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2023年7月20日更新

漢方で治す② 漢方で未病を治す|身近な病気もっと知ろう 家族の医学手帳(110)

家族の健康が気がかりな「ほーむさん」が専門のドクターを訪ね、気になる病気について聞くこのコーナー。前回に続き今回も漢方での治療にスポットを当て、日本東洋医学会会員である、のはら元氣クリニックの野原正史院長に話を聞きます。

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漢方で未病を治す|身近な病気もっと知ろう 家族の医学手帳
漢方で治す②

飲み方で違う漢方薬の効果

Q1 漢方ではどんな病気の治療ができるの?

漢方では、自律神経失調症、心身症、更年期障害、胃炎、腰痛症、アレルギー性鼻炎、皮膚炎、気管支ぜんそく、五十肩など、多種多様な症状や疾患に対応することができます。がんの患者さんの場合は、がん自体は治せなくても、本人の自己治癒力を高めたり、抗がん剤の副作用を軽くしたりすることが可能です。


食前に湯で溶かして服用を
 

Q2 漢方でいう未病とは?

「病気ではないけれど、どうも体調がすっきりしない」という、健康と病気の境目の状態を未病といい、現代人に多い症状です。

当院にも、だるさ、不眠、冷え、便秘、動悸(どうき)、めまい、耳鳴り、関節痛、風邪をひきやすい、更年期など、さまざまな症状を訴えて来院される患者さんが多くいらっしゃいます。先に受診した医療機関では特に異常はなく、不定愁訴と判断され、「病気ではないので様子を見ましょう」といわれ、何もしてもらえなかったという方がほとんどです。

西洋医学では、検査など数値に明らかな異常がないので「治療の必要はない」と判断されますが、漢方では「このまま放置しておくと病気になる未病」として対応し、治療を行います。これを「未病を治す」といいますが、西洋医学的に表現すると「病気にならないようにする」、つまり予防医学にあたります。ここが漢方の大きな存在価値と言えるかもしれません。

 

Q3 漢方薬の効果的な飲み方は?

漢方薬は飲み方で効果が変わります。漢方薬は草、木、皮、種、葉、動物生薬などの生薬からできていて、食事と同じといえます。そのため食後に飲むと吸収が悪くなり、効果が半減するので、食前1時間~30分前の空腹時に飲みます。80度以上のお湯に溶かして飲むのがもっとも効果的ですが、常温の水ではなく白湯(さゆ)で飲むだけでも効果が高まります。漢方薬の中には、お湯に溶かすことでしか出ない成分が入っているものもあります。また、湯気が鼻粘膜から吸収され、より効果が期待できます。

処方した漢方薬を飲んでも効かなかったと訴える患者さんがいますが、確認すると水で飲んでいて、お湯で飲んでみたら効くようになったという例もあります。まとめると、漢方の効果をより高めるには、①温めて飲む、②空腹時に飲む、そして③よく効くと信じて飲むことが大切です(笑)。

◇       ◇       ◇
 
次回は、漢方薬の保険適用、副作用、他の薬やサプリメントとの飲み合わせなどについて聞きます。
 

野原正史さん/のはら元氣クリニック 院長
野原正史さん/のはら元氣クリニック 院長
北里大学医学部卒。琉球大学病院第一外科、長崎大学病院第二外科、沖縄国立療養所沖縄病院、北部地区医師会病院などを経て、2004年10月のはら元氣クリニックを開院。日本東洋医学会会員、モットーは「西洋・漢方の枠にとらわれず、一人一人に合った全人的医療を行う」。

のはら元氣クリニック
那覇市銘苅3-21-21
電話=098-867-0012
http://www.noharagenki.com/


文・堀基子(ライター)
『週刊ほ〜むぷらざ』 家庭の医学手帳<110>
第1876号 2023年7月20日掲載

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