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2022年4月28日更新
[沖縄・美容形成外科]「顔面神経麻痺の治療」|教えて!ドクター当山〈247〉
「眉毛が下がり、物が見えづらい」「口が閉じず飲み物がこぼれる」などさまざまな不具合が出る顔面神経麻痺。
顔面神経麻痺発症から1年経過したら
手術や注入療法で不具合を改善
「眉毛が下がり、物が見えづらい」「口が閉じず飲み物がこぼれる」などさまざまな不具合が出る顔面神経麻痺。「発症直後は脳神経外科や耳鼻科で治療を行うのが一般的ですが、中には麻痺が残ってしまうことも。実はこの、発症から時間がたったケースの治療を得意としているのが形成外科です」と当山美容形成外科の当山拓也院長。顔面神経麻痺の原因や治療法について聞いた。
当山美容形成外科の「顔面神経麻痺の治療」
原因はケガ・手術・不明
早期に神経つなぐ必要も
―顔面神経麻痺の原因は?
当山
顔面神経麻痺とは、顔面神経が何らかの原因で傷つくことで顔の筋肉がうまく動かせなくなる病気のこと。ほとんどはウイルス性ですが、なぜ発症するのか原因は不明と言われています。それ以外には、生まれつき麻痺がある場合や、手術やケガで顔面神経を傷つけてしまうケースがあります。
―どんな治療法がありますか?
当山
発症直後なら、脳神経外科や耳鼻科などで治療を行うことが多く、ケガや手術によって顔面神経が切断された場合は、できる限り早期に神経をつなぎ、神経ネットワークの再構築を目指す必要があります。
とはいえ、中には麻痺が残ってしまうことも。麻痺が残ると、まぶたが閉じられなくなる、眉毛が下がって目が開けにくくなる、笑顔が作れない=イラスト=などさまざまな症状が出ます。
麻痺が残った陳旧性の治療
実は形成外科の得意分野
ー麻痺が残ってしまったら、どんな対処法がありますか?
当山
損傷した顔面神経の機能が回復せず、1年以上経過してしまった「陳旧性」の状態を改善するには、外科的治療を行う必要があります。このことはまだまだ知られておらず、「病院に行っても後遺症だから治せないと言われた」と、諦めてしまっている患者さんも少なくありません。実はこの、発症から時間がたった「陳旧性」の治療を得意としているのが、私たち形成外科医なのです。
顔には20以上の筋肉が存在し、損傷を受けた顔面神経によって、前述のようにさまざまな不具合が生じます。形成外科医はこの顔面の筋肉を熟知しているため、どの筋肉が原因で、どこにどんな麻痺が起こっているのかを見極め、適切な治療ができるというわけです。
ー貴院では、どんな治療が受けられますか?
当山
当院では、見た目を改善したり、眉が下がって視野が狭くなっている状態を改善する手術を行うほか、顔面神経麻痺によって引き起こされる顔面けいれんに対して有効なボツリヌストキシン製剤の投与も行っています。
私が在籍していた東京大学形成外科は、顔面神経麻痺の治療が世界的にも有名で、全国から治療を希望する患者さんが受診。多くの症例に対する治療経験があります。
現在、当院にも顔面神経麻痺の治療を希望する患者さんが多く来院中。顔面神経麻痺でお困りの方は、ぜひ一度、ご相談ください。
※「次回は意外と多いデリケートゾーンのお悩み」です。
当山 拓也 氏
当山美容形成外科 院長
東京医科大学卒業後、東京大学医学部形成外科学教室入局。東京警察病院、杏林大学形成外科等で研さんを積む。リッツ美容外科・東京院、東京西徳洲会病院形成外科・美容外科医長、アヴェニュー表参道クリニック副院長をへて、2017年4月に医療法人形成会当山美容形成外科副院長に。2018年、同院院長に就任。
<この記事に関する問い合わせ先>
医療法人形成会 当山美容形成外科
098-867-2093
http://www.touyama.com
Eメール info@touyama.com
<過去記事一覧>
『週刊ほ〜むぷらざ』 教えて!ドクター当山<247>
第1812号 2022年4月28日掲載