水空間デザイナー®︎も生まれた。「自然と調和した質の高い暮らしが、当たり前に実現できる世界を目指して、これからも人材育成を続けていきたい」

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大学院で環境学と出合い、自然と調和する価値に目覚めた。琉球風水との出合いは、東日本大震災を機に座間味島へ移住し、築180年超の琉球古民家で暮らしたことがきっかけだ。「王朝時代の風水師が設計した集落に家があり、中国伝統風水の古典に書かれているような、自然と見事に調和した風景と環境に驚きました。東京で学んだ、運気アップを目指す占い的な風水とは全く違う。島の歴史と琉球風水に興味を持ちました」

2012年、「『なんとなく家が心地悪い』と、モヤモヤしている方の力になりたい。正しい知識を学び、私や仲間と一緒に実践して考えてみることで、悩みを解決して、笑顔になってほしい」とスクールを開校。講義では、風水の技術を駆使するのではなく、自分軸を手に入れる一つのツールとして風水を伝えることにこだわる。「生活習慣の中にあるその人の哲学が、形になったものが家。風水哲学を学んだことで、私の人生は大きく変わりました。風水を学べば学ぶほど、生き方にもビジネスにも通じる真理だと改めて感じています」

10月31日には、10年の研究成果をまとめた初の著書を出版。執筆の際は、風水の専門書や沖縄の自然・歴史に関する文献を何度も読み返した。本を書き上げる中で深まったのは琉球の歴史と自然、祈りの精神文化への畏敬の念。「王朝時代から脈々と受け継がれる琉球風水の精神文化を、ユネスコ無形文化遺産にするのが、これからの私のミッション。地域にもっと、深く関わっていきたい」。先人の知恵、自然と調和する美しい沖縄の風景と文化を次世代につなぐため、新たな決意を胸に走り出す。

 首里城の復興願い 風水謎解きツアー 


10月22日、27日に行われた「あなたも琉球風水師になれる!? 首里城の風水 謎解きツアー」の模様。参加者は首里城の風水を記したオリジナル地図を手に、東のアザナで首里城を守る四神を探した
撮影協力/国営沖縄記念公園・首里城公園(東のアザナ)
写真提供/ロンジェ
®︎琉球風水アカデミー

「首里城を取り囲む風水景観が、SDGs的視点で、未来に残したい沖縄、そして地球を楽しく考えるきっかけづくりができれば」と東道さん。新たに琉球風水を体感する学習イベントにも力を入れる。10月末には、首里城公園を巡るツアーも開催。首里城復興への願いも込めた同ツアーは、県の令和首里城復興イベント「木曳式(こびきしき)」応援事業にも採択された。

ツアーではまず、琉球王府の役人のトップだった蔡温が、琉球王国の持続可能な発展を目指して行った山林政策の根幹である「風水思想」と、首里城の歴史を座学で学習。その後参加者は、東道さんのガイドで城内を散策し、首里城を守る四神を探し出すことに挑戦した。参加者からは「風水の講義を受けて首里城の周りの風景を見たら、これまで見えていた風景が全く別の世界に変わりました」「自然の摂理、恩恵を大事にしながら、共有させて頂くという感謝の心持ちに、とても共感できました」などの声があがった。

東道さんは、「首里城が首里城であるために。沖縄が沖縄らしくあるために。琉球の自然と調和する精神文化を、次世代につないでいくというミッションを、ツアーを通して再確認できました」と話した。

 東道さんのパワーの種 

Q.長いときは、1日12時間にも及んだという本の執筆。ハードワークを乗り切った源は?

毎日のようにビーチへ行き、はだしで海辺を歩いて「アーシング」。電磁波でたまったプラス電子を中和し、体の酸化防止で万病を未然に防ぎます。

書斎は私にとって運気のいい場所にあり、デスクとイスも、人間工学に基づいた計算式で、最適な高さになっています。座るだけで、当たり前に良い姿勢でいられる環境を作ることで、ハードな仕事も無理なく続けられます。

毎日の食生活では、手づくり甘酒でデトックスし、納豆で脳を活性化。ウェルネスの基盤となる体と精神の健康を維持するライフスタイルを確立し、パフォーマンスを最大化できるように意識しています。



プロフィル/とうどう・りり 1970年、東京都生まれ。立教大学大学院異文化コミュニケーション学修士。新築の家づくりをきっかけに風水を学び始めた。2011年に沖縄へ移住、琉球風水に出合う。12年琉球風水スクールを開校。住宅専門家向けのセミナーでの講師、新聞でのコラム執筆などでも活躍する。著書「琉球風水で叶うナチュラルエレガント 風水空間デザインの教科書」を、22年10月31日に出版。

■問い合わせ先/ロンジェ琉球風水アカデミー



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文・比嘉千賀子(ライター)
撮影/比嘉秀明・撮影協力/国営沖縄記念公園・首里城公園

『週刊ほ〜むぷらざ』彩職賢美<1413>
第1841号 2022年11月17日掲載

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