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2024年10月3日更新

10月は乳がん月間|比較的治りやすいがん

乳がんの特徴や、がん治療を受ける際の注意点について、琉球大学病院がんセンターの増田昌人センター長に聞いた。


乳がん月間は、乳がんの正しい知識・検診の啓発を目的とする国際的なキャンペーン。ピンクリボンがシンボルとなっている。

 

比較的治りやすいがん

乳がんの特徴や、がん治療を受ける際の注意点について、琉球大学病院がんセンターの増田昌人センター長に聞いた。
 

【教えてくれた人】

琉球大学病院がんセンター長
診療教授
医学博
増田 昌人さん

県内のがん施策を取りまとめ、「おきなわがんサポートハンドブック」の刊行に携わる



 
国立がん研究センターがん統計より
 
 


   乳がんの特徴は。

乳がんは、沖縄でも全国でも女性で最も患者数の多いがんです。がんの種類によって治りやすさにはかなり差があるのですが、乳がんは比較的治りやすいがん。2009年~11年の診断で5年生存率が約9割。早期に見つかると生存率はかなり高いため、定期的な検診は大事です。

最近の治療法は、がんの性質や遺伝子の変異を調べて、その違いによって使う薬を選択します。乳がんの場合、HER2や女性ホルモンの受容体があるかどうかで、治療法は変わります。

乳がんは症例数が多く国際的な標準治療が決まっているので、どの医療機関でも同じ水準の治療を受けられます。


   「標準治療」って普通の治療?

ここでいう標準は医学用語で、保険適応の「標準治療」は、科学的根拠に基づいた「一番上等」な治療です。

標準治療以外の最先端治療(ゲノム診療、免疫療法など)は適応する症例数が少なく、臨床段階のため必ずしも効果が出るものではありません。大学病院やがんセンターなど特別な制度のもと行われることが多いので、どうしても受けたい方は主治医によく相談しましょう。また、自由診療の免疫療法など健康保険の効かない治療法は、標準治療から大きく逸脱している可能性が高いので、避けるようにしましょう。


   告知後、ネットを検索して不安に…。

私は患者さんには、なるべくネットや本は見ないように伝えています。ちまたの本やネットは“トンデモ情報”がほとんどな上、がんのタイプはさまざまです。

主治医はがんのタイプだけでなく、患者さんのライフスタイルに合わせて治療法を提案します。同じ乳がんでも「ステージ2で70歳、夫と二人暮らし、働いていない、近くに子ども夫婦がいる」人と、「1人暮らしで30歳、OL、ステージ4」の人への提案は、まったく違います。自分に合う治療法を伝えてくれるのは、主治医だけです。治療法や副作用など、不安なことは満足のいく説明をしてもらいましょう。


 

 
 Q  どの病院で診断・治療を受けたらいい?

「おきなわがんサポートハンドブック」(無料で各市町村、医療機関で配布。webでも公開)で、がんの種類別に専門家が検討し、掲載要件を満たした医療施設の名前、連絡先が載っています。ほかに、情報の集め方、治療費の負担を軽くする各種制度や支援制度、体験談などの情報を掲載しています。

 

 

「おきなわがんサポートハンドブック」

また、離島ごとに「がん患者さんのための療養場所ガイド」という冊子を発行していて、WEBでも公開しています。県内のどこにいても正しい情報を得て、安心して治療を受けていただけたらと刊行しています。


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取材/栄野川里奈子
毎週木曜日発行「週刊ほ〜むぷらざ」
第1939号 2024年10月03日紙面から掲載

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funokinawa編集部

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