健康
2025年11月20日更新
高い血糖や血圧、脂質異常症 糖質コントロールで20キロ減の医師が訴える、服薬よりも大切なこと|健康チャレンジ!(68)
医師の安谷屋徳章さんが、痩せることと高血糖、高血圧、脂質異常症の関係性について話します。
文・安谷屋徳章
薬に頼らず体質改善を
糖尿病で血糖が高い人、高血圧症で血圧が高い人、そして脂質異常症、特に中性脂肪が高い人は多いと思います。実は、これらの多くは「痩せること」で驚くほどよくなります。もちろん「痩せる」といっても人それぞれです。少ししか太っていない人は、体脂肪を少し減らすだけでも改善が見られます。しかし、とても太っている人の場合は、それなりにしっかり体脂肪を落とす必要があります。まず、糖尿病の場合です。体脂肪が減って体重が落ちてくると、血糖の状態を示す「HbA1c(ヘモグロビンA1c)」の数値が少しずつ下がっていきます。これは、体の中でインスリンの効きが良くなるためです。血糖の上下の幅も小さくなり、だんだん正常に近づいていきます。
次に、高血圧症です。血圧は体重に比例してなだらかに下がるのではなく、ある体重のところで「カクッ」と5mmHg(ミリ水銀)ほど下がり、また次の段階で「カクッ」と下がります。まるで階段を下りるように変化していくのです。逆に太るときも、同じようにある体重のところで「カクッ」と上がります。
最後に、脂質異常症、特に中性脂肪が高い人です。中性脂肪は食事のあと一時的に上がりますが、太っている人ほどその上がり方が大きくなります。しかし体重が落ちてくると、食後の上昇幅がどんどん小さくなり、最終的には100mg/dL(ミリグラムバーデシリットル)以下の安定した値に落ち着くこともあります。
このように、体重を落とすことは血糖・血圧・中性脂肪のすべてに良い影響を与えます。薬でコントロールするのも大切ですが、「自分の体重を少しでも健康な方向に近づけること」こそが、根本的な改善の第一歩。何よりこうした取り組みは薬を減らすことにもつながります。人によっては難しい場合もありますが、体脂肪をしっかり落とせば薬をやめることも可能です。

あだにや・のりあき。糖尿病や生活習慣病の改善を専門とするゆいゆい内科クリニック院長。自身も糖質コントロールで20キロ痩せた。著書に「沖縄の医師が教える糖質コントロール健康法」など
↓画像をクリックすると、ゆいゆい内科クリニックのホームページに移動します
「健康チャレンジ」のバックナンバーはこちらから。
毎週木曜日発行「週刊ほ〜むぷらざ」健康チャレンジ!
第1997号 2025年11月20日紙面から掲載














