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2022年8月25日更新
[沖縄]SDGs |「食まーるプロジェクト~ちゅふぁーらサポート~」
十分な食事を取れていない子どもたちが増えていると、NPO法人フードバンクセカンドハーベスト沖縄が「食まーるプロジェクト~ちゅふぁーらサポート~」に取り組んでいる。代表理事の奥平智子さんは「寄付と関心を寄せてほしい」と呼び掛ける。
子どもたちを満腹に
寄付食品を学校等に常備十分な食事を取れていない子どもたちが増えていると、NPO法人フードバンクセカンドハーベスト沖縄が「食まーるプロジェクト~ちゅふぁーらサポート~」に取り組んでいる。代表理事の奥平智子さんは「寄付と関心を寄せてほしい」と呼び掛ける。
企業や家庭から余剰食品を回収し、福祉施設などを通して食べ物を必要とする人に無償で提供している「NPO法人フードバンクセカンドハーベスト沖縄」。15年前に同法人を設立した奥平代表は「コロナ禍で食品を提供した数は600人近く。以前の3倍もあり、依頼数はどんどん増えている」と話す。
8月から新たに取り組む「食まーるプロジェクト」は(1)学校や無料で子どもたちに勉強を教える無料塾などに寄付された食品を常備してもらい必要な児童生徒への直接提供(2)乳幼児を含む18歳未満の子どもがいる家庭へ栄養バランスを考えた食品の提供-という二つの事業からなり、東京の公益財団法人日本フィランソロピック財団の第1回「子どもまんぷく基金」より300万円の助成を受けて行う。期間は来年5月まで。奥平代表は「助成金で長期保存がきく食品、特に米や賞味期限の長いパン、粉ミルクなどを購入し、寄付食品と一緒に子どもたちに届けたい」と意気込む。
同事業は、県内公立学校や無料塾、子ども食堂など、5施設で実施している。施設関係者は「児童生徒がいつでも必要なときに空腹を満たせれば、学習意欲も増す。食品を提供することで、児童生徒や保護者との関係が構築しやすくなる」と期待を寄せる。
NPO法人フードバンクセカンドハーベスト沖縄(豊見城)の倉庫で食品を仕分けるボランティア。食品提供数が増え、食品、人手、運営費の不足が課題となっている(写真提供/同法人)
社会全体で取り組みを
食事が取れていない子どもたちについては、以前より学校関係者などから相談があった。食品を受け取った生徒から届くメッセージに深刻な状況が伝わる=左囲み。奥平さんは関係団体などへヒアリングやアンケートを行い、各団体と協働で行政主導で事業化する必要性を沖縄県へ訴える予定だ。「十分な食事が取れない子どもたちがいる状況は社会全体で考えないといけない。より多くの人に寄付やボランティア、そして関心を寄せることで参加してほしい」と訴える。
学校を通し寄付食品を受け取った生徒から届いた手書きのメッセージ。食品を提供することで生徒が相談室に足を運びやすくなっている
孤立化防ぎ支援へ
今回の「食まーるプロジェクト」では、県内の中高校、中南部や離島にある子どもの居場所づくり活動団体、浦添市の子ども食堂と、5カ所を通して食品が子どもたちに提供される。
食品の取り扱い方について説明を受けた宮城ヶ原児童センターの池原千佳子館長は「厳しい環境にいる子どもたちや保護者が孤立するのを防ぐためにも、食品提供を通して、人や思い、支援制度の存在などにつなげていきたい」と事業への期待を寄せる。
子ども食堂にはお米をはじめとする寄付食品が常備され、必要な子へ直接提供される(写真提供/宮城ケ原児童センター)
遠方でも気軽に食品寄付
NPO法人フードバンクセカンドハーベスト沖縄では、食品寄付の他、食品仕分けのボランティアや寄付も募っている。また、アマゾン「みんなで応援」プログラムに「ほしい物リスト」を提示しており、アマゾンを通じて購入した商品を贈ることができる。
支援方法の詳細は、同団体ホームページ
https://www.2h-okinawa.org/
フードバンクAmazonほしい物リスト
https://www.amazon.co.jp/b?ie=UTF8&node=8443136051
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『週刊ほ〜むぷらざ』SDGs /文・赤嶺初美(ライター)
第1829号 2022年8月25日掲載