彩職賢美
2017年4月20日更新
[彩職賢美]助産院プルメリア 助産師 喜久山仁美さん|妊活から産後までをサポート
「妊婦さんの腰痛や赤ちゃんが泣くのは、当たり前じゃない。骨盤ケア、ベビーケアで、より快適に妊娠、出産、子育てはできる!」。助産師の喜久山仁美さん(41)は、赤ちゃんから、妊娠中、産後、妊活中の女性まで、これまでに個人で4,000人以上の体をケアし、悩みの相談を受けてきた。2017年4月25日で、開業10周年を迎える。
骨盤ケアで女性を笑顔に
助産院プルメリア 助産師
喜久山仁美 さん
大学を卒業後、病院で助産師として分娩(ぶんべん)介助をしてきた喜久山さん。新しい命の誕生にやりがいを感じると同時に、妊娠中の体の不調や産後うつなど、出産前後に母親が悩みを相談できる場所の少なさに歯がゆさを感じていた。2004年、自身が第一子を妊娠し、体のしんどさに直面。そんな時に骨盤ケアに出合い、目からうろこ。仕事への感覚が180度変わった。「実際に試してみたら自分も楽になった。コレだ!」と確信し県外に通い、勉強。「子どもたちが成長したときに、家で『お帰り』と迎えたい」という思いもあり、2007年、当時住んでいた宮古島に自宅兼助産院を開業した。迷いもあったが、看護師の夫の後押しが決め手となった。
ケアの基本は、「自分で体を整えられるようにする」こと。音楽が流れアロマの香りが漂う中、体の状態を確認しながら骨盤ケアをする。「1時間の個人ケアなので相手に寄り添い、ゆっくり話が聞ける」。施術を行い、その人に必要なケアプランを立てて、自宅でできる体操法を指導。日常の座り方や寝方もアドバイスする。
ベビーケアでは、「よく寝てくれている?」「反り返りはある?」など赤ちゃんの様子を確認しつつ、遊びながら赤ちゃんの体を整える。ケアを受けると生後2カ月の赤ちゃんも、ごきげんになり笑い出す。利用者からは「赤ちゃんの便秘に困って通うようになった。便秘が良くなり、他にも夜泣きが激しかったけれど、よく眠るようになって母乳の出も良くなった」と喜びの声。赤ちゃんが心地良い「まんまる抱っこ」やマッサージの仕方も教える。「赤ちゃんを胎内姿勢に近づけると、体が楽になり気持ちも落ち着く。『こんなことで?』と言われることも多いんですよ」。そのほか、集団教室を開催したり、授乳クッションをプロデュースするなど、多くの女性をサポートしている。
2013年、転居に伴い中城村に自宅を構えて助産院を移転し、念願の酵素風呂も併設した。次女のアトピー改善のため、さまざまなことを試す中で、次女が酵素風呂に入ると背中がかゆいと言わなくなったことから着目。以前から骨盤ケアで症状が改善しづらい人に「冷え」を感じていたこともあり、骨盤ケアとの相乗効果を期待し、取り入れた。
宮古島への移住、自宅兼助産院や酵素風呂のオープンと、次々に目標を叶えてきた喜久山さん。意思の強さとフットワークの軽さが持ち味だ。「直感でいけると思ったら、目標に向かって一段階ずつクリアしていく。今のスタイルは私に合っていて、仕事はノーストレス!」と言い切る。
今、力を入れているのが、仕事の仲間づくりだ。「県内で骨盤ケアを行う助産院は当院だけで、予約がいっぱいだと初診を受け入れられず心苦しい」。そこで、受け皿を増やそうと、3年前から県外の骨盤ケア、ベビーケアの講師を招き、医療関係者向けにセミナーを開催。セミナーで学んだ助産師5人が開業予定で、輪が広がりつつある。
「農業や歩行で体の基礎ができていた時代と違って、今後、不妊や妊娠中のトラブルを抱える女性はますます増える。3人の娘たちが出産するまで、助産師を現役で続けることが目標」。長い目で、すこやかな女性の未来を思い描く。
大好きな宮古島の海
「宮古島のきれいな海と島の人たちの温かい人柄が大好き!」という喜久山さん。大学の卒業旅行で訪れた宮古島の海に魅了されて移住を決意。25歳で移住し、島にいる間はダイビングやシュノーケル、ジェットスキーなどマリンスポーツを楽しんだ。現在も仕事を兼ねて、年に何度かは宮古島を訪れ、癒やされているという。
※写真は、喜久山さん提供
特許取得「授乳クッション」
赤ちゃんの姿勢と発達・母乳育児の観点から喜久山さんがプロデュースした「SANGOくっしょん」が、昨年8月から販売されている。クッションの形状にこだわり開発し、特許を取得。利用者から「授乳がしやすい」「肩がこらない」などの声が届く。(製造元:沖縄子育て良品)
※写真は、喜久山さん提供
助産院に併設「酵素風呂」
助産院に併設している「酵素風呂プルメリア本店」は、女性専用。「低体温と酵素不足が体の不調につながる」と喜久山さん。酵素風呂はヒノキパウダーに酵素原液を加え、自然発酵させた自然熱(約60度)で温まったおが粉のお風呂。20分埋もれることで、温熱や酵素、森林浴の効果が期待できる。
※写真:喜久山さん提供
喜久山さんのハッピーの種
Q.ハマッていることは?
体に良い働きをする菌を積極的に取り入れる、「菌活」です。酵素風呂もその一つなのですが、酵素ジュースや酵素玄米などを手作りしています。酵素玄米は、玄米と小豆、塩を炊いて3日以上保温し続けたもの。健康に興味を持ち始めたのは、子どもができてから。特に次女がアトピーだったので、より意識が高くなりました。子どもたちに育てられています。
PROFILE
喜久山仁美(きくやま・ひとみ)
1975年岡山県出身。1998年岡山大学医療技術短期大学助産学科卒業。2000年に宮古島に移住。2007年「Aroma助産院」を開業。2013年、転居に伴い本島に「助産院プルメリア」を開業。同年12月「酵素風呂プルメリア本店」オープン。3人の娘がいる。
助産院プルメリア
070-5272-8811
酵素風呂プルメリア本店
090-2514-1107
http://kousoburo-plumeria.com/
[今までの彩職賢美 一覧]
撮影/比嘉秀明・編集/栄野川里奈子
『週刊ほーむぷらざ』彩職賢美<1251>
第1553号 2017年4月20日掲載