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2024年11月21日更新
糖尿病は太っている人の病気?|健康チャレンジ!(56)
医師の安谷屋徳章さんが、痩せているのに糖尿病の人がいるのはなぜかについて解説します。
文・安谷屋徳章
糖尿病は太っている人の病気?
糖尿病は太っている人の病気という印象をお持ちの人も多いのでは? 確かに糖尿病の人には太っている人が多いです。でも痩せている人もいます。これはどうしてでしょうか?まず、糖尿病の大きな原因の一つに「内臓脂肪の蓄積」があります。脂肪には皮下脂肪と内臓脂肪があります。皮下脂肪はつまむことができるので多いか少ないかを判断しやすいのですが、内臓脂肪は体の奥にあって判断しにくいです。つまり、痩せていても内臓脂肪が多く蓄積していれば糖尿病になりうるわけです。太っている人はたいてい皮下脂肪と内臓脂肪の両方が多いので糖尿病になりやすいと判断できますが、痩せている人は内臓脂肪が多いかどうか分からないので糖尿病になるかどうか判断しにくいのです。
ただ、痩せていて内臓脂肪が多い人には特徴があります。その特徴とは「筋肉量が少ないこと」です。痩せていて筋肉量が少ない人は内臓脂肪が多い傾向にあり、痩せていても筋肉量が多い人は内臓脂肪が少ない傾向にあるので、痩せていても筋肉量が少ない人に糖尿病の人がいるのです。
このことから糖尿病予防には筋肉量を増やす運動が効果的だと理解できます。運動は大きく分けると有酸素運動と無酸素運動があり、筋肉を増やすための筋トレは無酸素運動に分類されます。ウオーキングやジョギングなどの有酸素運動は脂肪燃焼や血糖値改善に有効ですが、無酸素運動である筋トレにも重要な効果があるのです。
女性の中にはあまり筋肉をつけたくない人もいるかもしれませんが、筋肉量が少ないと糖尿病になるリスクが高まったり体力が低下して疲れやすくなったりしますので、筋肉が少な過ぎるのも考えものです。筋肉をつけることは、体力をつけること、スタイルや姿勢を良くすることにもつながりますので、筋トレをトレーニングメニューの中に加えてみてはいかがでしょうか。
あだにや・のりあき。糖尿病や生活習慣病の改善を専門とするゆいゆい内科クリニック院長。自身も糖質コントロールで20キロ痩せた。著書に「沖縄の医師が教える糖質コントロール健康法」など
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第1946号 2024年11月21日紙面から掲載