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2023年5月18日更新

職場の困りごとあるある|こんな時どうする?大人の発達凸凹(でこぼこ)②

文・金武育子
(株)沖縄発達支援研究センター代表(株)おきなわedu取締役


   職場の困りごとあるある
  凸 忘れっぽい 凹  
 

長期的な記憶は比較的良好なのに、いま聞いたことや頼まれたことがすっぽり頭から抜けてしまうこと、ありませんか?
 

忘れ物・なくし物が多い

【忘れ物】出かける時に、カギや傘、携帯電話などの必需品をバッグに入れるのを忘れたり、それらの物を出先で忘れてきたりします。

【なくし物】物をどこにしまったか(置いたか)わからなくなり、結局新しい物を買わなければならなくなることもあります。


どんな時にそうなる?

なぜ、そうなるのでしょうか? 用事をしながら、あるいは、人と話しながら、手にした物をその辺りのテーブルや棚の上に何げなくポンと置いてしまい、それっきりそのことを忘れてしまうからです。

無意識に近い状況で行われた「物を置く」という動作を、用事を済ませ、その場から離れるときまで記憶に留めておくことは発達の凸凹のある人には極めて困難なのです。
 

●エピソード1

資料作りをしている途中で別の資料が必要なことに気づき、取りに行った。ところが、同僚に声をかけられ別の企画の意見を求められると、そちらに気が取られ、大いに盛り上がって、結局、肝心の資料のことをすっかり忘れて席に戻ってしまう。


●エピソード2

頼まれた資料整理をしていたら、懐かしいファイルが出てきて、資料整理はそっちのけで、何十分もファイルに見入ってしまう。
 

二つのエピソードに思い当たる方はたくさんいらっしゃると思いますが、職場で困るのは、これが何度も起こって仕事が進まない状態です。これには、ワーキングメモリー(作業記憶=作業や課題をこなすまでの間、必要な情報を一時的に記憶しておく脳の働きのこと)の不調が関与していると考えられています。


                凸 とにかくメモし確認するクセを 凹              
 

原因は「新たな刺激に惑わされる」から

何かの作業(資料整理など)をしている最中であっても、新たな刺激(ファイルが見つかるなど)があると、容易にそちらに気がそれてしまいます。そして、一度それてしまった気持ちを、再び資料整理に戻すことは困難になってしまうのです。

こうして刺激にさらされるたびに、関心や意欲の対象もコロコロと移り変わるため、作業や仕事はいつまでも終わらず、結果、周囲からは、「時間がかかり過ぎ」、といった低い評価を受けることになります。


困った時は「自覚し思い出せる工夫を」

約束や提出物の期限を忘れることを、まずは自覚し、思い出せる工夫が必要です。パソコンやスマホのリマインダー機能を活用したり、身近な人に声をかけてもらったりすることが有効です。自分の苦手な部分をオープンにし、周囲の人の理解と協力が必要であることを事前に伝えておくことは、社会で生き抜いていく上で重要な「処世術」といえます。感謝の言葉も忘れないようにしましょう。

周囲の人は、より良く仕事をしていく上でのサポーターです。気になった時は、非難せず、遠慮せず、声をかけて話し合っていくことが大切です。


文・金武育子
(株)沖縄発達支援研究センター代表
(株)おきなわedu取締役


きん・いくこ/1970年、那覇市首里生まれ。
10代の2人の息子を通して人生と向き合う中年期クライシス体感中。
臨床心理士・国際交流分析士。大学講師、office育子を経て、現職。
好きな言葉は「人は必ず発達する」「人間、この未知なるもの」。

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『週刊ほ〜むぷらざ』 こんな時どうする?大人の発達凸凹(2)    
第1867号 2023年5月18日掲載

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