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2025年6月12日更新

口の体操で機能維持|人生100年‼︎ココカラ健康長寿③

うまくかめない、飲み込めない、滑舌が悪いと感じることはありませんか? 口の機能が衰え始めているサインかもしれません。6月は「歯と口の健康週間」。専門家に歯の病気や口の機能の衰えを予防するポイントなどを教えてもらいました。



歯周病などで歯が少なくなるのをはじめ、加齢などによって、食べたり話したりするための口の機能が衰えると、要介護や死亡のリスクが高まるという。新城歯科医院の院長、新城綾乃医師は「口の機能を維持するためには、よくかんで口周りの筋力や唾液量を維持することが大事。そのためにも歯磨きと歯科での定期検診で歯を守りましょう」と呼び掛ける。
 

家で口腔ケア 歯科で検診を


教えてくれたのは

新城歯科医院
院長 新城 綾乃 さん


岡山大学歯学部卒。神奈川県の歯科医院で分院長を歴任。2019年に新城歯科医院を開院。日本歯周病学会認定医。歯科医師臨床研修指導歯科医

 

 歯 を失う主な原因は歯周病やむし歯です。歯周病は、歯垢の中の歯周病菌によって歯肉や歯を支える骨などに炎症が起こる病気。進行すると歯を支える骨が溶けて、歯が抜けてしまいます。そのリスクを高めるのは、歯の汚れだけではなく、肥満や糖尿病などの生活習慣病、喫煙、ストレスなどさまざまな要因があります。また、かみ合わせが悪くなると、一部の歯に過度な力がかかり、歯周病を悪化させる可能性があります。

むし歯は、飲食によって歯の表面についた糖分を口内のむし歯菌が餌にして作り出した酸で歯が溶けてしまう病気。やがて歯に穴が空いてもろくなります。

歯周病などで歯が少なくなったり、加齢などによって口の周りの筋肉が衰えたり唾液量が減ったりすることで、食べたり、話したりするための口の機能は徐々に低下していきます。うまくかめない、飲み込めない、滑舌が悪いなど口の機能の軽微な衰えはオーラルフレイルと呼ばれ、全身のフレイル(加齢により心身の機能が低下し、健康を害しやすくなる状態)や要介護のリスクが高まります。

 



 口 内にとどまらず歯周病は、動脈硬化を進行させて、心疾患や脳梗塞、呼吸器疾患、早産・低体重児出産、骨粗しょう症など体に悪影響を及ぼす可能性があります。

糖尿病とは相互に悪影響を与える関係にあり、糖尿病によって免疫力が低下すると歯周病になりやすく、歯周病が悪化すると炎症によって出る物質がインスリンの働きを妨げて、糖尿病も悪化しやすくなります。

オーラルフレイルになると、ちゃんと食事ができず栄養が不足して体が弱り、筋肉が衰えていきます。筋力低下によって日常的な動作が苦手になったり、歩いたり階段を上ったりするのがつらくなると、さらに活動量が減って体が弱っていくという負のスパイラルに陥る恐れがあります。

オーラルフレイルの高齢者は、フレイルや要介護、死亡のリスクが高まるというデータもあります。しかし、口の機能が落ちたとしても適切な治療やトレーニングで改善させることは可能です。



 オ ーラルフレイルの予防には、歯の本数はもちろん、舌や口の周りの筋肉を鍛えて、かむ力や飲み込む力を維持することが大事です。それには、まずよくかんで食事をすること。やわらかいものだけでなく、ある程度歯応えのあるものも食べることを意識しましょう。家族や友人との会話で口を動かすのもいいでしょう。

唾液は加齢とともに分泌量が減っていきますが、唾液量の低下は飲み込む力を弱まらせ、歯周病やむし歯のリスクにもなります。よくかんで食べると唾液が分泌しやすくなり、消化にも良いです。また、ガムをかむと唾液が分泌しやすくなります。

日々のトレーニングとして、舌や口元の筋肉を鍛える「あいうべ体操」唾液の分泌を促すマッサージを紹介しているので、試してみてください。




 
近年、歯科では歯を守るだけでなく口の機能の維持も重視されるようになってきました。50歳から口腔機能の検査を保険でできるようになり、その検査ができる歯科も増えてきました。検査では、かむ力や飲み込む力、舌や唇の筋力、唾液量などをチェックし、その結果に基づいて機能回復のために必要なケアや訓練を行います。3項目以上引っかかると口腔機能低下症と診断されて機能回復のためのトレーニングが保険でできるようになります。
 

 む し歯や歯周病の予防には歯垢の除去が大切です。歯ブラシによるブラッシングに加え、歯間ブラシなどの補助器具を使うと効果的ですが、歯並びは人によって違うので、歯垢がたまりやすい場所や上手に磨くポイントも変わってきます。そのため、一度歯科で検診を受けて、効率の良い歯磨きの仕方をレクチャーしてもらうことをおすすめします。

自宅での日々のセルフケアと、歯茎の中などの歯石・歯垢の除去といった歯科での定期的なケアを平行して行いましょう。個人差はありますが、最低でも3カ月ごとに検診を受けるとよいでしょう。

規則正しく朝昼晩3食とるなど食生活習慣の改善も予防につながります。特にむし歯予防は食べる時間にメリハリを付けることが肝要です。食事をとると口の中が酸性に近づき歯が溶けやすくなりますが、唾液の働きによって3、4時間で中和されて元の状態に戻ります。また、唾液には歯の再石灰化を促す働きもあります。しかし、食事と食事の間に水代わりに甘いものを飲んだり、あめ玉をなめたり、おかしを頻繁につまんだりすると、口内は酸性の状態が続いてむし歯のリスクが高まります。また、糖質の取り過ぎは糖尿病にもつながります。

 

↓画像をクリックして「新城歯科医院」のホームページへ 

取材/池原拓
毎週木曜日発行「週刊ほ〜むぷらざ」人生100年!!ココカラ健康長寿③
第1974号 2025年06月12日紙面から掲載

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