ヘルスケア
2023年4月20日更新
鍼灸で治す① 未病治療は鍼灸だからこそ|身近な病気もっと知ろう 家族の医学手帳(107)
家族の健康が気がかりな「ほーむさん」が専門のドクターを訪ね、気になる病気や治療法について聞くこのコーナー。今回から2回にわたり、鍼灸(しんきゅう)にスポットを当て、はり師・きゅう師等の国家資格と養成教員資格を持つ沖縄統合医療学院の鈴木信司学校長に話を聞きます。
世界に広がる鍼灸治療!
鍼灸で治す① さまざまな症状や疾患に適応
鍼灸は、はり師ときゅう師の国家資格を持つ鍼灸師が行うことのできる、東洋医学に基づく治療法です。経絡上の経穴(ツボ)に、毛髪ほどの極細の滅菌消毒された金属製の針を刺したり、小さなもぐさを置いて燃焼させたりすることで刺激を与え、自然治癒力を高める効果があります。
中国から伝来し、飛鳥時代の701年に制定された「大宝律令」にも日本初の医療制度「医疾令」の中で針博士・針師・針生として記載されるほど、鍼灸は日本で古くから親しまれてきました。明治以降の近代化に伴い、西洋医学が主流となり、東洋医学は軽視されてきましたが、数十年前から世界中で鍼灸について科学的な研究が重ねられ、再び脚光を浴びるようになり、特に近年その効果が見直されています。
次回は、現代鍼灸と経絡治療、保険適用について聞きます。
◇ ◇ ◇
鍼灸で治す①
さまざまな症状や疾患に適応
Q1 どんな治療をするの?
鍼灸は、はり師ときゅう師の国家資格を持つ鍼灸師が行うことのできる、東洋医学に基づく治療法です。経絡上の経穴(ツボ)に、毛髪ほどの極細の滅菌消毒された金属製の針を刺したり、小さなもぐさを置いて燃焼させたりすることで刺激を与え、自然治癒力を高める効果があります。中国から伝来し、飛鳥時代の701年に制定された「大宝律令」にも日本初の医療制度「医疾令」の中で針博士・針師・針生として記載されるほど、鍼灸は日本で古くから親しまれてきました。明治以降の近代化に伴い、西洋医学が主流となり、東洋医学は軽視されてきましたが、数十年前から世界中で鍼灸について科学的な研究が重ねられ、再び脚光を浴びるようになり、特に近年その効果が見直されています。
Q2 どんな症状に向いているの?
よく知られているのは、肩こり、腰痛、神経痛、関節痛などですが、ケガや疾患の治療をはじめ、疲れやすい、だるい、なんとなく不調が続くといった未病を治す効果でも注目を集めています。さらにはリラクセーション効果も医学的に認められています。詳しくは鍼灸治療の適応症の表をご参照ください。Q3 なぜ治療効果があるの?
鍼灸の刺激によって、血行が促進され、痛みや疲労の原因となる物質を老廃物として排出させ、新陳代謝を高めて症状が改善されるほか、内臓の働きを調節する自律神経を調えたり、免疫力を高めたりする作用があるからです。鍼灸治療を続けているうちに、全身の体調が良くなり、健康維持のために通い続ける方も少なくありません。次回は、現代鍼灸と経絡治療、保険適用について聞きます。
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鈴木信司さん/沖縄統合医療学院 学校長
すずき・しんじ/琉球大学大学院医学研究科博士課程修了、早稲田大学大学院スポーツ科学研究科修了。医学博士。県内初の鍼灸学科を開講した沖縄統合医療学院学校長。はり師・きゅう師等の国家資格と養成教員資格を持つ。全日本鍼灸学会、日本伝統鍼灸学会等に所属。
沖縄統合医療学院
浦添市伊祖4丁目1-19
電話=098-875-8377
文・堀基子(ライター)
『週刊ほ〜むぷらざ』 家庭の医学手帳<107>
第1863号 2023年4月20日掲載