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2016年12月8日更新
和食の正しいいただき方|箸使いの基本を再確認
文・伊禮典子(プロトコール・マナー上級講師)
日本人の伝統的な食文化の「和食」。ユネスコ無形文化遺産にも登録され、世界的にも注目。そんな和食をいただく際、意外に知られていないのが箸使い。正しい箸使いを身に付け、和食を正しくいただきたい。
日本文化の理解が大切
日本人は古来、自然を尊び、感謝する心を培ってきました。その精神文化が「食事の作法」として整えられたともいわれています。2013年「日本人の伝統的な食文化」としてユネスコ無形文化遺産に和食が登録されました。
さて、世界共通マナーであるプロトコール5原則の一つに「地域慣習・異文化の尊重」があります。国際交流において互いの地域の慣習や文化を尊重すること。そのためには、自分の国の文化を正しく理解し身に付けておくことが大切です。
日本の文化である和食をいただくには、正しい箸使いが求められます。世界の食事の食べ方を見るとお箸を使う国は3割、使用方法はその国々によって違いがあり、中でも日本は「純粋な箸食の国」のようです。それは汁物以外は、挟めないものはないからです。
中国はレンゲ・韓国はさじなどを箸と併用して使いますが、日本は箸のみでいただきます。私たちのほとんどが一日一回は、お箸を使って食事をしますが、意外と知られていないのが、お箸の正しい使い方です。
日本人だからこそ身につけておきたい箸使いの基本を再確認し、世界に誇れる日本の文化を正しく広めて参りましょう。それがマナー美人の秘訣ではないでしょうか。
お箸を持つ前の3つの約束
1.目の前に並んだ料理(他の命)に感謝すること。
2.料理が並ぶまでに関わった、たくさんの人たちに感謝すること。
3.「この命をいただいて、どのような社会貢献ができるか」を考え、決めること。
※「いただきます」は他の命をいただいて、自分を生かしていただきますという感謝の言葉。この精神文化は「食事の作法」としても整えられ、お箸を持つ前の3つの約束が作られた。
箸の持ち方
①箸先をそろえて、右手で箸の中央を静かに取り上げる。
②左手で下から支え右手を返し右側を持つ。指先はそろえる。
③箸先から3分の2の所を持ち、上の一本を親指、人さし指、中指で持ち、もう一本を薬指に乗せる。
箸使いのタブー
知らず知らずのうちに行儀の悪い箸使いになっていないだろうか? 日本人として最低限の箸使いのタブーを覚えましょう!
1.料理に箸を突き刺してしまう「刺し箸」
2.「どれを食べようか」と箸をあちこちへと動かす「迷い箸」
3.箸先をなめる「ねぶり箸」
4.器の上に箸を置く「渡し箸」
5.器を箸で引き寄せる「寄せ箸」
6.人や物を箸で指し示す「指し箸」など
参考/(一社)日本プロトコール&マナーズ協会 国際マナーとおもてなし
<マナー美人に!>
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・対面時の所作 意識を!
・和食の正しいいただき方
・国際社会でのテーブルマナー
執筆者
いれい・のりこ/一般社団法人日本プロトコール&マナーズ協会認定 プロトコール・マナー上級講師。家庭教育アカデミー沖縄主宰。「あなたが輝く魔法のマナーレッスン」をコスタビスタ沖縄で開講中。「家庭教育アカデミー沖縄」
http://korino.info
『週刊ほーむぷらざ』うとぅいむちの心で マナー美人に!
第1534号 2016年12月8日掲載