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2024年10月31日更新

11月3日は「いいお産の日」|帝王切開を知ってほしい

助産師で、帝王切開で3人の子を出産した赤嶺秋さん。「経膣分娩でなくて、つらかった」2度のお産を経て、3度目は納得できるお産となった。「知ることが、納得できるお産につながる」と、帝王切開の情報を伝えている。

 11月3日は「いいお産の日」

帝王切開を知ってほしい

実は傷ついているお母さんも

助産師で、帝王切開で3人の子を出産した赤嶺秋さん。「経膣分娩でなくて、つらかった」2度のお産を経て、3度目は納得できるお産となった。「知ることが、納得できるお産につながる」と、帝王切開の情報を伝えている。11月3日は、いいお産の日。
 

「帝王切開は近年増え、5人に1人と言われます。お産中に緊急帝王切開になることもあり、だれにでもありえます」。
出張型秋ちゃん助産院の赤嶺秋さん。帝王切開の講習を助産師や医療従事者へも開催
メール aki.akaimine.mw@gmail.com



赤嶺さんの第一子は、緊急帝王切開でのお産だった。赤ちゃんの心音低下、回旋異常※などのためだ。「第一希望のお産じゃない、という挫折感と後悔があった」

2人目は経腟分娩で産みたいと望んだ赤嶺さん。帝王切開後、経膣分娩で産むには自然な陣痛でないといけないが、予定日を一週間超えても陣痛が無く、帝王切開が決まった。前日に入院。陣痛が来てほしくて階段を上り下りしたが、陣痛は来なかった。2度帝王切開をすると、その後も帝王切開になる。「一生経膣分娩はできないんだ」と泣いた。「つらい経験だった。助産師として、母子の安全が第一だと頭では分かっていたけれど、気持ちがついていかなかった」。「何で帝王切開になってしまったんだろうね」という周囲の何気ない言葉にも傷ついた。

「子どもはかわいいけれど、もうお産は嫌だ」と思っていた赤嶺さん。その後、転機が訪れる。引っ越しを機に、ここなら安心して育児ができそうだ、と心境が変化。3人目を授かり、予定帝王切開が決まった。

妊娠中、帝王切開のお産の振り返り会に参加。過去のお産で嫌だったこと、怖かったことを初めて人に打ち明けることができ、たくさん泣いた。「ネガティブなことを言葉にしてもいいんだ」と楽になった。気持ちを整理でき、不安なことは医師に確認。主体的に、お産に臨むことができた。


情報が不足している
病院などでの安産学級の情報は経膣分娩がほとんどで、帝王切開の情報は得にくい。赤嶺さんは帝王切開の安産学級を開き、産前・産後の流れを伝えている。出産時は、手術室に入った後、安全のために手を固定される。下半身麻酔は体を丸めて、腰に注射を打つ。手術自体は10分ほど、手術室に入って1時間ほどで終わる。傷は12センチほどで、おなかを縦か横に切る。術後3日ほどはおなかを動かすたびに痛む—などだ。

事前にイメージを知ることで、「赤ちゃんが生まれたら、固定された手を外して抱っこさせてほしい」、「不安なので、手をつかんでほしい」といった希望を、医療者に伝えることもできる。

自身の経験から、情報提供のほか、精神的なケアの必要性も感じている。経膣分娩でなかったことに、モヤモヤを抱えている女性は少なくないという。周囲の「麻酔が効くからラクで良かったね」「帝王切開で残念だったね」といった言葉に傷つく女性も。

「他の手術をした人に、麻酔して良かったね、と言う人はいないはず。どんなお産も命がけでかけがえのないもの。本人だけでなく、周囲の人にも帝王切開のことを知ってほしい」と話した。


 帝王切開になるケース 
 予定帝王切開            

あらかじめ手術日を決めて実施する
・以前に帝王切開で出産したことがある
・赤ちゃんの頭が大きい ・赤ちゃんが大きい
・双子以上の妊娠 ・逆子…頭が上を向いている
・前置胎盤…胎盤が子宮口をふさいでいて、赤ちゃんが出られない。出血が多くなる
・子宮の手術をした。産道をふさぐような子宮筋腫がある
・お母さんに病気がある、など


 緊急帝王切開            
分娩前、分娩中に必要が認められた時に行う
※回旋異常…出産時、赤ちゃんは頭を回しながら下りてくるが、回旋がうまくいかない
・赤ちゃんの心拍数が減少
・常位胎盤早期剥離…通常は出産後はがれてくる胎盤が、妊娠中・または分娩中に、子宮からはがれてくる
・臍帯(さいたい)脱出…赤ちゃんより先にへその緒が出てくる
・微弱陣痛などでお産がスムーズに進まない、など


取材/栄野川里奈子
『週刊ほ〜むぷらざ』11月3日は「いいお産の日」
第1943号 2024年10月31日掲載

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