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2023年8月17日更新

漢方で治す③ 漢方の疑問を解消|身近な病気もっと知ろう 家族の医学手帳(111)

家族の健康が気がかりな「ほーむさん」が専門のドクターを訪ね、気になる病気について聞くこのコーナー。前回に続き今回も漢方での治療にスポットを当て、日本東洋医学会会員である、のはら元氣クリニックの野原正史院長に話を聞きます。

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漢方で治す③

医師の処方で保険適用に

Q1 漢方薬って保険が適用になるの?

煎じ薬の一部を除き、漢方薬はすべて保険での処方が可能です。煎じ薬も、医師の処方箋があれば保険が適用されます。ちなみに、薬剤師は法律上、処方箋の発行が認められていないため、薬局で直接、薬剤師に診察をしてもらい、漢方薬を処方してもらうと、保険が適用されません。ですので、まずは病院で診察を受け、漢方薬を処方してもらってはいかがでしょうか。


副作用や他の薬との併用の注意点



Q2 漢方薬の副作用や飲み合わせは?

漢方薬にも副作用はありますが、西洋薬と比較してその頻度は少ないといわれています。漢方薬の副作用の原因は、処方の選択ミスと、生薬の成分そのものによるものに分けられます。重大な副作用としては小柴胡湯による間質性肺炎が有名ですが、その人の証(体質や状態)に合った漢方薬であれば、副作用はほとんどありませんのでご安心ください。

西洋薬やサプリメント、健康食品との併用については、生薬(草、木、皮、種、葉など)でできている漢方薬も、サプリメントや健康食品も、同様に食事の一環ととらえられるので、併用してもほとんど問題はありません。漢方薬が食前30分から1時間前に飲むのに対し、西洋薬やサプリや健康食品は食後や食間に飲むので、服用時間に差ができますから、安心して飲むように指導しています。ただし、薬の服用後に体調の異変に気づいたら、いったん飲むのを止めて、必ず主治医や薬剤師にご相談ください。

 

Q3 粉薬以外の漢方薬もあるの?

漢方薬には、煎じ薬、顆粒(かりゅう)、丸薬、細粒、錠剤があります。煎じ薬は、1日分の生薬を約500ミリリットルの水に入れて沸騰させた後、弱火で30~50分ほど煎じる、つまり煮出します。煎じるのにも手間がかかるため、現在では煎じた液をさらに煮込んで濃縮し、低温で乾燥させた顆粒や細粒のエキス剤が主流となりました。一人一人の患者さんに合わせて生薬の種類や量を調整できる煎じ薬の方がより効果が期待できるのですが、一般のクリニックでは煎じ薬を処方できる先生が非常に少ないのが現状です。

また、漢方特有の飲みにくさを減らし、携帯しやすく、飲み忘れを減らすために、一部メーカーから錠剤が出されていますが、種類が少ないため、錠剤よりもエキス顆粒や細粒の処方が主に行われています。ちなみに、エキス剤と錠剤では効果に違いはないと言われています。

 

野原正史さん/のはら元氣クリニック 院長
野原正史さん/のはら元氣クリニック 院長
北里大学医学部卒。琉球大学病院第一外科、長崎大学病院第二外科、沖縄国立療養所沖縄病院、北部地区医師会病院などを経て、2004年10月のはら元氣クリニックを開院。日本東洋医学会会員、モットーは「西洋・漢方の枠にとらわれず、一人一人に合った全人的医療を行う」。

のはら元氣クリニック
那覇市銘苅3-21-21
電話=098-867-0012
http://www.noharagenki.com/



文・堀基子(ライター)
『週刊ほ〜むぷらざ』 家庭の医学手帳<111>
第1880号 2023年8月17日掲載

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