体調を崩しやすい、季節の変わり目。
東洋医学では、季節によって養生（生活に注意して健康の増進を図ること。病気の回復につとめること）の方法が違います。
今回は、季節で変わるカラダケアのお話～夏編～です。


夏は一年の中でも一番エネルギーが旺盛な時期。
天と地のエネルギー交流も盛んに行われているため、地から天に上がる熱によって積乱雲が発生し、夕立や雷となって天のエネルギーが大地に戻るのも夏の風物詩ですね。





東洋医学では、夏は「心」と関係があり、「喜」という感情を持っていると考えます。
うれしくなると心臓がドキドキ、ときめきます。すてきな異性を見たり、ちょっとしたうれしいことでも「やったー♪」と心が躍りますね。





ただ、心は繊細で…
喜びすぎるとかえって心臓と「心」に関係がある脳神経に負担がかかります。


例えば、デートの前はドキドキしすぎて眠れない。デートの最中もうれしい気持ちでいっぱいなのに、デートが終わるとどっと疲れが出てもぬけの殻のように気力がなくなるって経験ありませんか？
また、「心」のエネルギーを使いすぎると焦燥感といって「焦り」が出やすくなります。
「デート中になぜか気持ちが焦ってしまい、そそっかしくなり失敗した」なんて経験したことがある人も多いはず。これも「心」が作用しているんです。


そんな「心」のケアで大事なこと、それは『笑い』!!





『笑い』は「喜び」とは違い、バランスが整った真ん中の感情で、人はおかしいとおなかをかかえて笑います。
そうすると横隔膜が振動し、おなかにある血液が全身に行き渡り、緊張も緩めます。
また、おなかの筋肉がよく動くので、リンパの流れが良くなり、更には免疫細胞の70％が存在する腸の動きが活発になり免疫システムが活性化されます。

まさに、笑うだけで一石四鳥。


最近、おなかをかかえて笑ったことはありますか？ 近頃は、cafeやご飯を食べていても、目の前にいる相手と会話するのではなく、スマホと会話している人も多く見かけます。
スマホを見るのはいいのですが、スマホを見るときの顔はうつむき加減で、二重あごになり口角も下がっています。
20代より30代、30代より40代と年々笑う回数が少なくなっている私たち。
もちろん、おなかをかかえて笑うだけでなく、口角を少し上げるだけの作り笑いでも、免疫力は2倍上がります。


実は、1日100回の笑いは、15分間のエアロバイクと同等の運動量に匹敵します。
1日15分笑うと40kcal消費するって知ってましたか？ ってことは、笑うだけでカロリー消費するので、ダイエット効果もあるのでは？


一番身近な存在で誰でも笑顔にしてくれる存在。それは、赤ちゃんや子供です。
子供の笑顔は1日約400回、成人女性の30倍も笑っています。どんな人でも赤ちゃんを見ると自然と笑顔になれるのは、赤ちゃんの笑顔の回数が多いので笑いの連鎖が起きている証拠ですね。





楽しくないのに笑えない。
どうしても、緊張がほぐれないという方は、ぜひ簡単に取れる心をケアするツボを試して下さい。


神門（しんもん）
手首のシワの小指側。骨で止まる凹んでいるところ。





精神的な緊張をほぐし、イライラした気分を鎮めてくれます。
精神面をコントロールしてくれるツボ。
ぜひ、指で押したり、ホットタオルで温めてみたり、お灸（きゅう）をしたり、刺激をしてみて下さい。
強さは心地いい強さで大丈夫です。
お灸も熱いのは我慢しなくて大丈夫です。
大事なのは、カラダが「気持ちいい」「なんか緩んだ気がする」というカラダが感じる『体感』が大事なので。

夏に向けてのカラダのケア。
「トキメキ」と「笑顔」で、簡単なツボ押しで、楽しく「心」のケアしてみませんか。

次回は、「冷えは万病の元」について紹介します。お楽しみに。






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