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2024年10月12日更新

新しい行動様式で「脳のクセ」改善|こんな時どうする?大人の発達凸凹(でこぼこ)⑮

文・金武育子
(株)沖縄発達支援研究センター代表(株)おきなわedu取締役



職場でも家でも困りごとあるある
  片づけられない  
 

6月になり、新年度も落ち着き夏本番ですね。落ち着いてくるこの時期だからこそ、凸凹の特徴が見えてきます。新しい一年が走り出し、快適な環境を求めているのに相変わらず「片付かない」、なんてことありませんか? 片付けたいのに散らかってしまう。悪気はないのに、遅れてしまう。やらなきゃいけない事を忘れてしまう。そんなあなたも、ADHDタイプかもしれません。


ADHDの特徴
後先考えず、すぐ動く


発達の凸凹の中でも「ADHD」と呼ばれる「多動性や衝動性」が特性とされるタイプでは、まずは「不注意」が特徴となります。洗剤が切れそうなのに買い忘れたり、シミのついた服をクリーニングに出し忘れたり、とにかく注意を継続することが苦手です。

次に「落ち着きのなさ(多動性)」も特徴の一つです。頭の中はいつもいろいろなやりたい事であふれていて、せっかちで気ぜわしく、行動が先走ってしまうのです。待つのが苦手で「すぐやりたい」という気持ちに振り回されます。思いついたら即行動、という反応の速さと、不注意が相まって、気づけば部屋も仕事も時間の流れもごちゃごちゃになってしまうのです。しかも「待てない」ので、気付けば一緒に行動する誰かを置いてきぼりにしてしまい、「一緒に」を強く求める割には「一人で」やってしまうことになります。

このタイプの人は、とにかく「すぐにやりたい」という気持ちを優先してしまうので、共同作業がうまくいきません。さらに、ひとたび作業を始めてしまうと終わるまで熱中してしまい、へとへとに疲れて不機嫌になる、なんてことも起こります。大事なことは、「片付けられないのは性格ではなく脳のクセ」だということです。

 

 


どう向き合う?
定位置決め戻すを徹底


ADHDの傾向が強い人は片付けることが苦手で、物をよくなくしてしまいます。

「片付けが苦手」↓「物をよくなくす」↓「忘れ物・なくし物多発」という流れになり、何かと困ったことになります。なぜでしょう? 物を置いておく「いつもの場所」がないのです。まずは「定位置」を決め、使ったら戻す、を徹底して、物の置き場所、“住所”を決めておくといいのです。そうすればいつもの場所が決まっているので、場所を忘れることがなくなります。

たいしたことないじゃないか、もっと魔法みたいな解決方法はないのか? と思うかもしれません。でも、この最初の作業がさっとできれば、探すための時間も労力も、探し物のために散らかってしまうこともなくなります。想像してみてください。ずいぶんスッキリしませんか?
 
 

    新しい行動様式で「脳のクセ」改善    


書類への応用
三つに分けることから


散らかった書類の整理ができない人には、「分類」「整理」が必要です。書類整理で大切なこの作業は、「いる(絶対に必要な書類)」「いらない(絶対にいらない書類)」「決められない(いるかどうか分からない)」の三つに分けることだと言われています。いらないものを処分するとずいぶん片付き、作業スペースが広がることで作業効率も上がります。あとは「分類」「整理」された書類を「定位置」に戻せばいいのです。いかがですか? ずいぶん片付いた様子が想像できませんか?

「片付けられない」は、性格ではなく脳のクセなのだそうです。クセならば、新しい行動様式を身に着けることで、改善されるのではないでしょうか。



文・金武育子
(株)沖縄発達支援研究センター代表
(株)おきなわedu取締役

きん・いくこ/1970年、那覇市首里生まれ。10代の2人の息子を通して人生と向き合う中年期クライシス体感中。臨床心理士・国際交流分析士。大学講師、office育子を経て、現職。好きな言葉は「人は必ず発達する」「人間、この未知なるもの」

記事に関する問い合わせは、odssc.okinawa@gmail.com

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『週刊ほ〜むぷらざ』 こんな時どうする?大人の発達凸凹⑮
第1924号 2024年06月20日掲載

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