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2020年8月27日更新

旧盆の行事料理を手作りで|作ってみよう 行事料理[2]

お盆に供える行事料理を手作りしませんか。松本嘉代子さんに、ウンケージューシーと重詰め料理3品の作り方を教えてもらいました。

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 ウンケージューシー 



●材料 5人分
米3カップ、豚だし、かつおだし約4カップ(炊飯器の場合は3カップ)、豚三枚肉(ゆで)80~100g、シイタケ4枚、ニンジン80g、ショウガ(細かく刻む)大さじ1、塩小さじ2、しょうゆ大さじ2、サラダ油小さじ2~大さじ1

●作り方
下準備:米は、炊き始める30分~1時間前に洗ってざるに入れ、水気を切っておく。

 豚三枚肉は丸ごとゆでて、5mm角に切る。

 シイタケは水に戻して石づきを取り、5mm角に切る。ニンジンも同様に切っておく。

 釜に分量のだし、米、1、2、細かくきざんだショウガ、塩、しょうゆ、サラダ油を入れ、全体に混ぜ合わせて強火にかけ、沸騰しボツボツと穴が開いたらふたをする。次に中火にして2分くらい炊き、弱火にし10分ほど蒸らす。



炊飯器を使う場合は、だしを3と1/2カップにし、すべての材料を入れて炊く。

豚三枚肉
●材料(21枚程度)
豚三枚肉600g、かつおだし1/4カップ、泡盛(30度以上)3/4カップ、砂糖1/2カップ、しょうゆ1/2カップ

●作り方
 鍋にたっぷりの水と塊のままの三枚肉を入れ、1度ゆでこぼす。再びたっぷりの湯に三枚肉の皮を上にして入れる。最初は強火にし、アクが出たら取る。アクがある程度出てきたら中火に落とす。肉が浮いてきたら30分ほど煮る。裏返して20~30分ほど煮る。※臭いがこもらないよう、ふたはしない。冷ますときはゆで汁につけたまま冷ます。

 約1cm厚さに切る。※肉はゆでたり、煮付けることで縮むので大きめに切っておく。

 鍋に分量のかつおだしと泡盛、2を入れて煮る。次に砂糖を加えて、しばらく煮た後、しょうゆを加え、さらに中火でつやが出るまで煮る。


結び昆布


●材料(21枚程度)
昆布3本、漬け汁適量【かつおだし1/4カップ、砂糖大さじ2、しょうゆ大さじ3、みりん小さじ1】

●作り方
 昆布は洗って塩を落とし、水に30分ほど漬けて戻す。漬け汁は取っておく。※ピンと張るまでしっかり戻す。

 1の昆布を縦二つに折り、結ぶ。1本の昆布を連続して結ぶ。

 2を1の漬け汁で軟らかくなるまで煮る(早く仕上げたい時は、酢を小さじ1杯ほど加えると良い)。

 2を1の漬け汁で軟らかくなるまで煮る(早く仕上げたい時は、酢を小さじ1杯ほど加えると良い)。

返し昆布



●作り方
 材料の分量は結び昆布と同じ。昆布は洗って水で戻し、14~15cm長さに切る。

 半分に折り、輪になっている方に切り込みを入れ、切り込みを入れた1カ所を返してとめる。

 結び昆布の手順3、4と同様に煮る。

小天ぷら 


●材料(10本分)
白身魚200g、塩少々、小麦粉少々、衣【全卵1個、卵黄1個、水大さじ3~4、塩小さじ1、小麦粉1カップ強】、揚げ油適量

●作り方
 白身魚を1cm角の7cm長さに切って薄塩をし、ある程度時間をおいて身を引き締める。

 ボウルに割りほぐした全卵、卵黄、水、塩を入れて混ぜ、その中にふるった小麦粉を加え、さらに混ぜ、固めの衣を作る。

 1に小麦粉を軽くまぶし、2の衣をつけて180度に熱した油で色よく揚げる。両端を切り、そろえて盛り付ける。

 

先祖をもてなし供養する旧盆

 
先祖をもてなし供養する旧盆は、年中行事の中でも盛大な行事です。始まりは、先祖を迎える13日のウンケーで、ウンケージューシーを作ります。

14日はナカビー(中日)。特別に決まった儀礼や食はありませんが、昼はほとんどの家庭で冷やしそうめんやサーターダーグ(砂糖団子)が出されます。

最終日15日はウークイ。夜、夕食後の遅い時間に重詰め料理を供え、家族で仏壇に手を合わせてウチカビ/カビジン(紙銭)を焼きます。御三味(重詰め料理の中から数種類)を取り分け、花、線香、ソーローメーシ(精霊が使うおはし)などを、バナナの葉やクワズイモの葉に入れて取り下げます。これをまとめて門前に運び、合掌してウークイをします。

仏壇に供えるときは、仏壇に向かってもちを右側に、重詰め料理を左側にする。重詰め料理は、仏壇側に肉、手前に昆布が来るようにする(上写真のもちは手前が仏壇側)。通常の盆では、赤カマボコや結び昆布などを入れて、見た目も華やかに仕上げる。新盆(ミーボン。故人の四十九日の忌明け以降に初めて迎える盆)の時は、死者の冥福を祈るため、白カマボコと返し昆布(ケーシクーブ)を入れる※決まりごとは、地域や家庭によって違う​

心を込めた手料理を

ウンケーに作るウンケージューシーにはショウガを入れます。ショウガは香りが強いため邪気払いの食物とされ、チガリムン(餓鬼)に膳を食べられることを防ぐとされています。調理のこつは、具材を小さく切りそろえること。だしや調味料が染みこみやすく、食べやすくなります。

ウークイに供える重詰め料理から代表的な3品を紹介します。
「豚三枚肉」は行事料理に欠かせない豚肉の煮付け。調理する時は、塊のまま下ゆでします。この手間で余分な脂やアクが抜けて、おいしく食べられます。泡盛は、30度以上のものを。早く炊けますし、味の浸透率も高まります。

「昆布」には、結び昆布と返し昆布(ケーシクーブ)があります。新盆では、結び昆布ではなく返し昆布を使い、かまぼこも白かまぼこを用います。

「小天ぷら」は、塩で下味をつけ、水分が出てきたら丁寧に拭き取り、色よく揚げましょう。

重箱に詰める際は、仏壇側に肉、手前側に昆布が来るようにします(内容や飾り方は地域や家庭によって異なります)。
心を込めた手料理で、先祖の霊をおもてなししてウークイしましょう。



 

県内書店で発売中の「沖縄の行事と食~伝統のならわし・重詰め料理~」(松本嘉代子著)では、返し昆布のより詳しい作り方や、すべての重詰め料理のレシピを掲載。2000円(税抜き)。問い合わせは、タイムス住宅新聞社 電話=098(862)1155へ。



まつもと・かよこ/松本料理学院学院長。新聞やメディアで琉球料理の継承について広く発信。県「琉球料理伝承人 琉球料理担い手育成講座」の指導に携わる。
 
『週刊ほ〜むぷらざ』作ってみよう行事料理
第1725号 2020年8月27日掲載

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