腸から体・思考・人生も整う

（同）七彩・代表
親里 奈奈 さん

腸もみで健康サポート サプリメント開発販売

１２年前、腸セラピーサロン「エンジェルタイム」を開業した親里奈奈さん（５２）。延べ３１４０人に施術をし、長年の悩みから解放され笑顔を取り戻していく人の姿をたくさん見てきた。

「腸の状態を整えることが健康の秘訣（ひけつ）。腸が整うと、体も心も思考も整い、人生も整う」

言葉に、信念と自信がみなぎる。

親里さんは、おなかを中心にしたマッサージのほか、自分でできる腸もみ体操の指導、カウンセリング、国際中医薬膳師としての知識を生かした漢方体質診断、体質別食養生指導なども行う。「腸にいいことは全部やる」のがモットー。腸内環境を整え健康をサポートする、その技術と情報を提供するため、進化への努力を惜しまず研さんを重ねている。

今年６月には、ビフィズス菌など七つの有用腸活菌を配合し、中医学の思想も取り入れたオリジナルのサプリメント「ビフィズス・セブン」を開発。販売をスタートさせた。「沖縄の伝統野菜であるクヮンソウなども取り入れ、６年かけて研究、臨床を重ねた自信作。新型コロナで多くの人が心も体も疲弊し、体調不良を起こしやすくなっている。良質な善玉菌を摂取して腸内環境を整えることが大切。私のこれまでの経験やデータをギュッと詰め込みました」と胸を張る。

「感情はおなかに宿る」と親里さん。実際、「腹が立つ」「腹いせ」「腹の虫が治らない」など日本語にはおなかにまつわる感情表現が多い。また、緊張するとおなかの調子が悪くなるというのもよくある話だ。「腸をケアすることは自分に愛を注ぐこと。自愛から本当の優しさは生まれ、周りの人にも与えることができる。その連鎖は人々から争いをなくし、平和にすると本気で思っているの。だから、腸もみ体操とサプリメントを世界中に普及させたい」

まっすぐな目で夢を語る。

幼少期からアレルギー体質で肌トラブルや体調不良を抱えていた。職場でのパワハラやセクハラ、元夫による家庭内ＤＶ、離婚後の親権をめぐる裁判争い、元夫の存在におびえる暮らし、シングルマザーで３人を育てる経済的困難など、１５年前の親里さんは「恐怖、苦しみ、怒り、恨みと負の感情に包まれ、心身はボロボロだった」。なんとかしたいと漢方、薬学、自然免疫学、アロマ、リンパマッサージなどの代替医療を経て、腸セラピーに出合った。

「腸もみで体の不調だけでなく、私を包んでいた負の感情が気にならなくなっていたんです。人生を見直し前向きになれた。自分自身の変化に驚き、腸セラピーを本格的に学びたいと強く思いました」。友人らの協力を得ながら東京に通い、２００８年、腸セラピーをスタートした。

その後、両親へ報告。厳格な父親が「よく頑張ったね」と言ってくれた。「初めて認められた」うれしさは、今も親里さんの胸をいっぱいにする。

現在のサロンには、利用者から届いた手書きの「感謝状」が飾られている。アトピーで顔全体が赤くただれていた少女は３カ月後、美しく輝くばかりの笑顔で、しっかりと相手の目を見て話せるようになった。

「腸セラピーに、親里さんに巡り合えて感謝です」

以前まで掲示していた、たくさんの資格証明証は片付けた。「大切なのは人。この感謝状があればいい。私の最高のプロフィル」。

感謝状にはきれいな花で囲まれたおなかが描かれている。これまでたくさんの人のおなかに幸せの種をまいてきた親里さん。咲いた花はまた周りの人を幸せな気持ちにしている。

 

自分でできる！簡単♪　
親里さん指導の「七彩腸もみ体操」

まずは、自分の腸の位置をイメージしよう！

■腸ゆるゆる体操

１・あおむけで横になり、脚を腰幅に開いて両膝を立てる。足のかかとの位置は、お尻から握りこぶし一つ分離れたところに置く。



２・息を吸いながら、両腕で床を押すようにして、お尻を持ち上げる。

３・骨盤の内側に組んだ手を置き、息を吸う。その後、息を吐きながら、組んだままの手をあばらまで、ゆっくりゆったり揺らしながら、上げていく。下がった腸の位置を優しく引き上げるイメージ（５回）。



注意！
・ご飯を食べた後にやらない。
・腰痛がある人は、背中の下に丸めたバスタオルなどを置いてもいい。


■座ってできる チョコペコ腸もみ体操

下がった腸の位置を正しい位置へ上げる体操。腸の動きが良くなります。

１・座った状態で、恥骨の上に両手の指３本を重ねる。


２・鼻から息を吸って、口から吐きながら体を倒し、指を第一関節分くらい、おなかの奥に「チョコッ」と押し入れ、体を倒しきったときに、指先で「ペコッ」と２㌢くらい引き上げる。


３・恥骨の左右両側を押して、同じように行う。

■七彩



プロフィル
おやさと・なな
2008年、腸内環境を整え健康をサポートするインテスタージュ腸セラピストなどの資格を東京で取得。０８年、腸セラピーサロン「エンジェルタイム」を開業。以来、中医学や薬膳なども取り入れた独自の腸ケア法を確立する。18年、法人化し、(同)七彩を設立。20年6月、オリジナルサプリ「ビフィズス・セブン」を開発販売。FMうるまのラジオ番組「いちゃりば腸DAY」（毎週水曜15時半）でパーソナリティーも務める。

［今までの彩職賢美 一覧］

撮影／比嘉秀明　文／赤嶺初美（ライター）
『週刊ほ〜むぷらざ』彩職賢美＜1365＞
第1723号　2020年8月13日掲載