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2025年7月17日更新

責めずに特性を理解し問題解決へ|こんな時どうする?大人の発達凸凹(でこぼこ)㉘

文・金武育子
office育子 代表



発達凸凹の困りごとあるある
 約束が守れない? 

あなたの周りに「約束を守れない」ことが問題視されている方はいませんか? もしかすると、あなた自身がこの問題を抱えているかもしれません。仕事上はもちろんプライベートでも「約束」は私たちの日常にあふれています。もはや人生は「約束」事によって構成されているといっても過言ではないかもしれません。

だからこそ、守って当然のルールが守れない人に対して「あれ? 約束守るの苦手なのかな?」「どうしたら約束事を忘れず守ってくれるのかな?」とは考えず、「私は守っているのになぜ?」「こんな簡単な事ができないなんて…」と不満が募り、「甘えているのでは?」「困った人だ」という思考にとらわれてしまうことがあるかもしれません。

計画を立てるのが苦手
今に集中し過ぎる


では、どんな特性が「約束を守る」ことを難しくしているのでしょうか?

①実行機能の弱さ
頭の中で計画を立て、順序立てて行動する力が弱いことが原因の一つで、約束そのものを忘れてしまうほか、「分かっていてもできない」ことがよくあります。

②時間の感覚が独特
発達凸凹のある人は「今」に集中し過ぎる傾向があり、「先の予定」に意識を向けにくいことがあります。

③ワーキングメモリーの課題
頭の中で一時的に情報を保持する力が弱い場合、会話の中で交わされた約束自体をすぐに忘れてしまうことがあります。

④プレッシャーや不安による回避
約束を「守れそうにない」と無意識に感じた場合、不安のため避けてしまったり、返事はしても実行できずに放置したりしてしまうことがあります。

⑤コミュニケーションのズレ
約束の内容を正確に理解できていなかったり、重要度の認識にギャップがあったりすると、「なぜ怒られたのか分からない」こともあります。
 

脳の機能の問題
自分だけで解決は困難


前述の特性は発達凸凹の方特有の脳の機能の問題です。脳の働きですので、自分でコントロールできません。想像してみてください、自分ではコントロールできず、「当たり前の約束が守れない」状況で周囲に迷惑をかけ、評価が下がっていることを知っていても繰り返してしまう人の気持ちを。

うまくいかない事を繰り返し経験する事で、苦手意識や不安・緊張といった心理的問題につながっていきます。ますます「約束を守る」ことが難しくなっていくのではないでしょうか。発達凸凹の方の特性によって起こる問題は、多くの場合は自分だけで解決することが難しいので、悪循環につながりやすいのです。

 
 責めずに特性を理解し問題解決へ 

冷静に現状を確認
特性を理解し支援を


問題解決のためには、周りの人が発達凸凹の人の特性を理解し、適切なコミュニケーションをとることが重要です。そのためのサポートのヒントとしては、
・「スケジュールの見える化」…アラームの設定などがが有効です。
・「約束の再確認」…要点をまとめて確認する習慣が助けになります。
・「責めずに振り返る」…「なんで守れなかったの?」ではなく、「どうしたら次はできるかな?」と一緒に考える姿勢が大切です。それらを共有することが有効な支援になります。

「約束が守れない」人に困っているとき、まずは冷静に現状を確認して、相互に協力して解決していく関係づくりを心掛けてみてはいかがでしょうか。



文・金武育子
office育子 代表

きん・いくこ/1970年、那覇市首里生まれ。10代の2人の息子を通して人生と向き合う中年期クライシス体感中。臨床心理士・国際交流分析士。大学講師、office育子 代表。好きな言葉は「人は必ず発達する」「人間、この未知なるもの」

記事に関する問い合わせは、office.ikuko@gmail.com

これまでの記事はこちらから。
『週刊ほ〜むぷらざ』こんな時どうする?大人の発達凸凹
第1979号 2025年07月17日掲載

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